昨年のZeppツアー『Light Flight』から12月11日・Zepp DiverCity追加公演を全編収録した映像作品。“徒然モノクローム”“Light Flight”“流線型”といった2012年のシングル曲群のみならず、アルバム『VOYAGER』からいち早く披露された“自分勝手エモーション”“Small World”も含め、少しでも前へ先へ進もう、フジファブリック最新型を提示しようという意欲が、山内総一郎/金澤ダイスケ/加藤慎一の鳴らす1音1音から滲んでくる。そして、山内の堂々としたフロントマンとしての存在感と「この体制で初めての『ホシデサルトパレード』のツアーは本当に不安で、ひとりも来てくれないんじゃないかと思った」という赤裸々なMCとの対比が、“銀河”“Surfer King”といったアンセムや“蒼い鳥”の壮絶なインプロ大会にひときわ感動的な彩りを与えている。『ホシデサルトパレードTOUR 2011』Zepp Tokyo公演&昨年7月の『徒然流線TOUR 2012』リキッドルーム公演を全曲収録したボーナス・ディスクつき完全生産限定盤の1枚として観ることで、彼らの進化の足跡がよりリアルに体感できる名作。(高橋智樹)