メンバーに動きのあった前作でもタイトルの通り天気は変わり始めていたが、新作で事態はさらに進行している。パンク・スピリッツのもとファンクネスをブチかましてきた彼らは今、ある種の音楽的洗練に向かって邁進しているのだ。それは本人達の発言にも明らかだろう。「以前は曲を寄せ集めてアルバムを作ってたから、曖昧なアイデアを元にジャムることが多かったけど、今回はスタジオに入る前に全て書き上げてあったので全体の構成が見えていた」(マリオ・アンドレオーニ)
また、スプーンのジム・イーノにプロデュースを依頼し、テキサスにある彼のスタジオで録音を敢行。ジムは「ライヴの感覚をそのまま反映させすぎる傾向を感じたので、よりスタジオならではの音を追求し、予測のできない変化を受け入れることを提案した」のだそうだ。
結果は、音を聴けばすぐに分かるだろう。以前からのファンは最初こそ『ラウデン・アップ・ナウ』や『ミス・テイクス』にあった猥雑さが整理されていると感じ、少し物足りなさを覚えたりもするかもしれないが、いや、実に聴き込み甲斐のある作品になったと思う。(鈴木喜之)