イン・ラヴィング・メモリー・オブ…昨年の音源デビュー以来少しずつ人気を集め、これまで発表してきたシングルとEPを1枚にまとめた本作で日本デビューを果たすロンドン出身、17歳の3人組レッツ・レッスル。DIYロック人気でファンもバンドも低年齢化が進み未成年客オンリーのフェスまで開催される今のイギリスらしいバンドだが、ベクトルは「みんなで楽しくやりたいだけ〜」の坊ちゃん嬢ちゃんとはちと違う。
突き詰めればヴェルヴェッツ・チルドレンということになるけれど(英国伝家の宝刀=アート・スクール発バンドでもある)、ジョナサン・リッチマン、スウェル・マップス、ヴィック・ゴダードなど「ちょっとずれた」パンク・ロッカー達のアナーキーなポップ・センスとミニマルで隙間だらけなガレージ・サウンドはもちろん、その批評精神――約束事がないはずのロックに水垢みたいにくっついた約束事や偶像崇拝の否定――まで受け継いでいるのは大したもの。若くて何でも無茶できるのに、当世の人気バンドや彼らの「ロック」をトレースしている連中より遥かに骨があるし(音はへなちょこだけど)、登場そのものを祝福したい解毒剤のような新人。(坂本麻里子)