昨年ベーシストが抜け、ふたり体制で活動を再開したSISTER JET。彼らが生み出した本能だだ漏れロックンロールEPの格好良さには驚いたが、更に、その次のアクションに痺れた！　カジヒデキと堀江博久による伝説のユニット、DOTS+BORDERSと夢のカルテットを結成しアルバムを発表。そしてその新作がどこまでも瑞々しく、衝動と愛情に溢れた作品になっているのだ。「タガが外れたでもないけど、今まで以上にロックできてる」――今年4月にWATARU.Sはそう語っていたけれど、4人の新バンドとなった彼らもまた、タガが外れたままで、何者にも囚われていない。60sブリティッシュロック、マージービート、スウィング、サイケ。彼らの音楽の系譜をひもとくことは出来るのだけど、この音が発する瑞々しさがそんな行為を「野暮だ」といっている。マックスの音量で鳴り響く、蒼く衝動的な音塊。それに身を任せて、ただただ踊れ。批評や分析を寄せ付けない、エヴァーグリーンな全8曲だ。先日のお披露目ライヴも素晴らしすぎた。「一度きりの……」といっていたけれどまた観たい、絶対に！（塩澤淳）