チャットモンチーの４ヶ月ぶりとなるニュー・シングルは初の亀田誠治プロデュースによるミディアム・テンポのナンバー。アッコが手掛けた詞は、煙草の煙をモチーフに、拠り所のない男女のあいだの揺れる気持ちを描いている。真っ当過ぎるくらいスタンダードなロック・ナンバーだ。こういう曲をシングルとしてリリースする時点で、ポップさやキャッチーであることが必要以上に至上命題とされている現在のシーンの中で、チャットモンチーは何歩も先を行っている。この曲が本質的に持っている「間」は、ライブでも更に進化していくだろう。

“愛捨てた”は、クミコが詞を担当したバンドによるセルフ・プロデュース曲。骨太なオーバードライブ・ギターが炸裂する曲で、バンドが手掛けた曲が最もストレートなロックというのが、現在のバンドとしてのモードを伝えてくれる。“RPG”は、いしわたり淳治プロデュースによる、スネアの裏打ちが効いたカラフルなビート・ロック・ナンバー。とにかくアッコの詞が秀逸。３人はどんどん逞しくなって、この国のロックの「王道」へと邁進している。すごい。（古川琢也）