人生に寄り添うPOP集団・Official髭男dism、最新作で国民的バンドへ!(2)
「こういう曲があればもっと世の中、人生、面白いのにな」というのは、引き続き作り続けていますね。僕の人生も今回の6曲で、より豊かになることができました(藤原)
――みなさんの音楽はブラックミュージック的なフィーリングもポイントですし、リズム面の気持ちよさもすごくあるんですよね。
藤原 ありがとうございます。アレンジや音作りの面からもこだわっていますから。やはり僕らはバンド、4人で作っている音楽なんです。
小笹 聡くんは特にブラックミュージックが根底にあって、僕はパンクロックが好きなんです。メンバーそれぞれの好みの違いが反映されるのも、バンドをやっていて面白いところですね。
楢崎 僕ら、最初の頃はすごくいろんなジャンルの曲をやっていたんですよ。
藤原 陰鬱なコード進行の曲もありました(笑)。
楢崎 ずっとループさせてる暗い曲(笑)。でも、やっている内に、今の感じになっていったんです。
藤原 僕もブラックミュージック、モータウンばっかり聴いていたわけではなくて、実はデスメタルの畑から出てきているので。
松浦 「デスメタルの畑」ってなんか言葉の響きが怖いな(笑)。
藤原 「ハードなものとおしゃれなものが融合した時、どんだけかっこいいものになるんだろう?」っていうことも考えています。今作はブラックミュージック的なホーンセクションが入りながらも、ロックンロールのソウルを併せ持つような曲を作れたと思います。
――自分たちが好きなさまざまなエッセンスを上手く曲として形にしているということですね。前作のインタビューをした時、「自分たちの痒いところに手が届く孫の手を作るような感覚でやってる」って仰っていたんですけど、今回もまさに孫の手ミュージックを追求したのではないでしょうか?
藤原 そうだと思います。「こういう曲があればもっと世の中、人生、面白いのにな」というのは、引き続き作り続けていますね。僕の人生も今回の6曲で、より豊かになることができました。
小笹 音作りの参考にするために自分たちと似たバンドを探してみることもあるんですけど、なかなか見つからないんですよ。僕らの孫の手は、いいところに手を伸ばせている感覚があります。
藤原 ちょっとマニアックな話になっちゃうんですけど、TOTOのジェフ・ポーカロが“ロザーナ”でハーフタイムシャッフルというビートを作ったんですけど、ジョン・ボーナムが叩いたレッド・ツェッペリンの“フール・イン・ザ・レイン”という曲と、バーナード・パーディーが叩いているスティーリー・ダンの“ホーム・アット・ラスト”、ふたつの曲のシャッフルのエッセンスを採り入れて、独自のシャッフルビートを作り出したんです。そういう感じで、「これのここは面白いけど、あっちのあれも面白い」っていうのをまとめて、ひげだんの音楽にしたいんです。
――「自分たちが欲しいものを自分たちで作っている」っていうことですね。
藤原 そうだと思います。僕らはそんなに特殊な編成ではないですし、聴き慣れた音ではありますけど、「古き良きもの」ということではなく、「自分たちなりのものを出す」というのもひげだんのアイデンティティです。「ポップ」っていうところからどれだけはみ出すかについても4人で考えていますから。最高のはみ出し方を4人で日々見つけていきたいですよ。だから例えば“Clap Clap”や“日曜日のラブレター”のようなギターソロも、いいはみ出し方だと思います。
小笹 ギターソロを弾く機会をくれるというのが嬉しいです(笑)。
藤原 僕はコブシの利いたギターソロが大好きなので、ガシガシ弾いてもらえると楽しいです。僕のリズムとギターソロへのこだわりは、元メタラーならではではないかと(笑)。
――藤原さんは元ドラマーですよね?
藤原 はい。ひげだんで今後、もしメタルな曲をやることになったらドラムを僕が叩いて、彼(松浦)にハイトーンで歌ってもらうかもしれません(笑)。
松浦 怖いなあ(笑)。
酔っぱらったときは、気持ちを伝えることにしています(笑)。「バンド組んでほんと良かった。お前ら、ありがとう!」って号泣したことがありますから(藤原)
そういうのがまたあるといいね(小笹)
――ひげだんはJ-POPや歌謡曲的な部分が絶妙な加減で香っているのも魅力だと思います。
藤原 洋楽だけじゃなく、邦楽もこの4人は聴いてきていますからね。日本人ですから歌謡曲を世に放っていきたいので。
――“ゼロのままでいられたら”と“日曜日のラブレター”は、すごく胸に沁みる甘酸っぱいメロディですし、そういう部分を感じました。僕、この2曲、繋がりがあるように感じたんですが。
藤原 その通りです。“ゼロのままでいられたら”は、遠距離恋愛をしているカップルを女の子の目線で描いています。“日曜日のラブレター”は、男の子の目線です。ストーリーとかシチュエーションを作る描き方は、好きなんですよ。
――“日曜日のラブレター”の男の子、彼女の枕の下にラブレターをこっそり入れておくんですね。
藤原 キザですよね(笑)。《幸せな日々が続いたら愛の言葉も挨拶になる》って歌っているんですけど、長年一緒にいると感謝の気持ちとか、好きであるという気持ちを伝えなくなるじゃないですか。だから気持ちをちゃんと見直して、ちゃんと伝えようという想いをこめています。
――仲のいいバンドメンバー同士も、こういう気持ちは大事かも。
藤原 酔っぱらったときは、気持ちを伝えることにしています(笑)。「バンド組んでほんと良かった。お前ら、ありがとう!」って号泣したことがありますから。
小笹 そういうのがまたあるといいね。
藤原 ホールツアーを実現して、最終日を迎えるまでは泣かないことにします。早く泣かせて欲しい(笑)。今回、ブラスやストリングスもCDに入れることができましたし、いつかは生でこういう音をでっかい会場に放てるようになりたいですよ。その段階に早く行けるように4人で精進して頑張ります。いろんなメンバーの曲も形にしながら、さらに進化したいです。そう考えると……バンドっていいですね(笑)。結成して約4年ですけど、この4人で良かったと日々実感しております。
――ひげだんって、音楽に対する夢がたくさんあるバンドですね。
藤原 はい。夢だらけです。やりたいことが山ほどあるので。あんまりガツガツした言い方は良くないかもしれないですけど、早くさらに上のステージに行けるようになりたいです。どんどん上に登りたいですよ。そうしないと出せない音、やれない音があるので。
ミュージックビデオ
リリース情報
『MAN IN THE MIRROR』
¥1,500+税 / LACD-0276
収録曲:
1.Clap Clap
2.コーヒーとシロップ
3.Happy Birthday To You
4.恋の去り際
5.ゼロのままでいられたら
6.日曜日のラブレター
ライブ情報
Twoman tour「THE DAILY MIRROR tour 2016」
2016年7月16日(土) [大阪]福島LIVE SQUARE 2nd LINE
GUEST:Qaijff
2016年7月17日(日) [愛知]名古屋Heart Land
GUEST:コアラモード.
2016年7月23日(土) [東京]渋谷TAKE OFF 7
GUEST:荒川ケンタウロス
地元単独公演
2016年8月6日(土) [島根]松江AZTiC canova
提供:ラストラム・ミュージックエンタテインメント
企画・制作:RO69編集部