

1年半ぶりのロングインタヴュー! 全真相を語る
RADWIMPSの野田洋次郎が主演という大きな決断をした映画『トイレのピエタ』。野田演じる余命3ヶ月と診断された主人公・宏が、どう生きていて、どう死に向かっていくかという「命」を描いた映画だ。その主題と、「あなた」に出会い、絵を描くことで「生」を燃やす宏の姿は驚くほど、野田洋次郎、その人に重なる。双方が共振したことは、とても大きな必然があると思えるのだ。
RADWIMPSのこれまでの楽曲の中でも最高に美しいと思えるのが、主題歌の“ピクニック”。自らの主演映画の主題歌という、特別な楽曲を生んだRADWIMPS・野田洋次郎が、約1年半ぶりに『ロッキング・オン・ジャパン』でインタヴューに応えた。その言葉を4月30日の本誌発売に先がけて、ここに掲載する。
映画のオファーがあって、最初は「まあないよね」って話はしながら、脚本を見て。「これは素晴らしいですね」っていう話をして、一度この気持ちは伝えたいし、「音楽だけでもなんかやりたいです」っていう気持ちは伝えようと思って監督に会った
主人公の宏は、ほんとひとごとじゃなかった。ものを作る姿勢もちょっと穿った世界の見方もそうだし、自分が音楽で認められてなかったとしたら宏と同じように俺は音楽を、楽器を置いて触れずに、世界とつかず離れずの距離を保ちながら、でも周りをどっかちょっと見下しながら生きてるだろうなって。そのすべてが僕にとって現実で
震災っていうリアルな悲劇が起こって、今は余計に、死にたくないなあっていう気持ちがもっとちゃんと怖い。それは今回の撮影でもたくさん味わって、撮影終盤なんて家帰ってほんと泣けてきて。ほんと死にたくねえなって
結局死んじゃう自分ができることなんて限られてるし、100年後なんか忘れ去られてるわけだし、もう成功も失敗もほとんど同じ意味だなぐらいの。あとは自分の喜びと自分の満足と、自分っていう命を燃やし尽くしたいなっていう気持ちがどんどん出てきたんだと思います

こんだけ言葉が溢れ返ってて、言葉でね、別れたりつき合ったり喧嘩したりわかり合ったり。実はそのどれもが空虚なものなんじゃないかって。それぐらいあの主人公の宏と真衣は、人間が持つ可能性と言葉の不確かさと、ただただ魂と魂がそこにあればこんだけのものをやり取りできるんだっていうことを体現してる
主題歌の“ピクニック”は、体裁をもうちょっと整えた曲はできたと思うんですけど、撮影から一瞬で作った曲の跳躍力にはかなわないのかなあと思って。もうちょっと俯瞰で、野田洋次郎として書いてたら、もうちょっとしっかりしたストーリーが何かあったかもしれないけど。そこも今普通にRADWIMPSとして曲を書くのとも違う気がした
改めてやっぱり自分はミュージシャンだなと思ったし、ものを作りたい人なんだなあって思いましたね。でも片方では役者として呼ばれてたから必要以上のことは絶対しないって思って。だから両方あって
演技をしたっていうのは、自分が表現する一番極(きょく)、極みなところのひとつな気がして。だからより、「これ世の中に蒔く種としておもしろいんじゃないか」って思ったとしたら、それがほんとに純粋なものであれば、より躊躇なく表現してみようっていう気になったと思います。だから曲もすげえやっぱできてくし、それが楽しいです
続きは2015年4月30日(木)発売のロッキング・オン・ジャパン 6月号で!
- ROCKIN’ON JAPAN 2015年6月号
ASIAN KUNG-FU GENERATION 最新作を全員で語る! ゴッチの「王道の5枚」も!
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- ●発売日:2015-04-30
- ●定価:571円 + 税