SPECIAL OTHERS×山田将司×菅原卓郎
最強コラボ記念――特別座談会が実現!

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前作コラボ盤『SPECIAL OTHERS』から約5年、いよいよリリースされたSPECIAL OTHERSのコラボ作品第2弾『SPECIAL OTHERS II』。斉藤和義/RIP SLYME/山田将司(THE BACK HORN)&菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)/GEN(04 Limited Sazabys)/浜野謙太(在日ファンク)といった幅広い音楽性のアーティストとの共演は、「インスト+歌もの」では到底説明しきれない唯一無二のマジカルな響きと磁場を備えたものだ。 RO69では『SPECIAL OTHERS II』のリリースを記念して、SPECIAL OTHERS×山田将司×菅原卓郎の座談会を行った。「音楽的異種格闘技戦」でもあり「気心の知れた盟友同士の共演」でもある勇壮にして豊潤なコラボ曲“マイルストーン”を巡る座談会を通して、それぞれの音楽観・コラボ観が伝わる、貴重な内容になっていると思う。

インタビュー=高橋智樹 撮影=宇佐美裕世

寄り添い合うわけでもなく、お互い自分を全うしていく、みたいな(山田)

――コラボ曲“マイルストーン”、単に「SPECIAL OTHERSの曲におふたりのボーカルが乗っかった」ではなく、完全に「この6人の音楽」になっていて。おふたりは実際、スペアザからオファーが来た時はどういうものになると想像してました?

菅原 でも、ひとりじゃなくて、ふたりセットでの話だったからね。

山田 「ここがセットか!」っていう感じだったからね(笑)。でもいい意味で、ここがセットになった理由もわかったから。それがスペアザの音楽と混じった時に――ぶつかるわけじゃなくて平行線でそのまま、一緒になってんのかわかんないけど続いていく感じになったら面白いなと思って。寄り添い合うわけでもなく、お互い自分を全うしていく、みたいな。

菅原 でも、できあがったら混ざったなあって(笑)。

宮原"TOYIN"良太(Dr・Perc) 俺たち的には、やる前はちょっと予想つかなかったみたいなところがあって、それも面白そうな要素のひとつだなあって。名前を見ただけだと、「一体どうなってしまうんだろう?」って感じるだろうと思ったから。そのハプニング感みたいなものもね。

芹澤"REMI"優真(Key) まあでも強く言いたいのは、ひとりひとりでもコラボに足る人だからこそ、ふたり合わさってものすごいものになるんじゃないか?っていう。「ふたりじゃなきゃ足りない」んじゃなくて、「足りすぎてるふたり」が合わさった時の爆発力を、絶対みんなに聴いてほしいと思う(笑)。

宮原 お互いの詞の世界観の擦り合わせってどんな感じだったのかな?って気になるんだけど。

山田 最初、とりあえず「このメロディに対してできたフレーズをお互い提示し合おう」っつって、メールでやりとりしてて。で、Dメロがなんとなく先に見えて、「Aメロはこんな感じじゃねえか?」とか「サビはこんな感じで」ってなって、ふたりでスタジオ入ってまた一回歌詞を揉んで……その前にメロディもか。

菅原 そうですね。先にメロディやって「歌詞どうする?」っていう話になって。とりあえず、持ち寄ったメロディの部分には歌詞をつけてみよう、余裕があったらほかのところもやろう、って書いていって。そのDメロの、《きっと命は〜》っていうところがあるんですけど、そこをほとんど丸々将司さんが書いてきて、「これはこの動きのままのほうがいいや」って。で、歌詞もそのままのほうがいいんじゃないかなと思ったから、そこを軸にして、聴きながら出てきた言葉をお互いに投げかけ合って、だんだん形になっていった感じですね。

芹澤 結構歌詞変わったもんね、最初の段階で聴いたものと。研鑽したんだなあと思う。

菅原 やっぱり、バックホーンでも9mmでもない訴えかけ方というか、メッセージの仕方だなあと思って。これはSPECIAL OTHERSと一緒にやったから、こういう口調、言葉遣いの歌詞になったんじゃないかなあと思いますね。

芹澤 確かにバックホーンの歌詞って、真ん中に人がドーン!と立ってる感じの歌詞だけど、これはもうちょっと風景画みたいな歌詞だなあと思って。その違いが大きいなあって。一人称じゃない歌詞っていうか。

山田 そうだね。やっぱ、引っ張られたところがあるのかなあ。

――《愛だけは滲ませないで》っていう歌詞には、元になったフレーズがあったらしいですね。

宮原 仮歌で、《愛だけが滲む世界 君を愛してる》っていう適当な歌詞をもとにして、曲を作っていったんですけど。メロディがないと曲が作りづらかったんで。これは無視してもらって構わないと思ってたものだったんですけど――でもなんか、ふたりで話し合った結果、「愛だけは滲んじゃダメだろう」っていう話になったらしくて(笑)。

菅原 そうそう。「愛は滲んじゃダメなんじゃないか?」って(笑)。

芹澤 でも、こちらの見解としては、「愛だけが滲むようなこんな朽ち果てた世界で、でも君を愛してる」っていう、たったひとつの大きな、絶対愛みたいなものを――。

宮原 なんで芹澤のほうが意味知ってんだよ! 俺が歌ってたのに。でも、確かにその通り(笑)。

菅原 歌詞の世界観的に、ひとりだけに歌うんじゃなくて、全員に歌うっていうか。歌詞をまとめていく時に、「これはSPECIAL OTHERSのオーディエンスに向かって俺たちが歌うことになる」と思ったから。しかも、お客さんだけじゃなくて、SPECIAL OTHERSにも歌いたいなと思ったし……だからまあ、愛は滲ませないほうがいいかなと(笑)。

芹澤 「滲む」が「滲ませない」になっただけで、多数に向けてるように聴こえるもんね。

宮原 確かに、俺らに向けられてるようなメッセージでもあるなって思った。

自分たちが周りからどう見られてるか?っていうヒント、回答じゃないですか。そういうものにはもう乗っかろうと思って(菅原)

――斉藤和義さんとかRIP SLYMEとか、ほかのコラボアーティストもそうなんですけど、歌詞の中に「コラボ相手からのスペアザへの想い、ロマン」みたいなものが随所にこめられていて。

菅原 斉藤さんがメンバーのミドルネームを入れて歌ってるじゃないですか。「うわ、やられた!」と思って(笑)。

柳下"DAYO"武史(G) あれはシビレたねえ。でも、そうやって相手のことを思いながら作れるのも、コラボの面白いところだよね。リスペクトあってこそだからね。

菅原 歌のメロディも、最初から完全に作ってあって「こうやってください」っていうんじゃなくて。自分たちが歌うパートを任せてくれてるっていう。

山田 何メロまででも書けてたしね。実際、Eメロ?Fメロぐらいまで行ってるのかな。

宮原 最初、俺たちが楽器でメロディを弾いちゃってたから、やりづらかったかもしれないけど。それは大丈夫だった?

菅原 結構、何パターンかやりましたよね。「前半は将司さんので、後半は俺のにしてみよう」とかね。

芹澤 でも、あえてメロディを思いっきり弾いて、「挑戦してみろ!」っていう気持ちでやった部分もあるからね。わざとソロっぽく弾いて、「これにメロディをつけるおふたりの実力はいかに?」って(笑)。

又吉"SEGUN"優也(B) 「どうやって乗せてくるのかなあ」って思ってたよね。

柳下 「インストだけでも成立するような曲を作ろう」みたいな気持ちでやってたんで。「もしかしたらここに歌を乗っけづらいのかも……でもふたりならできるだろう!」ぐらいの(笑)。

山田 コード的に、一音目からテンション(三和音以外の音)を鳴らしてるから。「このAメロはどこの音から入るのがキャッチーなのか?」ってね。

宮原 そのテンション、わざとだから(笑)。

柳下 あのテンション感も逆に、ふたりのイメージから導き出されたものだからね。

芹澤 そうだね。「緊張の糸を張り詰めさせまくる」には、あのテンションしかなかったからね。ふたりの暗黒みたいな、ドロドロみたいなあの雰囲気をどうやって醸し出すか?っていったら、意外とテンションの複雑なコード進行になったよね、やっぱり(笑)。

菅原 コラボする相手に対してのイメージっていうか先入観は、自分たちが周りからどう見られてるか?っていうヒント、回答じゃないですか。そういうものにはもう乗っかろうと思って。「じゃあそういうものにしよう」って(笑)。

山田 サビメロも結構――始まりをサビにするかも揉んだけど、サビのメロディも何回かスタジオで揉んでたからね。

菅原 結構細かい符割りで歌もバンドも入ってるんですけど。最初はちょっとかわすっていうか、「歌メロはちょっと大きめの符割りで取って入ったらどうだろう?」って言ってたんだけど……最終的に「もう一緒に攻めたほうがいいや」ってなって(笑)。

芹澤 そんな消去法みたいな形で意見が重なったふたりなのに、一番俺らが求めてたものが返ってきてるっていう(笑)。最終的に、俺らが最もそうしてほしかった形になるから。それがコラボの面白いところですね。

山田 結果的に、かなり「構築をしていった」感じはあるんで。「ぶつけに行った」っていうよりは。

芹澤 何よりレコーディングしてて思ったのは、テクニックがすごいふたりだなあって。ボーカリストとしてすごくうまい! ――って俺らが上から言うのも何ですけど(笑)。バンドの中のボーカルだから、なかなかそこにフィーチャーされづらいと思うし、それぞれ世界観が強いから、うまい/うまくないで語られることが少ないふたりだと思うんですよ、たぶん。でも、スキルとしても圧倒的にうまいっていうのは、みんなに伝えたいですね。

菅原 ……褒められちゃった。

山田 やった意味あったね。

菅原 ねえ(笑)。たまにありますね、弾き語りとかでライブをやった時に、観た人の感想が、「あの人、歌うまいな!」みたいな。

宮原 勢いで行ってんじゃないか?って思われがちだと思うんだけど、ほんとうまいよね。

芹澤 後半の山田くんの柔らかい歌い方とか、あんな違う属性の声をふたつとも使い分けて、しかも自分のものにしてるとか、ほかの人にはなかなかできないことだから。プロの技を感じましたね。

宮原 エンジニアも「あのふたり(のレコーディング)は早く終わりそうだな!」って言ってたし(笑)。

又吉 俺たち時間かかるから(笑)。

山田 それ、休憩が長いんじゃなくて?

宮原 それはある(笑)。

菅原 歌録ってる間も、ミキサールームの声が(ヘッドホンに)入ってくるじゃないですか。もう、ずーっとしゃべってるんですよ(笑)。

山田 歌録りってさ、本当は緊張感あるし、トークバックの時もなるべくしゃべらないようにしてるんだけど、スペアザはザワザワしてて。「俺、今から録るんだけど!」みたいな(笑)。バリバリってせんべい食ってる音がしたりするし。でも、あれがすげえよかった。落ち着いてやれたし。

芹澤 俺らの座右の銘は「緊張感を出したくない」だから。絶対に張り詰めたくないんだよね。ボーカリストによっては、ひとりで3時間くらいこもって自分を作って歌ったりする人もいるらしいし、それだけ繊細な作業なんだろうなと思いつつ……地が抜けないんですよね(笑)。

菅原 でも、結果的に俺らも食いまくってたからな(笑)。わりと普通の延長でパッと、将司さんも――将司さんの歌入れももちろん見たことあるわけじゃないから、どんなふうにやるんだろうな?と思ったんだけど――。

山田 俺も面白かったな、卓郎の歌入れを見れたのは。

菅原 面白いですよね。ステージで共演することはよくあっても、ボーカリストが相手の歌入れを見ることってそこまでないから。

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