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一生懸命やることしかできないから、力強く歌ったり弾いたりすれば、熱さや泣けるところに繋がる(クニタケ)
──熱いっていうバンドのカラーは、メンバーのみなさんの性格が出ているんですかね?
クニタケ ライヴに関しては、いっぱい汗かいて、カッコつけてるわけでもないし、めちゃくちゃ気持ち悪いと思うんですけど(笑)、一生懸命やることしかできないから、力強く歌ったり弾いたりすれば、結果的に熱さや泣けるところに繋がると思うんですよね。自分たちの武器は一生懸命やれることだと思っています。
──それは、最初に言っていたような初期衝動があるからこそ、バンドに夢中になれるんでしょうね。
クニタケ そうですね。
ヒラヤマ ブレてないところは絶対にあると思うんですけど、今回の歌詞は、今だから歌える内容なのかなって。
──大人の青春ソングですよね。
ヒラタ そんな感じですね!
──いろんな経験をしないと、歌えない歌詞もあるじゃないですか。《何千回も夢見て/何万回も現実に潰され/それでも俺は 叫ぶ》とか。
クニタケ そうですね。そう言われると、大人になったんだなって思います。でも、思ってることは変わらなくて、言葉のひとつひとつで大人感が滲み出るようなふうになれたのは嬉しいですね。いろいろ経験できたんだなって。
──初期衝動がなくならない理由って、歌い出しにある、《鳴り止むことないあの日のメロディ》に掻き立てられているところも大きいと思うんですよ。だから、みなさんにとっての、それぞれの《あの日のメロディ》を伺いたいなって。
クニタケ これは、実際のメロディだけじゃなく、あの日の事柄って捉えてくれてもいいかなって思って書いたんです。ただ、バンドを頑張ろうとかこうなりたいなって思ったバンドをあげるなら、RYOSUKEさんのFUCK YOU HEROESとか、NOB、あとGOING STEADYですね。
ヒラヤマ 僕はGOING STEADYかな。中学生で音楽を聴くようになるキッカケになりましたし。歌詞カードを読んで覚えていることが、不思議と楽しくて、ずーっと頭で鳴っていたんですよね。学校帰りの自転車でも歌っていましたし。この《あの日のメロディ》っていう歌詞を見た時、俺が思い出したのはその風景だったんです。今でもGOING STEADYを聴くと、その風景や、当時の彼女を自転車に乗せて帰ったこととか思い出します。
──青春キーワード満載ですね!
ヒラヤマ この“素晴らしき世界”を、まだ10代の子が聴いて、僕にとってのGOING STEADYみたいな曲になればいいかなって。まだ、わからないかもしれないけど。
ヒラタ 僕は、GOING STEADYとか、特定のルーツのバンドもいますけど、この歌詞からは、バンドをやっている上で、辛いこととかも経験してきたんで、そういった気持ちや、そういう時に対バンしてくれたバンドとかを思い出しますね。
オガワ リョウタ(Dr) ルーツはみんな近いですね。アルバム出して1年やってきて、いろんなことを経験して。自分が子供の頃とかにライヴや映像を観たり聴いたりして、心が奮い立ったように、今自分たちがバンドをやる立場で、いろんなとこ行って、お客さんが来てくれて、わーってなって……その歌詞通りですね。メロディがお客さんに響いて、自分たちもそんなバンドになっていけているのかなって。
──そう、青春っていうと、刹那的なイメージですけど、エバヤンの青春はそうじゃないんですよ。《想いは未だに震えてさ》《まだ終われない/この夢は続く》だし。いつまでたっても青春が終わらないって言ってくれているのは、希望になりますよね。
クニタケ そうなんですよね。青春って、学生時代だけだろとか、そんなことまだ続けとったと?って思われるようなことが風潮としてあるじゃないですか。そうじゃなく、本当にそれが好きだったらずっと聴くと思うし、青春って、自分が走り続けていたらずっと続くもんだと思うので、何歳になっても。そういうことへのアンチテーゼじゃないですけど、違うよ、ずっと思っていたら続くよって言いたいんですよね。
──自分の心持次第ですもんね。変に自分で区切りをつけなければいいだけの話で。
クニタケ そうですね。やっぱり高校卒業して、大学卒業して、就職してって、区切りが人生にいっぱいあると思いますけど、何かを続けているなら区切る必要なんてないと思います。
メッセージを飛ばすところに重きを置いてライヴをやると、お客さんは動かないですけど伝わっているなって。速い曲もこういう曲も同じ熱量で俺たちはやれるんだって、可能性を感じたというか(ヒラヤマ)
──さっき、一生懸命っていうキーワードが出てきましたけど、2曲目の“明日はいらねぇ”も、まさに一生懸命な曲で。汗や涙やいろんな汁が出まくっていますよね。
クニタケ 汁を密閉しているんです(笑)。レコーティングもちっちゃいブースで、僕、汗かきなんですけど、全部真っ白になりました。
ヒラヤマ サウナみたいでしたね。
──だからにおうんだ(笑)。
クニタケ 臭かったですか?(笑)。
──臭い曲、最高じゃないですか! ラブソングにも聴こえますけど。
クニタケ そう捉えてもらえるのもめちゃめちゃ嬉しいんですけど、ライヴのMCとかで言いだしたことだったんですよね。心のドアを叩いて、君が笑ってくれたら、それだけでいいって。感情のコールアンドレスポンスじゃないですけど、俺も、泣きながらシンガロングしてくれるあなたに救われたけんっていう、それの繰り返しですよね。
──じゃあ、聴いてくれるひとりひとりに向けて歌っているんですね。
クニタケ そうですね。CDやライヴで。
──相当な思いで歌っているんですね。
クニタケ ほんとに思っちゃうんですよね。ライヴで、ありがとうよりも上の感情で訴えかけたいというか。その感情を、この歌詞で具体化できたかなって。
──そして3曲目の“Because I Love You”は、こんなどバラード、最近ではロックバンドのみならず、Jポップでも珍しいくらいですよね。あえてですか?
クニタケ チャレンジですね。で、作ったらしっくりきたというか、これも全然いけるなって。
──難しくはなかったですか?
ヒラタ どっちかっていうと、1、2曲目のほうが、ライヴでも感情は出しやすいじゃないですか。だから、確かに難しいですね。
ヒラヤマ 自分らはモッシュやダイブが起きるライヴが好きだったんですけど、この曲では起きないと思うんです。でも、メッセージを飛ばすっていうところに重きを置いてライヴをやると、お客さんは動かないですけど、あ、伝わっているんだなって、聴いてくれていることがわかって。速い曲もこういう曲も同じ熱量で俺たちはやれるんだなって、可能性を感じたというか。
オガワ 作る時はチャレンジでしたね。元々そういう曲、殆どなかったんで。でも、レコーディングはいい感じでできたと思っています。ライヴで実際にやる時は、バラードだからバラードチックにやるよりは、バンドの熱量を大事にしていて、それがお客さんに届いているのかなって。
──熱量は同じで、熱の出し方が違うだけですもんね。バンドの幅を広げるきっかけになるんじゃないんですか?
クニタケ そうですね。またこういう曲も作っていきたいですね。モッシュやダイブも嬉しいですけど、お客さんが微動だにせず、神妙な顔で見てくれたりとか、泣いてくれたりとか、それが一番嬉しい反応だったりするので。聴いてくれてるんだ、見てくれてるんだって。激しい曲でも何でも、そういう景色が広がっていたらいいなって、いつも思っていますね。
ヒラヤマ 個人的には、映画を一本観るようなライヴにしたいなあって。オープニングから、シリアスなシーンもあって、最終的には壮大に終わっていくような。
──映画にはこういう曲も重要ですよね。
ヒラヤマ 重要になると思います。
──改めて、バンド名にぴったりな曲が多いと思うんですけど、歌詞がバンド名に引っ張られることってありますか?
クニタケ 引っ張られることはないですね。僕も、ほんとバンド名がしっくりきてるなあって。一生思っていることは根本的に変えられないと思って。僕の思考は、もともとTHE FOREVER YOUNGっていう名前に合っていたんだなって、今また強く思っています。
──ずっと地元の久留米に住んで活動していることには、理由はあるんですか?
クニタケ 僕たちはライヴのMCは久留米弁なんですけど、こっち(東京)来たら、違う言葉になるじゃないですか。あと、地元に応援してくれている人たちもいっぱいいるので、そういうのも背負ってやっていきたいとはずっと思っています。
──等身大の環境でやることが重要なバンドという気もしますしね。
クニタケ そうですね。
──これからの目標ってありますか?
クニタケ テレビは出たいです!
──お、想像以上に具体的な目標が出てきましたね。
ヒラヤマ 親孝行ですね。そういうことでしか、親ってわからないじゃないですか。
クニタケ あとは、バンド始めた時の夢ですよね。テレビ出たい!Mステ出たい!みたいな。
──出ましたね、初期衝動。
クニタケ そうです。だから、Mステ出たいです(笑)。

提供:ステップアップレコーズ
企画・制作:RO69編集部
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