a crowd of rebellion・小林亮輔ソロインタビュー! 3rdフルアルバム『Ill』に注ぎ込まれた半生に迫る

a crowd of rebellion・小林亮輔ソロインタビュー! 3rdフルアルバム『Ill』に注ぎ込まれた半生に迫る

正直、僕っていう人間は、他の4人がいないと何も成立しない


――これまでのa crowd of rebellionの作品は音楽的に見れば、いろんな要素を取り込んだ「異形のモンスター」というか、むしろその異形感がスリルとダイナミズムを呼び起こしてくる部分が大きかったんですけど、今回の『Ill』はひと言で言えば「人間のアルバム」というか。異形な部分はあるかもしれないけど、その核には人間の感情が息づいている感じがありますよね。

「そうですね。根本は何も変わってないんですけど、研ぎ澄まされたというか。今回は今までみたいなハチャメチャ感よりかは、自分たちの好きだったルーツ感みたいなものと……このアルバムでは、メンバーが僕をフィーチャーしてくれたので。今までに比べたら、とても人間くさいアルバムになっているのかなっていう感じですね」

――まさに今回のアルバムの重要な部分は、その「小林さん自身をアルバムの軸としてフィーチャーする」というところだと思うんですけども。どういう流れでそうなっていったんですか?

「『今年どうしよう?』『次作どうしよう?』みたいなミーティングの時に、うちのシャウトボーカルの宮田(大作)さんが『今作は亮輔をフィーチャーしたらどうか』っていう提案をしてくれて。他のメンバーも、会社のスタッフも周りの人たちも『いいね』って言ってくださって、こういう形になったんですよ。でも実際、僕としては戸惑ったんですよ。僕はもう……全部が普通の人以下なんですよ。普通の人ができてることもできないような人間ですし、優れているところがまったくない人間で」

――いやいやいや(笑)。

「本当に自信がないんですよ。正直、僕っていう人間は、他の4人がいないと何も成立しないと思っていて。僕がひとりで音楽をやるってなったら、たぶん何も意味がない――っていうか、たぶん音楽じゃないと思います。で、いろいろ僕なりに悩んでた時に……せっかくここまでみんなが言ってくれてて、僕は本当にみんなに守ってもらってて、『大丈夫だよ、大丈夫だよ』って言ってもらってここまで来たのに、なんでおれは戸惑ってるんだ?って。このバンドではこれだけみんなが肯定してくれてる自分を、否定するのは違うかなと思って。僕も『じゃあ、それでいこう』って」


よく僕を辞めさせなかったなって、今でも思うんですよ(笑)


――《結局何一つ守ることができなかった》(“Prologue -Insomnia-”)であったり、《ただ守れないでごめんね》(“紡冬”)であったり、今回の歌詞にはシリアスな内面と向き合った結果として生まれたと思われるフレーズが多数見られます。今回のアルバムを通して、自分の中で一番掘り下げた部分はどういうところでした?

「家族とかの話ですね。自分が生きてきた人生とか……最初からです。『今まで生きてきたことって、なんだったのかな』って、改めて俯瞰してみたんですよ。自分を知るっていうか。自分を何も知らないで、言いたいことばっかり今まで書いてきたんで。今回自分をフィーチャーするっていうことで、改めて自分の昔、過去の見たくないもの、思い出したくないことを考えた時に……守れてなかったものがすげえ多かったなあとか。臆病なやつなんですよ。大事なものが多ければ多いほど、すごく弱くなってしまうというか。離れたくないし。《何一つ守ることができなかった》っていうのは――その後に《裏切ってしまった人達》っていうワードもあって。今でこそ思えるのかもしれないですけど――自分は実際『裏切られた、裏切られた』と思って生きてきたんですけど、結局なんで裏切られるかって、僕が裏切ってたからだと思うんですよ。そういうことを言葉として書いてるっていうことは、裏切ったことのほうがたぶん多いんですよ。そういうのも自分の中で俯瞰して、反芻して、自分の過去と向き合って……そのまま書きました」

――それは少年期の自分のことを思い返した部分が大きい?

「そうですね。それもありますし、本当に最近のことでもあります。少年期、幼少期は僕、いじめられてたんですよ。いじめられっ子だけど、その発端は何かな?って今思い返した時に、『俺、もしかして先に手を出したんじゃねえか?』『人から煙たがられるようなことしたんじゃねえか?』って。思い当たるフシもあるなあ、って気づいた時に、『ああ、もうその通りだなあ。そのことを書こう』って思ったりとか。あと、最近――っていうかメジャーデビューするちょっと前ぐらいに、地元の、ちょっと怖い人たちから『ああ、メジャーデビューするんだ? 俺、お前にいじめられてたからなあ』みたいなことを言われてたりしてたんですよ。『でも俺、いじめてねえしなあ』『っていうか、むしろお前らのほうが俺のこといじめてたじゃん』って思ったりもして。いじめられてたって言っても、急に友達が朝迎えに来なかったりとか、無視が始まったりとか――僕はそのまま自分がやられたことだけを憎みながら25歳になって、人のせいだ、人のせいだ、って思って生きてたんですけど。今回の作品を出すにあたって、自分を俯瞰して見た時に、『俺、めちゃくちゃ悪い奴だな』ってすげえ思って。ダメな奴だなっていうのは今までも思ってたんですけど」

――思い返せば、小林さんってリベリオンにはあとから加わった――というか、もともとリベリオンが大好きで、ライブの最前列で頭振ってた高校生だったわけじゃないですか。

「(笑)そうですね、はい」

――その小林さんの内面の物語を掘り下げていくことが、3枚目のフルアルバムの核になっていくっていうサイクルは、なかなか不思議なものがありますよね。

「だから、よく僕を辞めさせなかったなって、今でも思うんですよ(笑)。僕、最初入った時はギター弾けなかったんですよ。ずっと高校生バンドでギャーッって叫んでただけなんで、別に歌も歌えないし。なのに、『お前、ギターできるっぽいじゃん』っていう理由で入って。コーラスとギターをやったんですけど、最初のスタジオでまあ弾けなくて(笑)。泣きながら1ヶ月くらい学校休みまくってギター練習したんですけど、まあヘタクソですし。この人たちはそれこそ7〜8年とか、よく俺を切らないで、急にここで『お前の精神世界をフィーチャーして』っていう考えになったなあと思って。彼らには……サードアイがあるんじゃないですかね、潜在的な、動物的な何かが(笑)。あと、やっぱり彼らは優しいんですよね。その優しさと、動物的な何かがあって、僕をバーンと打ち出してくれたんでしょうね」

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