オメでたい頭でなによりのオリジナリティが光る新曲“乾杯トゥモロー”。彼らの音楽は、なぜ笑えるのに泣けるのか?

失敗してもそれが後に繋がっていくこともあるから失敗とは言い切れないし、限界を決めずにやりたいことはやり通した方がいいと思うんです(ぽにきんぐだむ)


――カップリングの“チャイルドプレイ”は、オメでたらしいラウドなサウンドですね。

ぽにきんぐだむ 僕がやりたいことを100%やらせてもらいました。2MCでやるってことも考えながら作っていきました。

――作曲をした中西航介さんに、やりたいイメージをお伝えしたんですか?

ぽにきんぐだむ はい。イメージをまさに形にしてくれました。

324 オメでたとの付き合いが長い、第6のメンバーともいうべき人の作曲なので、ものすごく我々らしいサウンドになってると思います。

――歌詞は、ぽにきんぐだむさんが日頃思っていることをダイレクトに反映したんでしょうね。信じた道を進んでいる人に、いろいろ横槍を入れてくる人への気持ちを描いている曲として受け止めました。

ぽにきんぐだむ はい(笑)。まあ、「まだ音楽やってんの?」とか言われますから。続けることによって今があるし、失敗してもそれが後に繋がっていくこともあるから失敗とは言い切れないし、終わりを決めるのは自分なんだから、限界を決めずにやりたいことはやり通した方がいいと思うんです。“チャイルドプレイ”で歌ってることは、今回の他の2曲と、根本は同じなのかもしれないです。

――324さんが作詞作曲をした“四畳半フォークリフト”も、通ずるものがありますよね。

324 そうですね。この曲、トラックはバキバキですけど、歌ってることは内向的で、厭世的で、女々しいんです。

――歌詞は、部屋に籠って悶々としている人の姿が浮かびます。

324 歌詞に関しては、作ってた当時の僕の気持ちをそのまま羅列してます。そういう時期だったんでしょうね。

赤飯 オメでたの中で、324がいちばん「ジ・アーティスト」なんですよ。彼は曲で、感じてることとかを形にしていくんです。それに対して僕らは、どちらかというとアーティストというよりもパフォーマー寄り。つまり、「曲を使って、どうパフォーマンスをするか?」っていうことに特化してるんですよ。そういう違いが、作る曲に表れてるんだと思います。

――ソングライターがひとりじゃないっていうのは、オメでたの強みでもありますね。

ぽにきんぐだむ それは、すごく感じるようになってます。

赤飯 ゆくゆくはラウド界のユニコーンになりますので(笑)。だから最近、リズム隊のmao(B)とミト充(Dr)に「歌詞書け!」って言ってます。

――この前のツアーでは、公演毎に歌詞が変わる“鯛アップ(ご当地Ver.)”を披露していましたけど、作詞をメンバー全員が交替で手掛けていましたよね?

324 はい。リズム隊のふたりが言葉を持ってくるのは初めてだったんですけど、新鮮でした。ミトさんは面白いテーマを持ってくるし、maoはすごくきれいな歌詞を書くんですよ。

――そういう試みもするようになったことによって、オメでたの作風の幅は、今後、さらに広がっていきそうですか?

324 はい。いろんな作り方ができるようになってきてますからね。

ぽにきんぐだむ この前のアルバムを作ってから、我々は成長したと思います!

メンバーそれぞれの通ってきた音楽が全然違うんですよ。そこがいいんでしょうね(324)


――成長しつつ、遊び心は忘れないのも、オメでたならではですね。飛び道具曲ともいうべき“湯沸け”が、今作の中で異彩を放っているじゃないですか。

赤飯 これは僕のつんく♂さんへの私信です(笑)。

――「数秒で終了」というこの路線は、ナパーム・デス“You Suffer”へのリスペクトが反映された“湯冷ます”、GLAYの“誘惑”へのリスペクト“湯沸く”がありましたね。

ぽにきんぐだむ はい。今回の“湯沸け”の読み方は「ゆーわけ」です。

――つまり、シャ乱Qの“いいわけ”へのリスペクト?

赤飯 そういうことです(笑)。

――“湯沸く”はGLAYのTAKUROさんの許可をいただきましたが、つんく♂さんの許可は?

赤飯 いただいております!

――赤飯さんは、モーニング娘。が大好きですから、つんく♂さんへのリスペクトの気持ちは大きいですよね?

赤飯 はい。僕の青春時代は、つんく♂さんに支配されてますから。

ぽにきんぐだむ 僕もモーニング娘。世代ですよ。後藤真希旋風が巻き起こった時は、「あの金髪は誰だ⁉」って、学校中が大騒ぎになってました。

赤飯 3期ですね。1999年9月9日リリースの『LOVEマシーン』の時の出来事です。

324 詳し過ぎて気持ち悪い(笑)。

ぽにきんぐだむ そういうバックボーンが、今活きてるってすごいなあ。

赤飯 何気なくやってたことが、全部今に繋がってるんですよね。

324 僕の場合、そういうのはドリーム・シアターですね。メンバーはほとんど気づいてないんですけど、影響を受けたフレーズが結構入ってるんです。

赤飯 そうなの?

324 うん。

赤飯 だからオメでたの曲は、ムズいんだ(笑)?

ぽにきんぐだむ 我々は、知らない内にドリーム・シアターの演奏技術の強制的なトレーニングをさせられてたということなのか(笑)。

324 オメでたは、メンバーそれぞれの通ってきた音楽が全然違うんですよ。そこがいいんでしょうね。

――オメでたは、赤飯さんのバックバンドとして集まったメンバーから始まったわけですけど、理想的なコンビネーションのバンドになれた理由はなんだと思います?

赤飯 それは僕の日頃の行いの良さです!

324 そうなのか(笑)? まあ、赤飯は、昔から「バンドやりたい」って言ってましたからね。僕らがサポートする前にやってた別のバンドを組む前に、赤飯がツイッターで「バンドやりたい」ってつぶやいて、僕は「わかる」って返信したのをよく覚えてます。

赤飯 それ、何年前くらい?

324 10年前くらいかな。

ぽにきんぐだむ それが10年後に、こうなるとは。

赤飯 ZONEの“secret base(~君がくれたもの~ )”みたい(笑)。

324 でも、僕の返信に対する赤飯の返信は来なかったんですけどね。

赤飯 あらら(笑)。今、こうやって一緒にバンドをやれてて幸せですよ。

――最近、理想的な活動ができているオメでたは、今後、さらにどういうバンドになっていくんでしょう?

赤飯 僕らは、夢の国のテーマパークになるんです。オメでたの曲は、1曲1曲がアトラクション。ジェットコースターのようなラウド曲もあれば、みんなでハッピーになれるパーティーソングもあるっていうイメージです。夢の国のテーマパークは、年1回、家族とか友だちと思い出を作るために行くじゃないですか。そういう思い出作りに最適な場所になっていきたいと思ってます。

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