【インタビュー】TikTokで圧倒的な支持を得るシンガー・tsunaとは何者か? 心の痛みもキラキラも等身大で詰め込んだデビューEP『フィルター・スケルター EP』から、その魅力をひもとく

【インタビュー】TikTokで圧倒的な支持を得るシンガー・tsunaとは何者か? 心の痛みもキラキラも等身大で詰め込んだデビューEP『フィルター・スケルター EP』から、その魅力をひもとく

生きてる意味がわからず弱気になっている人に「そんな意味なんかないよ」って、ちょっと教えてあげたいというのはありました

──“ONOMATOPÉE”にも、今のtsunaさんの気持ちが込められていますよね。《宣戦布告》っていう強いワードもある。

「昔なら、曲を作ってCD出して何枚売れたとかが評価の基準だったと思うけど、今はTikTokとかで曲がバズったら、その人は一気に有名になるし、曲も知られていくし、リリースもできる。そういう時代の変化を理解していない大人もまだ多いし、『バズったからって調子に乗るな』みたいな声もある。でも、若い人たちには、『こういう時代を今から私たちは生きるんだよ』っていうことを伝えたくて、感情を込めて強めに歌いました」


──《生きてる意味なら/教わる側じゃないからね》という歌詞が、まさにそういう気持ちを表現していますよね。

「生きてる意味とか別に教わったことないなあって思って。生きる意味がわからないという人も多いけど、別に正解なんてないし、結局死ぬまでの暇つぶしだと思うし、そんな意味なんかないんだろうなって。だから生きてる意味がわからず弱気になっている人に『そんな意味なんかないよ』って、ちょっと教えてあげたいというのはありました。オノマトペって擬音ですよね。そういう『言葉では書ききれないくらいのメッセージを拾い上げて歌詞にした』というのは、作詞家の東川遥さんからも言っていただいていたことでした。あと、これは私の課題でもあるんですけど、自分が歌って気持ちよくなるんじゃなくて、歌を聴いている人に表現してもらうのが大事だと思っていて。だから、熱唱っていうよりは『伝える』ということを意識したくて、このレコーディングは座って歌わせてもらいました。なぜかはわからないけど、そっちのほうが気持ちを入れやすかったんです」

──歌を聴いた人に表現してほしいというのは、曲を聴いて、その人が何かを受け取ってアクションを起こすということ?

「私自身、たとえばひとつ曲を聴いたら、その曲の中でいろんなことを考えて、いろんな思考が連鎖していくんですけど、みんなにとっても私の歌がそうであってほしくて。これを聴いたから頑張って生きようとかは別に思わなくていいけど、『私も頑張ってきたなあ』とか『うまくいってないのは自分だけじゃないんだなあ』とか、曲の中で自分のことを想像してほしいなあって思って歌っています」

【インタビュー】TikTokで圧倒的な支持を得るシンガー・tsunaとは何者か? 心の痛みもキラキラも等身大で詰め込んだデビューEP『フィルター・スケルター EP』から、その魅力をひもとく

好きなことや楽しいことができていると世界がキラキラして見えるから、そういうキラキラを表現したい

──3曲目の“入道雲”は一転、アコギの音色がフィーチャーされた楽曲で柔らかな歌唱が印象的です。

「これは自分で作ったデモの中に、《入道雲》っていう歌詞が入っている曲があって、そこから東川さんがとってくれたのかなと。“泣想”にも少し似ているテーマなんですけど、2番のサビがいちばん私にぴったりだと思いました。《こんなに上手く歌えること/こんなに上手く笑えること/誰かにきっと 伝えたくて》っていう。私、ここの歌詞大好きなんです。歌えることは私にとってキラキラしていて、好きなことや楽しいことができていると世界がキラキラして見えるから、そういうキラキラを表現したくて」

──そのあとの《明日もまた 途方に暮れる》というのがまた、tsunaさんらしいのかなとも思いました。

「TikTokでいっぱい歌ったり友達と踊ったりしている動画では、そういう楽しさを表現したいし、今の高校生の間ではこういうのが流行ってるんだよっていうのも発信したいと思ってきたけど、伸びなかったり厳しいコメントも来たりして途方に暮れるというか、悔しい思いもいっぱいして。でもやっぱり楽しいことのほうが多いよなあっていうのを思い出して歌っていました。なんか私、あまりネガティブにはならなくて、基本全部楽しくできちゃうんですよね(笑)。真面目に悔しいことを思い返すより、楽しく飛び出しちゃったほうがいいよねっていうのを伝えたかったんです。だからこの曲は歌っていてすごく楽しい」

──tsunaさんはこれから、どういうシンガーになりたいと思っていますか?

「まず、SNSとかはこれまでずっとやってきたから、今後もそこでの流行りや動きがわからない人にはなりたくなくて。別に流行りのダンスをしたいとかではないんですけど、ずっとみんなが生きているのと同じ土俵にいたい。同じ立場にいながらそれを引っ張っていく人になりたいんです。みんなと距離が近い存在でいたいというか」

──SNSでの発信はこれからも続けていく?

「投稿をし続けたいというのではないですけど、そこは切り離したくないですね。私がポジティブすぎるのかもしれないけど、物事をちょっとマイナスに考えちゃう人たちには『もっと気楽でいいんだよ』って言っていきたいし、『もっと楽しく生きられるよ』っていうのを伝えていきたいと思っています。まわりの目を気にしている人が多いから、もっとみんなに自分のことを考えてほしい。みんなが同じことを考えなくてもいいと思っていて。それぞれが自分のことを考えられるような曲を歌っていきたいです」

──逆に、なぜtsunaさんはポジティブでいられるんでしょう?

「ミュージカルがほんとに厳しくて、そのぶん、本番が超楽しかったんですよ。つらくても頑張ったら『キラキラ』なのを知ってるから、今別にそこまで考え込まなくても、どうせあとから全部キラキラするし、前向きに考えていたほうがラクだし──っていうのはいつも思います(笑)」

──最後に、これからライブもどんどんやっていくと思いますが、何か目標としていることはありますか?

「たとえばドームとか武道館とかって言う人も多いと思うんですけど、私はディズニーで歌いたくて。この前の『紅白歌合戦』でMISIAさんがディズニーシーでプリンセスたちと一緒に歌っているのを観て、『ああこれだ! 私ここにいたい!』って思ってしまった(笑)。ディズニー大好きだし、ディズニーの曲を歌ってみたいっていう夢も幼い頃からあって。ほんとキラキラ中のキラキラじゃないですか。なので、ディズニーで歌うのが今の私のいちばんの夢です」

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