筋肉少女帯 @ TSUTAYA O-EAST

 「第1回・ロッキンショウJAPANフェスティバルへようこそ!」ーー開演早々“サンフランシスコ”“モーレツア太郎”で熱気あふれるフロアに呼びかける大槻ケンヂに、うおおおおっと沸き返る大歓声! さらに「今回は第1回だけどよ、これから10回、20回ーーまあ、俺の中では200回行われてるんだけどよ! ノートも4~5冊あるんだけどよ!」と時事ネタMCへ流れ込んで爆笑を巻き起こしていく……昨年結成25周年を迎え、6月の東京・中野サンプラザ公演『筋肉少女帯メジャーデビュー25周年記念「4半世紀」』や『LIVE DVD発売記念ツアー「四半世紀中」』など、四半世紀記念の号砲を自らぶっ放すようなライブ活動を展開している筋肉少女帯。2014年に入ってからも、『筋肉少女帯 vs BABYMETAL』(1月24日)、『筋肉少女帯vs特撮』(2月1日)といった対バン企画や、LIQUIDROOM ebisuでの2Daysライブ『作曲家別二夜PART2』(3月29日・30日)を開催するなど、異色ライブを次々に敢行している筋肉少女帯。今回、東京・渋谷・TSUTAYA O-EASTで行われた2Days公演は『筋少2枚組ダブルジャケット』。レア曲・カルト曲満載の1日目:4月12日=『1枚目「レア過ぎ盤、、、鉄道少年の飼い犬はペテンその他」』に続いてこの日行われた2日目は『2枚目「ロッキンショウJAPANフェス014ライブ盤」』。元メンバーらゲストを多数迎え、25年史を彩る名曲奇曲の数々が、至上のテクニック&ヘヴィ・サウンドとともに咲き乱れた、最高の一夜だった。

 “サンフランシスコ”アウトロで飛び出したしたスーパー・サポート=三柴理(Piano)&橘高文彦(G)のソロの応酬、「3分間プログレ」を地で行くような“モーレツア太郎”の狂騒感でフロアを歓喜の坩堝に叩き込みながら、「……つうか“モーレツア太郎”って要る? なんか、曲も短いし、歌ってることも《モーレツア太郎》だし(笑)」と自らツッコミを入れていく大槻。「この間、ホフディランの小宮山さんと原宿行ったらよ、竹下通りの若い人がよ、何千人といたんだけどよ、誰ひとり気づかねえ! RIP SLYMEのSUさんと2人で江ノ島行った時も、5人ぐらいしか気づかない! そのうち4人はSUさんに気づいた!(笑)」とか、「第2回・ロッキンショウJAPANフェスティバルはな、ヘッドライナーに空手バカボンを迎えてーー国立がいいか、東京ドームがいいか、どこがいい? え、『下北沢Que』? 手頃だね。『251』? 手頃だね。やってやるぜ!……なんて、嘘!(笑)」とか、ひとり漫談かってくらいの名調子で会場を爆笑苦笑に包んでいく。それでもライブが冗長にもならず間延びもせず、その熱量をがんがん高めていたのは、ひとえに大槻ケンヂの絶唱と橘高文彦/本城聡章(G)/内田雄一郎(B)の熱演、さらに三柴理ともうひとりのスーパー・サポート=長谷川浩二(Dr)による、緻密でゴージャスでカオティックなアンサンブルの威力ゆえだろう。再始動後2ndアルバム『シーズン2』収録曲にして現状最新シングルの重金属ロックンロール“ツアーファイナル”、97年の活動凍結前最後のアルバム『最後の聖戦』から“ペテン”、『UFOと恋人』(93年)から筋少流サーフ・ロック“俺の罪”……など、必殺曲からアルバム曲まで織り交ぜながら、フロアを刻一刻と熱狂の彼方へと引きずり込んでいく。

 大槻が一時退場している間、橘高がメイン・ヴォーカルを張ったメタル劇場“スラッシュ禅問答”。三柴理のコサック・ダンスが妖しく光った“ロシアンルーレット・マイライフ”。さらに、「残念なお知らせです……日本がインドになることになりました!」の大槻のコールから“日本印度化計画”投下!ーーという展開に朦々と熱気立ち込める中、ステージ左右の袖に下りてきたスクリーンに「緊急告知」の文字。「おおっ!」と勢い立つオーディエンスの前に映し出されたのは、なぜかメンバー4人が『ロフトプラスワン』で“ブルドッグ”を歌う映像。「……違う! 違うよ! 今のは幻想ですよ。あの、STAP筋少ですよ!(笑)」という大槻のMCとともに改めて告知されたのはーー25周年ライブ・シリーズのラストを飾る『筋肉少女帯デビュー25周年記念ファイナルLIVE KST26 since 1988』=6月26日:大阪・梅田CLUB QUATTRO/6月28日:東京・日本青年館 大ホール決定!の告知。さらに続けて、「2014秋 New ALBUMリリース決定!!」の文字が映し出されると、場内は割れんばかりの歓声に包まれる。

 そんなO-EASTのテンションを妖しく抱き止めるように、“リテイク”がひときわミステリアスかつ壮麗に響き、なぜか「ゲスト・アーティスト」としてクレジットされていた「Thunder You Poison Viper」(内田/三柴/長谷川のトリオ)による“孤島の鬼”のピアノ・プログレ絵巻がフロアの熱気をかき混ぜてみせたところから、ライブは終盤のゲスト・コーナーへ。大槻が「大槻ケンヂと絶望少女達」として『Animelo Summer Live 2009 -RE:BRIDGE-』に出演した際に知り合ったというメタル・ユニット=妖精帝國からゆい(Vo)と紫煉(Vo)が登場、自身のアルバム『PAX VESANIA』でカバーしている“機械”をWヴォーカル&トリプル・ギター編成で爆演! さらに、ここで橘高&本城が退場、代わりに太田明(Dr)&横関敦(G)が加わった88年『SISTER STRAWBERRY』の編成で“マタンゴ”“キノコパワー”連射!(“マタンゴ”冒頭で横関のギターの音が出ず頭からやり直したのはご愛嬌)。横関と橘高&本城が再びチェンジ、太田が引き続きドラムを務めて轟かせたのは、『公式セルフカバーベスト 4半世紀』で太田がレコーディングに参加した最新曲“中2病の神ドロシー”。《そのバンド 本当はいなかった 25年見てたのは 自分の心さ 中2病の神ドロシー》という、筋少ヒストリーへの黙示録でも福音でもあるようなフレーズが、極太のリフともに響き渡り、場内一面のヘッドバンギングを巻き起こしていた。そして、橘高の超速弾きとフライングVぶん回しが炸裂した“イワンのばか”ででっかいシンガロングとハンドウェーブを呼び起こしてーー本編終了。

 アンコールでは「もうひとり駆けつけてくれました!」という大槻のコールとともに、2006年の復活ライブなどでサポートを務めたドラマー:斗羅こと河塚篤史(ex.陰陽座)が登場して“電波Boogie”を披露。その後は再度長谷川浩二を迎えて“仲直りのテーマ”“ドナドナ”でさらに場内の温度を高めたところで、「日本青年館で会おうぜ!」の大槻のシャウトとともに“釈迦”で爆裂大団円! 6月の大阪・東京公演で25周年祭りを終え、復活後4作目・約4年ぶりとなる新作アルバムで新たな四半世紀の扉を開ける筋肉少女帯。日本ロック界が誇るアングラ・カルチャーの星にして超絶轟音サヴァイヴァー=筋少の「その先」の道程をまだまだ、どこまでも見届けたい!と心から思わせてくれる、素晴らしいステージだった。(高橋智樹)


[SET LIST]
01.サンフランシスコ
02.モーレツア太郎
03.ツアーファイナル
04.ペテン
05.俺の罪
06.スラッシュ禅問答
07.ロシアンルーレット・マイライフ
08.日本印度化計画
09.リテイク
10.孤島の鬼(Thunder You Poison Viper)
11.機械(w/妖精帝國)
12.マタンゴ(w/太田明、横関敦)
13.キノコパワー(w/太田明、横関敦)
14.中2病の神ドロシー(w/太田明)
15.イワンのばか

Encore
16.電波Boogie(w/河塚篤史)
17.仲直りのテーマ
18.ドナドナ
19.釈迦
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