つまり、monobrightはデビュー以来長尺のライヴをやったことがないわけで、昨年末のCOUNTDOWN JAPANで40分のライヴをやってステージ裏でぶっ倒れていた4人を目の当たりにした身としては、「ワンマンやるスタミナがあるんだろうか?」という不安がどうしても先立ったんだけど、結果から言えば、彼らは全18曲、80分余りのライヴをテンション全開でやり切ってしまった(アンコールで登場した時はちょっとしんどそうだったけど)。
序盤“歌舞いた魚ディスコ”“R+C”と、バンドサウンドの加減乗除を同時にやってしまうような怒濤のロックナンバーで圧倒した後は、普段はやらないカップリング曲を披露。そして圧巻だったのは、アカペラから始まり美しくリアレンジされた“music number”と、初期の鬱屈としたエネルギーが爆発したバラード“死んだ魚の目”。桃野の歌声はこの中盤、物凄い充実ぶりをみせていた。
「こんな大人数の変態出会ったことない!!」。とMCで桃野はまくし立てていたが、今やそのとっちらかったMCにもしっかり笑いが返ってくるし、「水飲む!」と言えば、どよめきではなく歓声が上がる。「僕らの愛を受け取ってください!」と言って受け取ってくれる「変態」が今は目の前を埋め尽くしている。その光景にいつになく感極まっていた4人は、本当にいい表情をしていた。6月13日のリキッド・ワンマンも決定。究極の「未完成」への道のりは、まだ始まったばかりだ。(加藤亮祐)