チケットは見事ソールドアウト。2,500人が詰めかけたフロアは開演前からムンムンと熱気が立ち込めていた。ステージには「DAY✕DAY」のミュージックビデオで使用されている山積みのスピーカー。「はじめるよー!」と田邊駿一(Vo・G)による前のめりな絶叫とともに、“HALO”から荒れ狂う爆音のギターロックが解き放たれた。“MEMENTO”では、江口雄也(G)のメタリックなリフと、辻村勇太(B)のスラッピングが炸裂。高村佳秀(Dr)が頭上高くからスティックを打ち下ろすパワフルなドラムにのせて、日本語・英語を織り込んだメロディを矢継ぎ早に投げかけていく。3曲を終えた時点で、「やべっ! もう泣きそう」と田邊。バンド史上最大キャパの会場に立つ感慨を押さえることができない。
「マジで生きててよかったです! ありがとうございます」と、何度目かのMCでも田邊はダダ漏れの感情を隠すことなく投げかけると、そこで7月22日にニューアルバム『≒』をリリースすることが発表された。早速そのアルバムの1曲目に収録される“KICKASS”を初披露。まるで発射寸前のロケットみたいな充満するエネルギーを抱えたイントロから、爆発力のあるサビと広がる展開は、とてもブルエンらしい、かっこいいナンバーだった。
ラスト1曲を残したところで、田邊はハァハァと息を切らして、声を震わせながら、長い長いMCでこう語った。「ここ(お台場)に来るのが嫌だった。嫌なことばかり思い出すから……」辛い派遣社員時代、客の入らないライブハウスで死にたいと思ったこと、そして次第に増えてきたお客さんとの出会いを振り返り、いま一番伝えたい想いを力強く叫んだ。「今度は俺が守るから! あんたが死なねえように! この曲であんたを守るから!」続けたのは、そう、紛れもなくブルエンを代表するナンバーとなった“DAY×DAY”だ。イントロと共にこの日一番の盛り上がりを見せるフロアには銀テープが舞い散る。最後に「ありがとう! BLUE ENCOUNTでした!」と万感の笑顔を見せた4人。それは「遂にここまで来れた」という歓喜と共にスタートしたZepp DiverCity Tokyoという場所を、バンドにとってひとつの通過点に変えてしまう瞬間だった。
・セットリスト
1. HALO
2. DESTINATION
3. MEMENTO
4. アンバランス
5. AI
6. T.K
7. THANKS
8. SAVE
9. ロストジンクス
10. LIFE
11. YOU
12. KICKASS
13. ONE
14. ワナビィ
15. NEVER ENDING STORY
16. HANDS
17. JUST AWAKE
18. DAY✕DAY
(Encore)
1. ANSWER
2. D.N.K
3. もっと光を