BLUE ENCOUNT@Zepp DiverCity

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昨年末にツアーファイナルを飾ったO-EASTから半年で2倍のキャパシティを誇るZepp DiverCityへとジャンプアップ。全国4都市をまわったBLUE ENCOUNTの「TOUR 2015 GRAB THE LIGHT」のファイナル公演は、急成長するバンドの勢いをビリビリと肌で感じられる、とても熱い、いや、熱すぎるライブだった。

チケットは見事ソールドアウト。2,500人が詰めかけたフロアは開演前からムンムンと熱気が立ち込めていた。ステージには「DAY✕DAY」のミュージックビデオで使用されている山積みのスピーカー。「はじめるよー!」と田邊駿一(Vo・G)による前のめりな絶叫とともに、“HALO”から荒れ狂う爆音のギターロックが解き放たれた。“MEMENTO”では、江口雄也(G)のメタリックなリフと、辻村勇太(B)のスラッピングが炸裂。高村佳秀(Dr)が頭上高くからスティックを打ち下ろすパワフルなドラムにのせて、日本語・英語を織り込んだメロディを矢継ぎ早に投げかけていく。3曲を終えた時点で、「やべっ! もう泣きそう」と田邊。バンド史上最大キャパの会場に立つ感慨を押さえることができない。

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そんな田邊が「一生に一度の最高の景色を見せてやる! ついてこいっ!」と、再び演奏の口火を切った“アンバランス”では4人の交錯するアンサンブルでフロアを一気に踊らせると、“THANKS”“ロストジンクス”などハイテンポなナンバーをこれでもかと連射。そんななか、中盤のハイライトは長い暗転を挟んだあとのロックバラード“LIFE”だった。ぐっとダークに沈んだサウンドをエモーショナルに聴かせると、“YOU”ではピンスポットを浴びた田邊がひとりギターを掻き鳴らして切々と歌いあげる。バンドサウンドが加わっては抑えられ、静寂と激情とをバンドが完全に支配する。息を呑む演奏だった。

「マジで生きててよかったです! ありがとうございます」と、何度目かのMCでも田邊はダダ漏れの感情を隠すことなく投げかけると、そこで7月22日にニューアルバム『≒』をリリースすることが発表された。早速そのアルバムの1曲目に収録される“KICKASS”を初披露。まるで発射寸前のロケットみたいな充満するエネルギーを抱えたイントロから、爆発力のあるサビと広がる展開は、とてもブルエンらしい、かっこいいナンバーだった。

ラスト1曲を残したところで、田邊はハァハァと息を切らして、声を震わせながら、長い長いMCでこう語った。「ここ(お台場)に来るのが嫌だった。嫌なことばかり思い出すから……」辛い派遣社員時代、客の入らないライブハウスで死にたいと思ったこと、そして次第に増えてきたお客さんとの出会いを振り返り、いま一番伝えたい想いを力強く叫んだ。「今度は俺が守るから! あんたが死なねえように! この曲であんたを守るから!」続けたのは、そう、紛れもなくブルエンを代表するナンバーとなった“DAY×DAY”だ。イントロと共にこの日一番の盛り上がりを見せるフロアには銀テープが舞い散る。最後に「ありがとう! BLUE ENCOUNTでした!」と万感の笑顔を見せた4人。それは「遂にここまで来れた」という歓喜と共にスタートしたZepp DiverCity Tokyoという場所を、バンドにとってひとつの通過点に変えてしまう瞬間だった。

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アンコールではまずアルバム発売を受けて、さらに全国ワンマンツアーを開催することが発表された。その9ヵ所の会場名を全て読み上げると、「あ~、ホント終わりたくない!」と駄々っ子みたいに終わりを拒む田邊。だが、その未練を断ち切るように、「ここにいる一人ひとりが俺たちの答えだと思ってます」と伝えて、その歌詞を噛みしめるように“ANSWER”を届けた。そして「最後にこの曲に全部託すよ」と、“もっと光を”のイントロを始めたが……ここでうれしいアクシデントがあった。江口のミスによりまさかの中断。それに田邊が笑いながら「ムカついたからもう1曲増やす!」と、“D.N.K”が追加披露されたのだ。そのあとで迎えたラストナンバー“もっと光を”では、オーディエンスが腹の底から声をあげて大合唱。2時間超のライブは2,500人の汗だくの笑顔と共に幕を閉じた。(秦理絵)

・セットリスト

1. HALO
2. DESTINATION
3. MEMENTO
4. アンバランス
5. AI
6. T.K
7. THANKS
8. SAVE
9. ロストジンクス
10. LIFE
11. YOU
12. KICKASS
13. ONE
14. ワナビィ
15. NEVER ENDING STORY
16. HANDS
17. JUST AWAKE
18. DAY✕DAY
(Encore)
1. ANSWER
2. D.N.K
3. もっと光を

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