「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール

「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KANA-BOONKANA-BOON
J-WAVEの音楽プログラム『THE KINGS PLACE』(毎週月-木曜26:00〜27:00)から飛び出したスペシャルライヴ「"THE KINGS PLACE" LIVE」も今回で8回目。ということで、現在同番組に出演しているナビゲーター4組=キュウソネコカミ(月曜担当)/パスピエ(火曜担当)/KANA-BOON(この9月まで水曜担当)/KEYTALK(木曜担当)がTOKYO DOME CITY HALLに集結。「『THE KINGS PLACE』聴いてますか!(大歓声!)。では、月曜日のキュウソネコカミの回は聴いてますか?(やや小さな歓声)……あんまり聴いてないやないか! 聴けえええっ!!」というキュウソネコカミ・ヤマサキセイヤ(Vo・G)の「絶叫前説」の段階から終始沸点越えの高揚感に包まれていたイベントの模様を、以下ダイジェストでレポートする。

「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - キュウソネコカミ キュウソネコカミ
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - キュウソネコカミ キュウソネコカミ
■キュウソネコカミ

冒頭から“ハッピーポンコツ”“MEGA SHAKE IT!”連射でアリーナも客席もカオスに包んでみせたキュウソ。ヤマサキ&ヨコタシンノスケ(Key・Vo)が繰り出す、皮肉とウィットとルサンチマンの極限爆発の如き速射砲ヴォーカル。ダンスも狂騒ビートもロックンロールも秒速でスイッチングしながら猛進するようなスリリングなアンサンブル。“サブカル女子”まで一気に駆け抜け、「新曲やります! あの、『家庭に風を吹かせたいシリーズ』ですね。《離婚届に判を押せ》(“要するに飽きた”)に続く――」というヤマサキの言葉に続いて披露したのは、10月21日リリースのニューアルバム『人生はまだまだ続く』から“泣くな親父”。年頃の娘を持つ父の悲哀をポップの原動力としてぶっ放す5人の姿が、会場をさらに熱く震わせていく。

MCでは成田ハネダ(パスピエ)や巨匠こと寺中友将(KELTALK)、こいちゃんこと小泉貴裕(KANA-BOON)ら『THE KINGS PLACE』のメンバーを次々にいじり倒して会場を沸かせたところで、“DQNなりたい、40代で死にたい”では金色の野に立つナウシカ状態でアリーナ仁王立ちを決めたヤマサキが「日本のどのバンドよりも感情入れられるコール&レスポンスやろが!」と割れんばかりの《♪ヤンキーこわい〜》の大合唱を呼び起こしていく。「KANA-BOONとかゲス極って、忙しいから『キンプレ』卒業したんかな? 俺らもシャレならんくらい売れたるからよ。だがしかし! 『キンプレ』は辞めない!」の宣言から“ウィーワーインディーズバンド!!”“良いDJ”で完全燃焼!

01.ハッピーポンコツ
02.MEGA SHAKE IT!
03.サブカル女子
04.泣くな親父(新曲)
05.DQNなりたい、40代で死にたい
06.ウィーワーインディーズバンド!!
07.良いDJ

「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - パスピエパスピエ
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - パスピエパスピエ
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - パスピエパスピエ
■パスピエ

キュウソが巻き起こした熱気を、“MATATABISTEP”で弾け回る大胡田なつき(Vo)の歌声と成田ハネダ(Key)の鮮烈なシンセワークで極上のダンスポップの躍動感へと導いてみせたパスピエ。そのまま“裏の裏”のタイトなアンサンブルでカラフルな音世界を加速させると、三澤勝洸(G)が奏でるオリエンタルなリフとともに“チャイナタウン”へ流れ込んでいく。緻密に研ぎ澄まされたサウンドスケープとプレイアビリティのすべてが、狂おしいほど濃密なポップの渦を生み出し、ホールを軽快なダンス&ジャンプへと巻き込んでみせる。

「こういうふうに『THE KINGS PLACE』の仲間として、KANA-BOONだったり、KEYTALKだったり、あともうひとつのバンドだったり、一緒にやれてほんと嬉しいです!」と早速キュウソをいじり返す成田。「キュウソはすごい盛り上げるバンドだけど、歌詞をちゃんと聴いていくと感慨深いなあと思って。《40代で死にたい》って言われたらさ、同情しちゃうよね。そんなエモさが、このお客さんの熱気にも伝わってるんだろうなと思って」と触れつつ、“S.S”を挟んで披露したのは、9月9日にリリースされたばかりの3rdフルアルバム『娑婆ラバ』から“つくり囃子”。キラキラのシンセサウンドとプログレ祭囃子的なビートが、やがてシンフォニックなクライマックスへと極まっていく――という、パスピエならではのドラマチックな楽曲に、ホールの空間が驚きと感激に包まれていく。最後の“トキノワ”の疾走感と色彩感が、熱く胸に残った。

01.MATATABISTEP
02.裏の裏
03.チャイナタウン
04.S.S
05.つくり囃子
06.トキノワ

「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KEYTALKKEYTALK
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KEYTALKKEYTALK
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KEYTALKKEYTALK
■KEYTALK

この日の3番手として登場したのはKEYTALK。いきなり“桜花爛漫”でホールをがっつり揺らしたところへ、さらに“YURAMEKI SUMMER”の変幻自在なアンサンブルでオーディエンス丸ごとぐいぐいと歓喜と熱狂の彼方へと導き、巨匠こと寺中友将(Vo・G)の缶ビール一気でさらに会場の温度を高めていく。『THE KINGS PLACE』には2013年から出演、10月からいよいよナビゲーター3年目に突入するKEYTALKだけに、MCでは番組内でお馴染みのキャラ「よしかちゅ先輩」(=首藤義勝:Vo・B)&「ヤギ美」(=八木優樹:Dr)まで「召還」、「みんな愛してる! でも、一番愛してるのはよしかちゅ先輩!」(ヤギ美)、「俺も愛してるよ!」(よしかちゅ先輩)、「濡れちゃう!」(ヤギ美)、「……こんな感じでいつもラジオをやってるんですけども(笑)」(小野武正/G)といった具合に、ライヴも番組も渾然一体となった祝祭感へと観客を巻き込んでいく。

息もつかせぬ楽曲展開で、刻一刻と多幸感の頂へと昇り詰めていくようなKEYTALKの世界が、“コースター”から“パラレル”、さらに“MABOROSHI SUMMER”といった楽曲でいっそう熱を帯びたところで、10月21日リリースのニューシングル表題曲“スターリングスター”へ。清冽なサウンドの中にたっぷり3曲分くらいのグッドメロディが凝縮された名曲が、途方もないスケールの開放感を呼び起こしていく。熱演のラストを飾ったのは“MONSTER DANCE”。サビの後からまたサビが攻めてくるような怒濤の構成が、むせ返るほどの強烈な快楽を描き出していった。

01.桜花爛漫
02.YURAMEKI SUMMER
03.コースター
04.パラレル
05.MABOROSHI SUMMER
06.スターリングスター
07.MONSTER DANCE

「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KANA-BOONKANA-BOON
「“THE KINGS PLACE” LIVE vol.8」@東京ドームシティホール - KANA-BOONKANA-BOON
■KANA-BOON

「"THE KINGS PLACE" LIVE Vol.8」のトリを飾るのはKANA-BOON。この9月で番組を「卒業」する4人を今や遅しと待ち受ける会場の熱気を、“タイムアウト”“ウォーリーヒーロー”とロックンロールモード全開の爆演であっさりと凌駕して、ポップとロックの向こう側へと誘っていく。成田ハネダ/小野武正/ヤマサキセイヤとのトークから生まれたという谷口鮪(Vo・G)のキャッチフレーズ「家では短パン、外ではサルエル。ぽよぽよぽよぽよ、まぐぽよです!」をポーズつきで再現(谷口いわく「『キンプレライヴ』でこれやれへんのやったら出さへん、みたいな空気になって(笑)」)、ホールが歓声で沸き返る。

ライヴ中盤では、11月11日リリースのシナリオアートとのスプリットシングルから新曲“talking”を初披露。ユニゾンで鳴り響くファンキーなリフ、古賀隼斗(G)のワウ使いやブルージーな泣きソロなど、軽快なビート感の中に「ロックバンド・KANA-BOON」の肉体性が焼き込まれたナンバーだ。さらに“盛者必衰の理、お断り”“なんでもねだり”を畳み掛けた後、「KANA-BOONはちょうどメジャーデビュー2周年を迎えまして。楽しい2年間でした。ラジオ終わっても、もしかしたらOBって形でライヴも呼んでもらえるかも……」という谷口の言葉におおーっと期待の声が湧き上がったところで、“ダイバー”“シルエット”で会場をでっかく揺らしシンガロングを呼び起こして圧巻のフィナーレ!……と思いきや、アンコールを求める手拍子に応えて再び4人が舞台へ登場。「最後1曲、みなさんもかかってきてください!」という谷口のコールに続くラストナンバー“フルドライブ”の激走ロックンロールに応えて、ひときわ高らかな歌声と情熱がアリーナと客席を満たしていった。

01.タイムアウト
02.ウォーリーヒーロー
03.talking
04.盛者必衰の理、お断り
05.なんでもねだり
06.ダイバー
07.シルエット
(encore)
08.フルドライブ

シーン最前線で切磋琢磨する4組が、新曲も名曲も響かせ合った奇跡の一夜。キュウソネコカミ/パスピエ/KEYTALKに加え、10月からは新たに水曜ナビゲーターに04 Limited Sazabysを迎えて放送される『THE KINGS PLACE』。新たな4組が生み出すケミストリーが、これからもエキサイティングな風景を見せてくれることだろう。(高橋智樹)
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