a flood of circle × 9mm Parabellum Bullet@Zepp DiverCity

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「俺たちとフラッドの闘い、俺たちとみんなの拳が交わるわけだよ、これから。そして、その先に、『あしたのジョー』のように真っ白に燃え尽きたいと思っています!」と意欲を語る9mm Parabellum Bullet・菅原卓郎(Vo・G)に応えて、「こんなヤバい闘いはほんとないっすよ。約束します! 今日ここを日本で一番熱い場所にしますんで!」とa flood of circle・佐々木亮介(Vo・G)が闘志剥き出しで叫ぶ。最新シングル『花』を携えて、ゲストバンド=「チャンピオン」にa flood of circleが「挑戦者」として挑む、という形式で行われた東名阪の対バンツアー「AFOC presents VS tour "BATTLE ROYAL 2015"」。大阪:グッドモーニングアメリカ、名古屋:HEY-SMITHといった先輩バンドとのガチンコ競演のラストを飾る東京・Zepp DiverCity公演の「チャンピオン」は9mm Parabellum Bullet! 結成10周年イヤー=2016年を目前に控えたAFOCの、ロックンロールバンドとしての揺るぎない決意とアイデンティティが、至上の対決越しに伝わってきた。

「2007年6月、結成1年半のa flood of circleは、このバンドの前座として登場し、見事なまでのKO負けを喫しました!」「観る者すべてを貫く、最強の弾丸野郎ども。赤コーナーより、9mm Parabellum Bullet選手の入場です!」という格闘技風の陰アナウンスが「バトルロイヤル」感をかき立てる中、先攻・9mmはいきなり“Answer And Answer”で一面に拳を突き上がらせ、エモーショナルなスラッシュナンバー“新しい光”で熱いシンガロングを巻き起こす。見えない敵をなぎ倒すようにギターを激奏しぶん回す滝善充(G)。全身震撼級のゴリゴリのベースラインを繰り出す中村和彦(B)。鋼鉄一斉掃射の如きツーバスをオーディエンスのハートに叩き込むかみじょうちひろ(Dr)。熾烈なサウンドスケープと情熱的なヴォーカルを鮮やかに響き合わせる卓郎……そんな4人の姿が、AFOCファンをも揺さぶって狂騒の彼方へと導いていく。

後に佐々木も思わず「9mmのセットリスト、殺しに来てたね!」と笑うほどの爆演の中に、初期の名曲“The World”が盛り込まれていたのは、9mm×AFOCの初対バンが実現した9mm初の全国ツアー『The World tour』にちなんだもの。「俺たちはチャンピオンのつもりでこのリングに上がっているわけではないのさ!」「みんな、燃え尽きるよね? いけるかあああっ!!」と卓郎が叫び倒したところで、“ハートに火をつけて”から“Cold Edge”“反逆のマーチ”へとさらなる紅蓮のエモーションを噴き上げていく。ラストは「a flood of circleへのリスペクトをこめて……」とキラーナンバー“Discommunication”を撃ち放って終了! メタルもハードコアもラテンも血肉化したバンドの肉体から強靭なロックを轟かせる9mmの爆発力を、短いアクトの中でも存分に証明してみせた。

a flood of circle × 9mm Parabellum Bullet@Zepp DiverCity
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そして、「不屈のブルースマン、現代ロックンロール最強の申し子!」というアナウンスとともに挑戦者・AFOC登場! 加入間もないDuran(G)が今年3月に脱退して以降「ギター3人替わってる」(佐々木)というカオスな状況を経ながらも、サポートギタリストに爆弾ジョニーのキョウスケを迎えた4人編成で繰り出すロックンロールの強度はまさに壮絶。最新シングル『花』の酩酊逆噴射ロックナンバー“鬼殺し”、今年6月の最新ミニアルバム『ベストライド』からの“YES”、昨年のフルアルバム『GOLDEN TIME』の“Golden Time”“Black Eye Blues”といったバンドの「今」を物語る楽曲はもちろん、“シーガル”“プシケ”といった初期ナンバーも惜しげなくぶっ放して、先輩バンドの熱意に応えるヴァイタリティあふれる爆音で観客をロックンロールの極致へと煽り立てていく。“The Beautiful Monkeys”での目も眩むような疾走感や“YES”でのアンセミックな高揚感を、渡邊一丘(Dr)のパワフルなビートとHISAYO(B)のしなやかなベースが支え、佐々木&キョウスケのギターが鼓膜を震わせる中、ささくれまくった佐々木の灼熱のシャウトが、フロアを無上のバトルフィールドに塗り替えていく。

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8年前の9mmとの対バンを振り返って、「俺とナベちゃん、まだ19とか20歳とかで。普通の大学生が9mmにケンカ売りに行って、ボコボコにやられたなと思ってるんですけど」と語る佐々木。「8年越しでガチンコの勝負ができて、マジで嬉しいです。9mmがOKしてくれたのも嬉しかったし。どっちのバンドを観に来たとか、どうでもいいんだ! 今日はいろんなものをぶっ壊しに行きますんで!」という言葉からも、轟々と渦巻く闘争心が伝わってくる。「滅多にやってないんだけど、大事な曲なんだ」とひときわ決然と歌い上げた“アンドロメダ”からクラウドサーファー続出ダンスロック“Dancing Zombiez”への流れも、割れんばかりに湧き起こるシンガロングに佐々木が歌を委ねたパンキッシュなナンバー“ベストライド”も、自身のロックンロールの限界を刻一刻と更新していくようなスリルに満ちていた。

a flood of circle × 9mm Parabellum Bullet@Zepp DiverCity
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「はっきり言うけど、俺たち今が無敵なんで」と佐々木。「いっぱい別れがあったバンドなんで、他のバンドの10年より面倒臭い歴史を転がってきてるのかもしれないんだけど……今日、あんたに会えたから、もう全部チャラっていうか。本当に、今までやってきてよかったってマジで思ってるから」というありったけの想いとともに鳴り渡ったロックバラード“心臓”、そしてAFOCと佐々木の核心そのもののソリッドな突破力に満ちた最新シングル曲“花”が、どこまでも熱く、強く響いた。

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アンコールでは、結成10周年の開幕を飾る年越しロックンロールイベント「ROCK'N'ROLL NEW SCHOOL」の開催、ベスト盤『THE BLUE』発売、4~6月のワンマンツアー「THE BLUE TOUR -青く塗れ!-」開催を次々に発表した佐々木、「本当は下半期もいっぱい決まってんだよねえ」とニヤリ。“Dreamers Song”から畳み掛けた“Human License”の途中、なんと9mm“Black Market Blues”へ突入、革ジャン姿の卓郎まで躍り出て共演! 「日本ではロックンロールは追いやられてると思ってるんで、俺めっちゃ悔しいのね。だから、それを全部シーンの真ん中に持ってこようと思ってます」と語る佐々木の覚悟が、正真正銘ラストナンバー“理由なき反抗”の大合唱を呼び起こしていた。最後はフロア一面大ジャンプで大団円! 熱い歌と音と魂が交錯する、珠玉のロック名勝負だった。(高橋智樹)

a flood of circle × 9mm Parabellum Bullet@Zepp DiverCity
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●セットリスト

9mm Parabellum Bullet
01.Answer And Answer
02.新しい光
03.ダークホース
04.The World
05.ハートに火をつけて
06.Cold Edge
07.反逆のマーチ
08.Discommunication

a flood of circle
01.Golden Time
02.The Beautiful Monkeys
03.YES
04.鬼殺し
05.ミッドナイト・サンシャイン
06.Black Eye Blues
07.Trash Blues
08.アンドロメダ
09.Dancing Zombiez
10.シーガル
11.プシケ
12.ベストライド
13.心臓
14.花
(encore)
15.Dreamers Song
16.Human License~Black Market Blues(w/菅原卓郎)~Human License
17.理由なき反抗
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