ライヴでは、シングルだけばんばんやってほしい。新しいアルバムの5曲目とか8曲目とか、そんなん次々と披露されても楽しくねえ。新しい曲なんかシングルだけでいい。あとは過去の代表曲をやってくれよ――と、多くのファンは、きっとそう思っているであろう。だって、自分がファンでもそう思うもん――と、数年前に言っていたのは桑田佳祐です。インタヴューで直接ききました。天下の桑田でさえそう思うわけです。要は、フェスやなんかで代表曲だけをダーッとやる、ああいうライヴでしょう、みんなが本当に観たいのは。新人ならいざ知らす、ベテランなら、もうどうしようもなくそういうものでしょう。という、考え方もあるわけですが。
というのを、異常に感じさせないライヴだった。当然『Perfect Future』の曲が中心なんだけど、それらを聴きながら過去の代表曲をじっと待つ、みたいな空気が一切ない。単純に、新しいアルバムの曲がどれもやたらポップで心地いいこと(しかも歌物だからポップとかじゃなく、インストでもそれがあたりまえにポップな感じ)。それから、「年中ツアー」「一生ツアー」「ツアーが常態」みたいな超絶ライヴ・バンド=スカパラならではの、まだツアー初日であるがゆえの硬さとか、新しい曲であるがゆえの演奏の不慣れさとか、そういうマイナス要素が恐ろしくない、もう余裕すら感じるステージング。
の二つが、その勝因なのであろうと思いながら観ていたんだけど、MCで谷中が「初日だから緊張感でビリビリでした」みたいなことを言っていて、意外だった。終演後、楽屋をたずねたところ、ライヴ中、テンパリすぎて両手両足が酸欠でつって、それがまだ治りきってなくてしびれてる状態で、乾杯の音頭をとっていました、谷中さん。キンちゃんも「足つったよぉー」って言ってました。ツアーは今日から6月18・19日のNHKホール2デイズまでの全33本、なのであと32本。健闘を祈ります。(兵庫慎司)