関東地方を回ってきた曽我部恵一BANDのツアー『ソカバン関東TOUR2008「カントー的。」』が11月30日(日)渋谷クアトロで最終日を迎えた。でも正直、ファイナルだからとかそんなことは関係なしにいつでも全力で、いつまでも解けないロックの魔法にかけられたようなドキドキする気分にさせてくれるのがソカバンのライブの魅力だ。
今年4月にリリースされたソカバン初のアルバム『キラキラ!』は本当にいつまでも記憶に残るような歌が詰まったアルバム。そして、8月に出たライブ盤『トキメキLIVE!』は何度聴いても飽きることのないソカバンのライブの溢れんばかりの熱量を凝縮したアルバム。この2枚を聴いていれば、そして、ライブに一度でも足を運んだ人なら、その流れが否が応でも頭の中に入っていくわけで。“恋人たちのロック”で幕を明けて、“トーキョー・ストーリー”に流れて・・・・・・分かっているはずなのに、それでもこんなにもドキドキさせられるのはなんでなんだろう。シンプルかつストレートに届けられる楽曲の威力と4人によるバンド・アンサンブルの奇跡的な融合。やっぱり、このドキドキ感はソカバンの奏でる音楽に恋をしてる証拠なんだなと思う。「50、60になってもずっと(アルバムを)持っていてください!」と曽我部も言っていたけど、本当にその通りでいつまでも色褪せない甘酸っぱい思い出みたいに、ずっと新鮮な気持ちで寄り添っていられる音楽なんだなと改めて実感させられた。
今日は愛娘のハルコちゃん、そしてうみちゃんも会場に遊びに来ていたそう。そして待望の3人目、淳君が生まれたことも報告。「(名前は)松潤からとりました!」と由来を説明する曽我部のにやけ顔で、こちらも顔がほころんでしまう。
本日は新曲も何曲か披露。ギターの上野がリードボーカルをとる曲や、弾むようなモータウンビートに乗った“Pure&True”、今後のライブでは大合唱必至の王道ロック・ナンバー“がいこつ”や“でっかい太陽”などなど、これからのソカバンをたっぷりと見せてくれた。来年の初夏にはアルバムを出したいと言っていたのだが、冗談ぽく「『キラキラ!』以上のものを作る自信はありませんが」なんて、会場の笑いを誘っていたけど今後キラーチューンへと生まれ変わっていきそうな楽曲たちが次々と演奏されていった。今やライブでは欠かせない永遠の名曲“魔法のバスに乗って”もライブで育てられた楽曲だ。今日披露された新曲もきっと次のアルバムが発売される頃にはすでに名曲化しているに違いない。ライブでオーディエンスとともに楽曲を磨いていくという原始的な方法で楽曲を着実に育てていくことができるのもソカバンのフットワークの軽さゆえ。次作が本当に楽しみだ。
後半はお馴染みの語りから始まる“テレフォン・ラブ”で会場中が大合唱し、“ミュージック!”で4つ打ちのソウルミュージックに乗って眩いほどのミラーボールの光に照らされながらダンスを繰り広げる。「みんな帰ったら、うがいしてください!これだけ人がいるとヤバイ病気にかかっちゃうから」と煽り、“LOVE-SICK”を穏やかに演奏し、いきなりシンガロングで始まる“青春狂走曲”で再びオーディエンスの元気一杯の歌声の渦に会場中が包まれて一気に沸点へともっていく。そのまま、重厚なオータのドラムのイントロが鳴り響き“魔法のバスに乗って”が始まる。もう、この流れは鉄板です。何度聴いても飽きません!
アンコールではいつもどおりマイクを使わずに“mellow mind”を披露したのだけど、出だしを「ぼくのはちみつのなか〜」と間違えて歌ってしまって(本当は「きみのはちみつのなか〜」)、もう1度やり直す場面も。でも、みんな温かく見守っていて本当に和やかで、アットホーム。いつでもそこに帰りたいと思える素敵なライブだった。ずっとこの時間が続けばどんなに幸せだろうと思える多幸感に溢れる最高の一夜だった。(阿部英理子)
セットリスト
1.恋人たちのロック
2.トーキョー・ストーリー
3.天使
4.結婚しよう
5.キラキラ!
6.五月になると彼女は
7.ジュークボックス・ブルース
8.ハルコROCK
9.チワワちゃん
10.海の向こうで
11.明日と夢を(新曲)
12.Pure&True(新曲)
13.がいこつ(新曲)
14.でっかい太陽(新曲)
15.街角のうた
16.恋におちたら
17.テレフォン・ラブ
18.ミュージック!
19.胸いっぱい
20.LOVE-SICK
21.青春狂走曲
22.魔法のバスに乗って
23.瞬間と永遠
24.STARS
アンコール
25.あたらしいうた
26.mellow mind
曽我部恵一BAND @ 渋谷クラブクアトロ
2008.11.30