【特集】FOMAREがオーディエンスとともに鳴らし、歌い尽くした初の日本武道館ワンマン!──「武道館、来たほうがよかったでしょ?」

【特集】FOMAREがオーディエンスとともに鳴らし、歌い尽くした初の日本武道館ワンマン!──「武道館、来たほうがよかったでしょ?」 - all photo by RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER]all photo by RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER]
ハイテンションでステージに躍り出て、マイクの前に立ったアマダシンスケ(Vo・B)が叫ぶ。「武道館、いけんのか!」。そして《カーテンの》と“Lani”の最初のフレーズを歌い始めた瞬間、客席に大合唱が広がる。そんなライブの始まりの光景が、FOMAREというロックバンドとファンとの関係性を象徴していた。FOMARE、47都道府県ツアー「48本目」にして、初の日本武道館公演「FOMARE LIVE at 日本武道館」。ずっと夢見ていた場所に立った彼らが見せたライブは、いつものライブハウスと同じように熱くて近くて、でも間違いなくこの場所でしか生み出せない空気を帯びたもので、つまりは、お客さんはもちろん、スタッフや仲間やメンバー自身も含めて「FOMAREを信じ続けてきてよかった」と思わせるに十分な、とても特別な時間だった。

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オープニングを飾った“Lani”に続いてカマタリョウガ(G・Cho)のリフから“Continue”、そしてステージ上で派手な火柱が上がる“風”へ。武道館を自分たちのテリトリーに引き込むように楽曲を畳み掛けながら、いつものようにオーディエンスとコミュニケーションを取り、そこからもらうエネルギーも音に転化していく。イントロから手拍子が鳴り響いた“5cm”では、アマダの「歌えますか!?」という声にまたしてもシンガロングが生まれる。もちろんステージで演奏しているのはサポートドラマーのりゅうしん(彼はFOMAREの群馬の後輩)含めバンドの3人だが、同時にFOMAREの音楽は3人だけでは成り立たない。「武道館、もっと聞かせてくれよ!」というアマダにオーディエンスが大合唱で応えた“君と夜明け”も、「よお、おまえらロック好き?」「当たり前だろロック好き!」というおなじみのコール&レスポンスから突入した“SONG”でも、この場所をソールドアウトさせた8500人の声と熱が、FOMAREの曲を、演奏を、いつも以上のものに押し上げる。

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それを、他ならぬFOMARE自身もよくわかっているのだろう。ステージ両サイドに設置されたLEDスクリーンにはライブ映像が映るのだが、そのカメラがライブの序盤からしょっちゅう客席を映すのだ。こんなにお客さんにフォーカスするのは珍しい、というか、少なくとも僕は見たことがない。笑う顔、歌う顔、叫ぶ顔、感極まっている顔……画面に映るさまざまな表情が、僕たちにとってFOMAREがどういうバンドなのか、そしてFOMAREにとってライブを観に来てくれる人たちがどういう存在なのかをはっきりと物語るようで、そんな演出もとてもFOMAREらしい。

MCを挟んで“夢から覚めても”を軽やかに届けると、ドラムのビートでつなぎ、「この曲も、作ったときはこんなにみんなに愛される曲だとは思ってなかった。みんながいるから俺たちの曲も成長していくんだと思っています」という言葉とともに“80%”へ。美しいメロディとハーモニーが瑞々しく響き渡る。メジャーデビューEPからの“恋をする自分が好きなだけだと思う”も、スクリーンに歌詞を映し出しながら披露された“余韻”も、そしてアマダの、地元・群馬への思いが注ぎ込まれた“かぼちゃ列車”も──ラブソングだったり、自身の記憶を綴った歌だったり、それぞれの曲が生まれた背景は違う。だがそのどれもが、武道館という場所で新たな意味をまとって伝わってくる。それこそアマダの言う「曲の成長」ということなのかもしれない。

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そういう意味で、中盤、FOMAREにとって大きなターニングポイントとなったバラード“長い髪”を演奏する前にアマダが語った言葉はとても感慨深かった。彼らがメジャーデビューを果たしたのは2020年、世の中はコロナ禍の真っ只中だった。思うようにライブもできず音楽がちょっと遠い存在のように感じてしまったあの時期に、FOMAREはリード曲をバラードにするという決断をした。そうして生まれたのが“長い髪”だ。そのことに対して、当時の彼は「むずがゆい思い」を抱いていたという。「それがFOMAREにとって正解なのか」とも考えていたそうだ。「けど、今になって思ったら、ああいう時間があったからこそ今この瞬間が大事に思える。ああいうときを経て、俺らはこうやって武道館に立てている気がします。なかなか今の自分を愛せないという瞬間が人生にはあるけど、嫌でも続けてみたらこういう景色を見れる。続けてみて、愛すべきものって見つかるんだなと思ってます」。バンドを続け、ライブを重ねてきたからこそ見える景色も、変わる気持ちもある。武道館で聴いた“長い髪”の切なく、でもどこか穏やかな響きには、そんなアマダの心の変化さえも投影されているように思えた。

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“長い髪”に“2016”、“アルバ”とバラードやミディアムチューンを重ねて武道館をエモーショナルなムードで包み込むと、ここからライブは一気にギアを入れ替えてクライマックスへと上り詰めていく。アマダのタイトルコールにオーディエンスが手を挙げて応えた“wave”に始まり、リヴァーブの効いたアマダの歌声と力強いビートが夏の情景をまざまざと描き出すような“花火散って、君がちょっと遠くなる”を経て、間髪入れずアマダがベースとともに歌い出したのは“stay with me”。約10年間、バンドとファンをつなぎ続けてきた名曲が、武道館で鮮烈に鳴り響く。カマタのギターも、アマダの歌も、そしてオーディエンスの声もとても力強い。“Can't help myself”では、スクリーンに映し出された、バンドの歴史をなぞるような写真たちが激しく感情を揺さぶってきた。

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「今から9年くらい前、渡辺旭と鈴木健太郎、THE NINTH APOLLOとJMSのボスが俺たちを見つけてくれて、そこからみんな一人ひとりに出会えて、みんなが武道館に連れてきてくれたと思っています。SNSとか見てると『FOMARE、武道館に連れてきてくれてありがとう』とか言う人もいるんですけど、そんなの、逆だって。マジで連れてきてくれてありがとうございます!」。アマダの言葉に精一杯の拍手を送る武道館のオーディエンス。音楽の聴き方や楽しみ方も変わり続ける時代だが、その中にあってFOMAREは常に「現場」に何よりも大事なものを見出し続けてきた。「みんな、武道館のライブさ、来たほうがよかったでしょ? AIなんかには作れない、現場に来なければわからないものがここにあると思ってます」。そしてアマダはこう言葉を継いだ。「ここにいてくれる一人ひとりと、これからも長い付き合いでいたいと思ってます! これからも群馬のFOMAREを愛していてください!」──喝采が起きる中、ライブは最終盤へと入っていくのだった。

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“優しさでありますように”では《あなたにとって僕が》という歌詞を「FOMAREにとってみんなが」と歌い替え、穏やかなメロディで《繋がっていようずっと/求め合おうずっと》と歌う今回のツアーの「テーマソング」“over”を高らかに響かせ……1曲ごとに忘れられないような記憶をオーディエンスの心に刻みつけながら、FOMAREの武道館はフィナーレへと向かっていく。“Grey”でも“Frozen”でも大合唱や手拍子に包まれる武道館。そして待ちに待ったハイライトがやってくる。「“愛する人”!」──アマダが曲名を叫んだ瞬間に湧き起こる歓声。アリーナでもスタンドでもみんなで肩を組み、歌声を張り上げる。ライブハウスではおなじみの光景が、武道館のスケールで生み出されるとこんなにもパワーを持つものなのか、と圧倒された。そしてその最高の一体感のまま“ルー・ティーン”で本編を終えると、アンコールではまず、10月12日に群馬・Gメッセで2年ぶりとなる主催フェス「FOMARE大陸」を開催することを発表。客席が沸き立つ中、レゲエのリズムが気持ちいい“One Day”でオーディエンスとともに体を揺らすと、「ラスト1曲、全員で歌うぞ。群馬の歌です!」とアマダが“夕暮れ”を歌い出した。たちまち武道館中に歌声が広がる。渾身の演奏と歌、オーディエンスのシンガロング、とてもシンプルな、でもだからこそ強固なロックバンドのライブのあり方がそこにはあった。(小川智宏)

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●セットリスト
FOMARE LIVE at 日本武道館
2026.5.22 日本武道館

01. Lani
02. Continue
03. 風
04. 5cm
05. 君と夜明け
06. SONG
07. 夢から覚めても
08. 80%
09. 恋をする自分が好きなだけだと思う
10. 余韻
11. かぼちゃ列車
12. 長い髪
13. 2016
14. アルバ
15. wave
16. 花火散って、君がちょっと遠くなる
17. stay with me
18. Can't help myself
19. 優しさでありますように
20. over
21. Grey
22. Frozen
23. 愛する人
24. ルー・ティーン

Encore
25. One Day
26. 夕暮れ

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