All photo by 瀧本 JON... 行秀 ●セットリスト
1. Hey Lady
2. 雨あがり
3. つづくもの
4. Japanese Pride
5. 1CHANCE
6. エル
7. 昨日の歌
8. 夏の面影
9. BIG UP
10. 切手のないおくりもの
11. SLOW
12. 終わりのはじまり
13. ともに
14. リベンジ
15. Hey yo…
16. 1106
17. オドルヨル
18. いいから
19. THANX
20. For you
(アンコール)
21. CHARM(新曲)
22. TRACE
23. やってみよう
24. ここから
2016年の9月から繰り広げられてきた「JUICE UP!! TOUR」のファイナル。見事ソールドアウトとなった会場は、ぎっちりと埋まって壮観である。大歓声に包まれて姿を見せたKENTA(Vo/Ba)、KO-SHIN(Gu/Cho)、FUJI(Dr/Cho)の3人は白いパーカーで揃え(でもデザインは異なっている)、「何人おるんこれ、何人おるん!?」と率先して昂りながら、KENTAは「やっぱりどう考えても、日本で一番WANIMAが好き、WANIMAです。JUICE UP!! TOUR FINAL、さいたまスーパーアリーナ、かーいさーいしまーす!!」と高らかに宣言するのだった。
“Hey Lady”の突き抜けるような歌い出しと共にテープキャノンが放たれ、WANIMAの音楽はこの巨大なスペクタクルにまで広がったのだ、ということを一瞬で理解させる。『Can Not Behaved!!』収録曲を連発しつつ、この日ギターの色に揃えて髪をグリーンに染めてきたというKO-SHINは満面の笑みを覗かせて大きなステージの端まで練り歩き、FUJIくんは景気の良い合いの手を挟みながらくるくるとビートの表情を変えてみせるのだった。“Japanese Pride”や“1CHANCE”では、ステージ背景の大型LEDスクリーンに、リアルタイムで加工された3人の映像も用いられていてすこぶるかっこいい。
元把瑠都関が愛嬌たっぷりなビデオレターで“昨日の歌”を曲紹介した後は、KENTAが小節を効かせた歌い出しで焦らせてから爆発する“夏の面影”、レーザー光線がビンビン飛び交う“BIG UP”とパフォーマンスが続く。オーディエンスの、燃え盛るようなシンガロングも凄い。「WANIMA、水くせえじゃねえかよう」と始まるFUJIくんのモノマネ(長渕剛)は、ブリッジ状の花道を突き進みながらオーディエンスを煽り立て、アリーナ後方に設置されたセカンドステージで“乾杯”を熱唱するという、僕の知る限り過去最長のモノマネタイムになった。
FUJIくんの後を追ってKENTAとKO-SHINも手を繋ぎながらセカンドステージに到着すると、「実は一番好きなスタイル」であるというアコースティックのパフォーマンスが始まる。“切手のないおくりもの”カバーから、その名曲に勝るとも劣らない“SLOW”(ここではベースも用いられる)。そして、オーディエンスの一斉コーラスによって完成する“終わりのはじまり”と、名演連発の3曲であった。
その後、ステージを続行させようとするWANIMAがなぜか強制的に「訓練」に連れて行かれるという体のビデオが。迷彩服姿でアスレチックに挑む3人。跳ねるような高速匍匐前進(?)を披露するKO-SHINはさすが元自衛官という感じで喝采を浴び、バンジージャンプを嫌がるFUJIくんの血色を失った表情には笑い声が上がっていた(でも、3人ともしっかりバンジーをやっていたのは立派だった)。迷彩服姿でステージに戻り敬礼する3人は、いそいそとカラフルな軽装に着替え、KENTAがファンに感謝の言葉を告げると、晴れやかなパンクサウンドで“ともに”を歌い上げてゆくのだった。
華々しい演出はどれも今のWANIMAに似合っていたけれど、照明を落として届けられる“Hey yo…”や“1106”では、楽曲の素晴らしさと真っ直ぐに向き合う時間がもたらされる。“1106”の終盤に映し出された海の映像は、熊本・天草の海だろうか。視界一杯のハンドウェーブも、歌の情景と重なる白波のようで美しい。アカペラの“夜空ノムコウ”から間髪入れずに叩きつける“いいから”の後、KENTAは「こんな景色を見せてくれてありがとう! みんなが大丈夫じゃないときも大丈夫になれるように、元気じゃないときに元気になれるように、WANIMAは3人でこれからもやっていくけん!」と告げ、渾身の“THANX”と“For you”で本編を締めくくるのだった。
ケータイのライトを灯してアンコールの催促をするオーディエンス。再登場するとKENTAは、順にライトを掲げさせるという斬新なウェーブを促し、2017年5月17日(水)にワーナー・unBORDEからニューシングル『Gotta Go!!』(ガラゴー)をリリースすることを発表した(詳細記事はこちら→
http://ro69.jp/news/detail/157955)。新生活のお守りということで、新曲“CHARM”が披露される。すっかりWANIMAの曲となった印象の“やってみよう”にアリーナが沸き、記念撮影の後にKO-SHINは「WANIMAを応援してくれるみんなが生き甲斐です。みんなが笑えば僕も笑うし、みんなが泣けば僕も泣く。これからも僕たちを信じてついて来てください! 敬礼!」と告げ、今回のステージを締め括ってみせたのだった。(小池宏和)