BIGMAMA/日本武道館

BIGMAMA/日本武道館 - All photo by AZUSA TAKADAAll photo by AZUSA TAKADA

●セットリスト
1.No.9
2.the cookie crumbles
3.#DIV/0!
4.Paper-craft
5.Make Up Your Mind
6.Swan Song
7.最後の一口
8.ダイヤモンドリング
9.alongside
10.Neverland
11.(50) days of flower
12.春は風のように
(SE) awasekagami
13.君想う、故に我在り
14.かくれんぼ
15.SPECIALS
16.CRYSTAL CLEAR
17.荒狂曲"シンセカイ"
18.BLINKSTONEの真実を
19.秘密
20.CPX
21.ファビュラ・フィビュラ
22.Sweet Dreams
23.MUTOPIA
24.愛はハリネズミのように

(アンコール)
EN1.We have no doubt
EN2.HAPPY SUNDAY
EN3.神様も言う通りに
EN4.until the blouse is buttoned up

(ダブルアンコール)
DEN1.新曲
DEN2.I Don't Need a Time Machine



「いきなり今日があるわけじゃなくて、10年間いろんなライブをしてきて今日があるわけで。ガラガラな時もありましたよね?(笑)」と語りながらメンバーの顔を見回す金井政人(Vo・G)。「――でも、そのライブ1本1本手を抜いたことはなかったし、自分たちの音楽を信じなかった日はなかったです」と続ける金井の、「10年間で一番でかい声聞かしてもらっていいですか?」のコールに、ソールドアウト満場の日本武道館が割れんばかりの大歓声に包まれていく――。

安井英人(B)&東出真緒(Violin)が加わった現ラインナップになってから10年。7thアルバム『Fabula Fibula』(3月)と、その最終曲“愛はハリネズミのように”からインスパイアされた小説家・住野よるの掌編小説をパッケージしたシングル『DOPELAND』(7月)、さらに初のベストアルバム『BESTMAMA』(9月)といった具合に、自らの10周年アニバーサリーイヤーの号砲を連射するかのようなリリース攻勢を展開してきたBIGMAMAの、自身初となる日本武道館ワンマンライブ、その名も「BIGMAMA in BUDOKAN」。
5人が誠実に編み上げてきた「BIGMAMAにしかできない音楽」が、満場のシンガロングとともに音楽の理想郷を繰り広げていくような至上のコミュニケーションが、この日の武道館には確かにあった。
BIGMAMA/日本武道館
8人編成のストリングスセクションが奏でるベートーベン『第九』の調べの中をメンバー5人が登場、『第九』をモチーフにした壮大なアンセム“No.9”でいきなり一面の大合唱を呼び起こし、広大な空間を突き抜けるような高揚感で満たしてみせる。
あたかも巨大なジェットエンジンの如くバンドのアンサンブルを突き動かし牽引する、リアド偉武(Dr)&安井英人のタフなビート。熱気を痛快に切り裂きかき混ぜていく、柿沼広也(G・Vo)の鋭利かつエモーショナルなギター。時に伸びやかな色彩感で、時にアグレッシブな輝きをもって、「ロックバンドのアンサンブル」という枠組みでは割り切れない豊潤な音像を実現する、東出真緒のバイオリンの響き。そして、人間の愚かさも弱さもドラマチックなロックスペクタクルの彼方へと導いてみせる、金井政人の歌の眩い生命力――。
5つの異なる個性とバックグラウンドを丹念に織り重ね、ハイエナジーに炸裂するロックのダイナミズムと狂おしいほどのセンチメントを両立させながら、観る者すべてを「その先」へと駆り立てるBIGMAMAの歌と音楽の世界が、“the cookie crumbles”、“#DIV/0!”……と曲が進むごとに会場の多幸感を刻一刻と濃密に高めていく。
BIGMAMA/日本武道館
“Make Up Your Mind”、“BLINKSTONEの真実を”など最新アルバム『Fabula Fibula』の楽曲やシングル『DOPELAND』からの“CRYSTAL CLEAR”、ベスト盤に収められていた新曲“(50) days of flower”といった最新楽曲群はもちろんのこと、“Neverland”、“CPX”のような初期の楽曲、“Swan Song”、“荒狂曲"シンセカイ"”といった「ロックとクラシックの融合」のコンセプト作品『Roclassick』シリーズの楽曲まで、10年間の歩みを高純度結晶させたようなステージを繰り広げていたこの日のBIGMAMA。
「『せっかくの武道館だし、みんなしゃべる?』って(メンバーに)訊いたら『いや、いい』って(笑)。いつも通りやろうって。でも、正しいと思います。『それよりたくさん曲をやろう』って思うバンドの気持ちをどうか汲んでください。言いたいことは、曲の中にちゃんと入ってます」と金井がMCで話していた通り、何より楽曲そのものがここ武道館いっぱいの歓喜と響き合って、BIGMAMAの表現世界にどこまでも雄大なスケール感と訴求力を与えていた。
BIGMAMA/日本武道館
本編中の要所要所でストリングスセクションが登場、13人編成のアンサンブルで構築する壮麗なサウンドスケープは、オーディエンスの期待値を鮮やかに飛び越える輝度と彩度にあふれていた。
シンフォニックメタル的なサウンドの“ファビュラ・フィビュラ”から“Sweet Dreams”、“MUTOPIA”のダンサブルな躍動感まで、その音楽性の振り幅すらも祝祭の一部になっていくようなマジカルな磁場の中、本編ラストを飾ったのは“愛はハリネズミのように”。とんがった心すらも優しく抱き締める包容力が、そのロックバラードの響きには確かに備わっていた。
BIGMAMA/日本武道館
アンコールで金井は、かつて彼が父親から言われた「お前が巻き込んだ人たちを、絶対に不幸にするな」という言葉が、その後のバンド人生の宝物になった、と語っていた。
「人が人を幸せにできるのって、たったひとりだけだと思っていて。みんなを幸せにすることはできないんだけど、不幸を遠ざけることならできるんじゃないかなって……自分の中で、その言葉を大切にしてきた10年でした」
その「不幸を遠ざける」ための方法のひとつが「5人で信じた音楽を鳴らす」だったこと。そして、「失敗だらけの、後悔だらけの、欠陥だらけの人生だった」と語る金井自身が、みんなが同じ失敗をしないための言葉や歌詞を曲にちりばめようと思って、この10年間バンドで歌を歌ってきたこと――。
「《言葉は確かなものじゃない/明日が来るとも限らない/それでも僕らは約束をしようよ》(“CRYSTAL CLEAR”)――僕は、今日また約束しようと思います。誠実な人間に、嘘をつかない人間になりたいと、そう心から思ってます。それを、次の歌を歌って約束しようと思ってます。その歌がまた、誰かの不幸を遠ざけることを願ってます」
自らの足跡を真摯に振り返った後で彼が歌い上げた“We have no doubt”が、ひときわ熱く強い感激を巻き起こしていった。
BIGMAMA/日本武道館
そして――アンコール終盤、「最後にひとつ、ささやかなお知らせです」と金井。「2018年、BIGMAMA、引っ越します。下北沢から、青山に――ユニバーサルミュージックにお世話になります!」という彼の言葉に、驚きと感激の歓声が広がり、武道館の熱気をなおも激しく震わせていた。
“until the blouse is buttoned up”を終えた5人が手を取り合って一礼して大団円――かと思いきや、三たび舞台に姿を見せたメンバーはなんと「作りかけ」の新曲を披露。弾むようなメロディと疾走感とホーリーな空気感が同居する新たな名曲に客席が揺れたところで、最後は“I Don't Need a Time Machine”でフィナーレ! トータル約3時間に及ぶ熱演でBIGMAMAの「足跡」と「今」と「これから」を照らし出した、渾身の名演だった。(高橋智樹)

終演後ブログ
【速報】BIGMAMAと音楽と武道館が響き合った至福の一夜。ユニバーサルへ「引っ越し」発表も!
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