フィーダー @ 赤坂BLITZ

フィーダー @ 赤坂BLITZ - フィーダーフィーダー
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昨年10月に行われるはずだったフィーダーの来日ツアー5公演(渋谷クアトロ、赤坂BLITZ、名古屋クアトロ、大阪BIG CAT、福岡DRUM Be-1)が、グラント(Vo/G)の咽頭炎の影響でキャンセル――というのはここ「RO69」でもお伝えした通りだが、その振替公演がついに実現! 5つの会場はそのままで、渋谷と赤坂の順番だけがひっくり返って、この日のBLITZ公演が初日となる。あの、UKロック界が誇る真摯で清冽な轟音を全身で浴びようと、フロアのファンも並々ならぬ気迫で登場を待ち構えている。

そんな中、19:05にオープニング・アクト=QUATTROの5人がオン・ステージ。ささくれたガレージ・サウンドの中に頭から突っ込んだプライマル・スクリームとでも言うべきロックンロールが炸裂! 今や時代の寵児となったthe telephonesをはじめ気鋭バンドたちと「Kings」という同盟関係を組み、邦楽ライブ・シーンで夜な夜なフロアを瞬間沸騰させている彼ら。昨年はクーラ・シェイカーのオープニングを務めたこともあるだけに、アウェイの場でもじわじわとオーディエンスの視線を釘付けにしていく。特に、60年代70年代を思わせるガレージ・サウンドを、ハモンド・オルガンとシンセを駆使してロック異空間へすっ飛ばしてみせるSato、ただ者ではない。と思う。酔っぱらった外人客の「クアトロー!」という感極まった叫び声も聞こえる。“Bounce to Bounce”など30分間の短い時間で、全エネルギーを放射しきって去っていったQUATTRO。渋谷以外の会場にはオープニング・アクトで登場する予定らしい。要注目。

そして、20:01、いよいよフィーダーの面々がステージへ! ギターとキーボードのサポート・メンバーを加えた5人編成。そして、音に色があったら銀色に輝き出しそうなヘヴィ&ソリッドなサウンドで、いきなりBLITZの空間を支配してみせる。昨年リリースされた新作アルバム『サイレント・クライ』の楽曲でのっけから押し通す――かと思いきや、天翔るファルセットで有名な全世界的名曲“フィーリング・ア・モーメント”が序盤から飛び出したりもして、とにかく待ち焦がれていたオーディエンスを一瞬たりとも飽きさせないようなライブ運びだ。

明日以降の公演のネタバレになってしまうので曲順を全部書けないのが辛いところだが、本編の半分近くまでMCも休憩もなく一気に飛ばし、フロア一丸となっての手拍子やジャンプを誘ってみせるなど、この日のフィーダーはとにかくアグレッシブだ。グラント(Vo/G)とサポートの2本のギターが織り成す、鋼のようなギター・リフ。レスポール・タイプのベースをごりごり弾き倒すタカのプレイ。そして目に見えない敵と格闘しているかのようなマークの乱れ打ちドラミング……それらが渾然一体となって、フィーダーのアンサンブルはぐいぐい加速していく。

「グッド・イブニング! グレイト・トゥ・ビー・バック・ヒア・イン・ジャパン!」というグラントの短いMCを挟んで後半戦へ。新作『サイレント・クライ』収録の悲壮なヘヴィ・ワルツ(?)“ソノラス”の後、グラントが各メンバーに何やら耳打ちしていたのは、おそらく急遽曲順を変えたのだろう。実際、本編がわりと短めだったのは、「俺、風邪ひいてんだよ」と苦笑していたタカだけでなく、病み上がりのグラント(2005年にも喉の病気でUK国内の公演をキャンセルしたことがある)自身のコンディションを気遣って曲数をセーブしたのかもしれない。違うかもしれない。いずれにしても、「新作の楽曲」をアピールするというよりは、「誰もが聴きたかったフィーダーの曲」を「今」のギター・ロック・モードで200%提示するような渾身のアクトであったことだけは間違いない。アンコールで巻き起こったフロア大合唱の余韻を楽しむように、「じゃあね! Thank you!」とグラントが笑顔で挨拶して――熱い一夜が、幕を閉じた。ジャパン・ツアーはまだ始まったばかりだ。(高橋智樹)

1.We Are The People
2.Feeling A Moment
3.Shatter
4.Come Back Around
5.Who\'s The Enemy
6.Insomnia
7.Rewind
8.Fires
9.Pushing The Senses
10.Sonorous
11.Buck Rogers
12.Yesterday Went Too Soon
13.Lost And Found

アンコール
14.Silent Cry (acoustic)
15.7 Days In The Sun
16.Just A Day
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