YUKI @ 日本武道館

YUKI @ 日本武道館 - YUKIYUKI
ここ何年かは、自分じゃない人が歌っても成立するようなポップスを目指していた。だから、自分のことを歌うのを、やめてみようと思った。でも、最近になって、また自分のことを歌ってみようと思って、作った曲です。
アンコールの1曲目、今年4月に出たばかりの最新シングル“汽車に乗って”を歌う前のYUKIのMCは、こんな内容だった。うわ。まじ。と思った。ここで書こうと考えていたことに、非常に近いことを、先に本人に口にされてしまったからだ。

今日みたいにこの「即日ライブレポート」があって、観終わったらすぐに書かないといけない、それこそアンコール終わって武道館を出て半蔵門線に乗ったらすぐパソコンを開くのが決まっている場合は(座れないと大変です。今日は運よく座れました)、ライブの間中、常に「何書こうか」「どこを取り上げようか」「どの部分に着目しようか」などと、観ながらずーっと考えている。そんな観方していて楽しいかおまえ、と言いたいが、そういう仕事なんだからしょうがない。
で、1曲目“メランコリニスタ”で始まり“プリズム”や“長い夢”や“ワンダーライン”“ふがいないや”などのシングル曲を経て、“ファンキー・フルーツ”や“ロックンロールスター”や“愛に生きて”や“ティンカーベル”なんかのシングル以外の曲も経て(最近のライブの中ではシングルじゃない曲が多い構成だった気がする。個人的にはCaravan提供曲の“ハミングバード”と“WAGON”を両方やってくれたのが大変にうれしかったです。3月22日のJCBホールの時は“WAGON”だけだったので)、ライブ本編が 18曲目の“JOY”で終わったあたりで、「よし、書くネタこれでいこう」と決まった。と思ったら、アンコールで出てきたYUKIに、いきなりそれを言われてしまって「げげっ」となったわけです。どうしよう。「MCきいてそのまま書いてやがる」と思われる。まあ、厳密には、近いけどそのまんまではないからいいや。書きます。

何を考えていたかというとですね。これ、なぜかCDよりもライブの度に強く感じるんだけど、ソロになってからの、特に2ndアルバム以降のYUKIは、自らのキャラクターに頼らずに音楽を作っている感じがとてもするのだ。強烈でつきぬけていて個性の塊みたいで、かつみんな共感できる、そしてとにかく目だってキャッチーである、YUKIという存在というかアイコン。とにかく、そういうものによっかかっていない音楽を目指している気がとてもするのだ。極端な話、もしYUKIがセットも何もないステージに、ジーンズにTシャツに黒髪にノーメイクで出てきて、マイクスタンドの前から一歩も動かずに、黙々と歌うだけのライブをやったとしても成立してしまうような、そんな楽曲。
だからあんなに次々といい作曲家を発掘するし、アレンジもさまざまなカラーのものをどんどん試すし、松江潤(ギター)や松下敦(ドラム)を擁するスーパー・バンドだし──つまり、キャラをどけて音の部分だけでも圧勝できるもの。明らかに、意識的にそういうものを目指しているのではないかと。だからこんな、目をつぶって音を浴びているだけでも相当気持ちいいライブになるのではないかと。
このツアーファイナル武道館2デイズの2日目も、基本的にはそういうライブだった。が、それが、前述の通り、アンコールでくつ返ったわけです。

自分のことがよくわからなくなって、ステージから落ちそうになったり、もう歌わなくてもいいんじゃないかと思ったりしていた時期に、この曲を作って、歌うことで、また戻ってこれた──そんな内容のMCをしたあと、アンコールの2曲目に歌った曲は“歓びの種”だった。あと、今はゆっくり自分のリズムで曲を作っている、というようなことも言っていた。なので、次のアクションまで時間がかかるかもしれないけど、次は確実に新しいYUKIを聴けるし観られるはずだ。このままでも充分いいっちゃあいいんだけど、新しいほうが楽しみが増えることは間違いない。気長に待っています。

蛇足。YUKIって、ライブを終えてひっこむ時、必ずだーって走ってソデに姿を消す。毎回、小学校の廊下だったら怒られそうな走りっぷりを見せる。今日も、本編終了の時はそうだった。が、アンコールの時は違った。客席に手を挙げながら、昔懐かし「ゲッツ!」のフレームアウトの時みたいな形で、姿を消した。ちょっと新鮮でした。「だからなんなんだよ」って話ですが、そこを拾って書きたくなる奴、俺ぐらいだろうと思ったので書きました。(兵庫慎司)

YUKI concert New Rhythm Tour 2008
1.メランコリニスタ
2.ファンキー・フルーツ
3.ロックンロールスター
4.ヘイ! ユー!
5.just life! all right!
6.惑星に乗れ
7.ビスケット
8.愛に生きて
9.プリズム
10.長い夢
11.舞い上がれ
12.ワンダーライン
13.ハミングバード
14.ティンカーベル
15.ふがいないや
16.Rainbow st.
17.WAGON
18.JOY

アンコール
19.汽車に乗って
20.歓びの種
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