●セットリスト
1.Tank-top Festival 2019
2.KOKYAKU満足度1位
3.ウェイウェイ大学生
4.Universal Serial Bus
5.鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック
6.ハローキティ(カバー)
7.ネコ飼いたい
8.L・O・V・E タオル
9.DANCE ON TANSU
10.リセットマラソン
11.Tank-top of the world
12.ハッピーウェディング前ソング
13.とりあえず噛む
14.反吐でる
15.Don’t stop SNS
16.メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
17.喜志駅周辺なんもない
18.無線LANばり便利
19.ヤバみ
20.かわE
21.あつまれ!パーティーピーポー
今年の1月からスタートした「ヤバイTシャツ屋さん “Tank-top Festival in JAPAN” TOUR 2019」。日本各地のライブハウスを巡ってきたラストを飾るのは、サンリオピューロランド2Days。その2日目となる千秋楽公演をレポートする。
一般の人からしたら「なんでロックバンドのライブをピューロランドで?」となるのが普通だろう。だが、顧客(ヤバTファンの名称)にとっては「ついにか!」という思いが強かったはずだ。
ヤバTは、以前よりSNSやMCでサンリオへの大き過ぎる愛を語っており、特にこやまたくや(G・Vo)としばたありぼぼ(B・Vo)はピューロランドの年間パスを持っているほど。
つまり、ロックバンドがライブする会場としては、一見ギャグにも思えるこの場所は、同日6月9日に念願のワンマン公演を行った、地元の先輩・岡崎体育にとってのさいたまスーパーアリーナ(以下、SSA)同様に、「ヤバイTシャツ屋さん約束の場所」なのだ。
しかし、「テーマパークやからって、遠慮すんなよ!」というこやまの掛け声から投下された1曲目“Tank-top Festival 2019”で空気は一変。メルヘンな場所が一気にライブハウスへと姿を変えた。立て続けに“KOKYAKU満足度1位”~“鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック”まで、ノンストップでシンガロング必至のキラーチューンを連発。ロックを鳴らすのに場所のアンマッチ感は関係ない、いつも通りかかって来い! そんなヤバTの気迫をひしひしと感じた。
と、話しているとステージにダニエル(キティのボーイフレンド)が登場。キティへ愛を伝えたいというダニエルのため、歌のプレゼントをすることに。キティもステージに呼び込んで、お似合いのカップルに贈るのは“ハッピーウェディング前ソング”。この場に集まった全員で、≪キッス!キッス!≫と冷やかしながら、ラブラブの2人を祝福した。
これまでの激しい演出から、一気に落ち着いてエモーショナルな雰囲気に。「いつもやらん曲やろうと思います」と、インディーズ時代の自主制作シングルから“反吐でる”を噛み締めるように力強く演奏。さらにもう1曲、「今日来たみんながマウントとれるように」と、“Don’t stop SNS”へ。どちらもメッセージ性が強く、顧客からの人気も高い楽曲。改めて、メジャー作品に再録されていないのが不思議に感じてしまうほど、この日も会場のボルテージを引き上げていた。
この盛り上がりを観たこやまから、予定のセットリストに1曲追加することと、今日はアンコールで1度区切ることなく、本編からそのまま通しで最後まで演奏するとアナウンスされた。そしてその追加された楽曲“メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲”へ。≪We are メロコアバンド≫の大合唱とともにフロアは後方まで跳びまくり、続く“喜志駅周辺なんもない”ではモッシュピットの渦へ。「多摩センター(ピューロランドの最寄駅)にこんなええライブハウスあると思わんかったなぁ!」と嬉しそうな顔で放ったこやまの一言には、この日の素晴らしさが集約されていたと思う。
同じ「ロックの日」に、SSAで目標のワンマン公演を行う岡崎体育にも触れながら、こやまは「僕らも夢の一つである、ピューロランド公演をすることができました。――サンリオ大好き、ピューロでライブできたらいいなって、言ってたら実現できたし、体育くんも絶対にスーパーアリーナでやるって言ってたら実現できたし、ホンマにやりたいこと、好きなこと全部口に出して言い続けてたら、ホンマに叶うって思います」と話した。このピューロランド公演もそうだし、先日は憧れのマキシマム ザ ホルモンとの対バンも実現(特にマキシマムザ亮君/歌と6弦と弟とは仲良しで、一緒にピューロランドへ遊びに行くほどだ)。NHK『おかあさんといっしょ』の“スプラッピ スプラッパ”をカバーするなど、NHKへの愛を語っていれば、NHKのイメージキャラクターに抜擢されレギュラー番組もスタート。今月末には、多大な影響を受けている事務所の先輩10-FEET主催で、バンド結成前からキッズとして遊びに行っていたフェス、「京都大作戦」で念願の「源氏ノ舞台」へ立つ(去年も出る予定だったが開催中止)。周りからなんと言われようと、好きなものは好き、自分たちがかっこ良いと思うものはかっこ良いと、信じるものをストレートに突き詰めてきたことが、夢を叶え続けてきている結果につながっているし、芯を持ってブレずに歩み続けてきたヤバTは、真のロックバンドだと思う。