残響祭 5th ANNIVERSARY @ Shibuya O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE

残響祭 5th ANNIVERSARY @ Shibuya O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE - pic by Rui Hashimotopic by Rui Hashimoto
残響祭 5th ANNIVERSARY @ Shibuya O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE - te’/pic by Rui Hashimotote’/pic by Rui Hashimoto
残響祭 5th ANNIVERSARY @ Shibuya O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE - People In The Box/pic by Azusa TakadaPeople In The Box/pic by Azusa Takada
残響祭 5th ANNIVERSARY @ Shibuya O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE - cinema staff/pic by Rui Hashimotocinema staff/pic by Rui Hashimoto
今年で設立5周年を迎えるレーベル、残響recordがこれを記念して東名阪の3ヶ所にて『残響祭』を開催。残響recordといえば、9mm Parabellum BulletやPeople In The Boxなど個性溢れる多くのバンドを輩出しているレーベルで有名だが、元々の始まりはレーベルの社長である河野氏がギタリストを務めるte’のCDをリリースするために生まれたレーベル。この日トリを務めたte’のステージで河野氏が「1バンドのために始めたレーベルがこんなに大きくなって…」と語っていたように、今や数多くのバンドを抱えるレーベルに成長した。

そんな残響recordの5周年を祝うため、所属アーティストはもちろん、所属はしておらずともレーベルと縁の深いバンドが全21組が大集結。2つのライブハウス(O-EASTはメイン&サブステージの2ヵ所)を跨いだ3ステージでライブを展開。残念ながら同時並行で進行していたのですべてのバンドは観ることができなかったので、観たバンドに関してのショートレビューをお届けします!

●3nd
EASTメインのトップは4ピース・インストバンドの3nd。切迫した轟音サウンドと静寂のアルペジオという残響的インストバンドの枠から外れた、爽やかかつ、アバンギャルドな音を鳴らすバンドだ。といっても出すサウンドは轟音にかわりはないのだけど方向性としては心地良く楽しめるというもの。“china”で「ウキウキな感じで行きましょう」と速水(G)が手拍子を求めるなど、フロアを一体感で包み込んだ温かくも激しいステージだった。

●AFRICAEMO
Duoに移動してAFRICAEMOへ。残響recordには珍しい、5ピースのダンスロック・バンド。いわゆる4つ打ちのグルーヴとシンセが絡み合うニューウェーブ・ディスコロックもあるのだけど、ラップ調のボーカルだったり、ボーカルが叩く打楽器がコンガだったり、複雑に編み出されるグルーヴが多国籍な感じを生み出す、とにかくいろんな要素が絡み合う面白いバンドだった。最後、ボーカルの岸はびっくりするほどに長い髪を振り乱し、上半身裸というやたら野性的な風貌でダンスロックしてるのが妙にハマってしまった。

●texas pandaa
EASTサブステージで、女性のツインボーカルが織り成すメロディーラインが流麗なtexas pandaaを観る。儚くて繊細で今にも崩れてしまいそうな何かを包み込むような優しさがありながら、轟音で自ら破壊していくようなシューゲイザー・サウンド。綿密に重ねられていく音の洪水と、静寂の中に宿る熱い魂が神秘的で美しかった。

●sleepy.ab
透明感の中に毒気を混ぜたような高音ボーカルと、どこまでも切なく泣き叫ぶようなメロディが心を揺さぶるsleepy.ab。技巧的に音を繰り出していく田中のギターが幾重にも織り重なり、楽曲を淡いオブラートのような優しさで包み込んでいった。まるでキーボードのような音色に変化したギター・サウンドが涙を誘うラストの曲“ねむろ”が壮大すぎた。

●apnea
ここまで静寂の中の轟音を楽しむバンドが続いたが、ここにきて異常にテンションの高いapneaが登場。ボーカルの染矢が「ざんきょうまつ?」と声をかけ、オーディエンスに「り!」と答えさせるコール&レスポンスで盛り上げる。ねっとりと絡みつくようなアバンギャルドな骨太ロックを奏でながら、サビにかけてどストレートなメロディーをぶつけてくるのがツボ。ラストは完全に崩壊状態で、ギターをお客さんに預けたり、ステージから降りてやりたい放題に暴れ倒していった。

●LOST IN TIME
今日の出演者の中で異色と言える、完全歌モノで真っ向勝負を挑んだLOST IN TIME。異色とは思ったけど、ラウドな演奏や海北の途轍もない歌の力で何のその、あっという間に場内をロストの空気で染めてしまった。“列車”“柊”といった初期曲も、“希望”“8月7日の夕焼けを君は見たか”“ハロー イエロー”といった最新曲も同じくらいきちんと会場に届いていることが嬉しい。完全アウェーな場所ながらも彼らなりのやり方でいろんな感情を伝えてくれたような気がする。

●miimi
美しい轟音サウンドと破壊的なステージングを見せてくれた女性ボーカル・ベースレスバンド、miimi。えんじ色のワンピースを身に纏ったボーカル、yukoは椅子に腰をかけながらも上半身を揺らしながら激しくギターをかき鳴らし歌う。時折見せる、震えながら歌う姿は、何かにとりつかれたようだった。

●scraps of tape
残響recordは65daysofstaticをはじめ洋楽も手がけているレーベル。今日のイベントにもSHAPES(from UK)、APOLLO18(from Korea)とそして、スウェーデンからscraps of tapeの3組が登場。scraps of tapeは歌モノもあるが基本はインスト主体とした5ピース・バンド。へヴィーなサウンドを基調としながらも、楽曲によってはシンセを入れたりしながら軽やかさをプラスしてみたり、パートを入れ替わって演奏したりと、かなり自由度が高いステージだった。今回が2度目の来日だそうだが、丁寧な日本語で挨拶して、しっかりとオーディエンスの心を掴んでいた。

●ダイノジ
最近、DJをやっているダイノジしか観てないなと思っていたら、今日は2人の漫才トークを繰り広げてくれた。もちろん、大地のエアギターも堪能。お客さんをステージに上げて2人で9mm Parabellum Bulletの滝風でエアギターを繰り広げるなど、会場を爆笑の渦に巻き込み、9mmに繋いでくれた。

●9mm Parabellum Bullet
先日の武道館公演も大成功に収めた9mm Parabellum Bullet。武道館ではやっていなかった“Keyword”“Heat-Island”“Sleepwalk”の3曲を畳み掛け、いきなりオーディエンスを興奮の坩堝へと誘った。「本当に音楽好きな人たちが喜ぶような音楽が広がるといいねと言って実現したこのイベントにこんなにたくさんの人たちが集まって素晴らしい」と残響recordへの想いを語った卓郎。9mmとともに成長したレーベルに檄を飛ばし、新曲“Cold Edge”へ。武道館公演でCD配布されたこともあり、オーディエンスのヒートっぷりも半端ない。武道館で聴いた時よりもより明確な輪郭が見えてきてライブ映えする曲にどんどん生まれ変わっているのが良かった。ラストは「行けるかー!?」の合図で“(teenage)disaster”で大暴発! 短い時間だったが濃密で熱い空間を味わうことができた。

●People In The Box
続いて、cinema staffも観たかったのだが、Duoのトリを飾るPeople In The Boxを観るために移動。始まるや否や、波多野はステージ前方に歩み寄りハンドクラップでオーディエンスを挑発。最近のピープルは異常に攻撃的でラウドな音を鳴らす。“昏睡クラブ”でスタートすると突き抜けるような透明感とじわじわと蝕んでいくような毒気を兼ね備えた波多野の歌がたちまちフロアに広がっていった。いつも通りにテンションの高い山口(Dr)が10月14日にミニアルバム『Ghost Apple』が発売されることを告知するとその作品から“日曜日/浴室”を披露。天井を突き破るような轟音と繊細なワルツがドラマティックに絡み合う奥行きのある楽曲だ。3人のテンションも最高潮に達するとラストは“はじまりの国”、そしてアンコールで“完璧な庭”を披露。新作を心待ちにしたくなるステージを展開してくれた。

●te’
そして、O-EASTのトリを飾ったのは残響record社長でもある河野氏率いるte'。聴く者に一瞬たりとも隙を与えない緊張感溢れるライブがいい。今日は、この夏体調不良でバンド活動を休んでいたギターのhiroが復活するということで、te'にとっては復活祭でもある。重々しい衝撃と破壊力満点の轟音も、今日は溢れ出して止まらない美しい泉のように澄んだ印象を与えて、祝祭ムードが充満している。

アンコールではベースのmasaが誕生日を迎えたということで、9mmのメンバーほか残響チームがバースデーケーキを贈呈しにステージに乱入。そして、「残響recordがはじまった1曲を久しぶりに…」と言って1stシングルから“己が分を知りて及ばざる時は速やかに止むるを『智』と言うべし。”を披露。後半、再び残響チームがステージに乱入し、9mmの中村がmasaのベースを奪い、卓郎がhiroのギターを奪うと、masaとともに「oi! oi! oi!」と会場中が大絶叫。滝もドラムを叩き、ダイノジ大谷も河野氏のギターを弾いたり、People In The BoxやSHAPESのメンバーなどステージ上で一同に会して、残響祭のラストに相応しいカオスで激烈な空間を創り上げた。

開演の15:00から終演まで実に6時間強。残響recordが世に送り出した轟音ロックが渋谷の街を占拠した素晴らしい1日だった。(阿部英理子)
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