the telephones @ ディファ有明

the telephones @ ディファ有明
the telephones @ ディファ有明
the telephones @ ディファ有明
ラフォーレ原宿から1年ぶりのワンマンライブ。なお、the telephonesは、リリース・ツアーなんかの時は2マンとかでやっていて、1バンドだけでやるのはこの年末のライブだけなので、他のバンドとは「ワンマン」という行為の意味合いが違う。telephonesにとって、ワンマンとは、演出や企画を色々盛り込む特別なライブ、みたいな意味合いのようです。この日もそうでした。
以下、どう特別だったか、箇条書きにします。

・会場はディファ有明。夜中のクラブイベントなんかもやっているけど、主に格闘技の会場として知られているハコ。プロレスリングNOAHの事務所、確かこの建物の中にあるはず。NOAHだけじゃなく、他のさまざまなプロレス団体や、総合格闘技や、キックなどなど、色々催されています。
なんでそこでthe telephonesが。プロレス好きなの? 違うと思う。もう20年近い昔、ここ、MZA有明という、バブリーなライブハウス兼クラブ兼ディスコみたいな場所だったのです。エムザアリアケと読みます。
当時、バブルまっさかりで、有明とか芝浦とか鈴江とかの、海に近くて家賃が安い、倉庫街みたいなエリアに、巨大なクラブだのディスコだのレストランを作るのが流行っていたのです。
……思い出した。「ウォーターフロント」だ。そう呼ばれてた、そのへんのキラキラチャラチャラしたエリア。で、telephonesは、その、バブルでディスコなイメージに惹かれてここにした、という、若い人にはちんぷんかんぷんな理由だと思います。自分たちも若いくせに。
なお、MZA有明、私がこの会社に入って間もない頃、いきなりぶっつぶれてすごくびっくりした記憶があります。

・ライブは2部構成、プラス、アンコール2回。詳しくは下のセットリストをご覧ください。1部は全員スーツ&ベスト姿で登場しました。なんかちょっと、ダブッとしたスーツ。1枚目の写真のとおりです。2部は、いつもの感じの格好でした。全部合わせて27曲。始まったの19時すぎで、すべてが終わって客電ついたの、21:50でした。

・全体に、1部はちょっとだけシック、2部はがんがんアガれ! みたいな内容。2部は、フロアとステージそれぞれの天井にミラーボールが登場(フロアの方は、当社の夏冬のフェスにも参加のミラーボーラーによる、大小のミラーボールが美しく並んだもの)。
あと、ステージ後方の壁一面がぎんぎらのテープで覆われていたり、天井までのびた何本もの柱状の照明がびかびか光ったり、本編ラストの“Love&DISCO”では天井から風船が降ってくるのと同時に、オーディエンスの上をでっかいバルーンがいくつも転げ回ったり、演出、いろいろありました。

・1部の5曲目の最後、ステージ後方に仁王立ちになったノブ(key)にCO2の噴射が。ノブ、ステージから消える。続いて6曲目が始まるも、ノブ、戻ってこず。と、2F(体育館の2F通路みたいな構造になっている。お客さんは入れない)に姿を現し、黄色いカウベルを手に下のフロアをあおりまくりながら、右へ左へ走り回る。
あと、途中とか最後とかのあちこちで、メンバーそれぞれ、フロアへダイブ。

・1部の8曲が終わった段階で、メンバー、「ありがとう、バイバイ」とステージを去る。「以上をもちまして本日の公演はすべて終了いたしました――」と陰アナが入る。みんな、「えー!?」と騒然となる。と、しばらく間をとってから「……これより、15分の休憩をはさみまして、第2部を行います」というアナウンスが流れ、オチがつく。という演出でした。あと、陰アナのおねえさん、1ヶ所かんでおられました。微妙な笑いが起きました。

・この日、恵比寿リキッドルームではTHE BAWDIESがワンマンをやっていたんだけど、それをやたらMCでネタにしていました。本編終わりだったか、一回目のアンコール終わりだったか、ステージを降りる時にノブ、「ボウディ、BAWDIESに勝ったぞー!」と、かみながら絶叫。

・新曲は3曲。13曲目はタイトルどおり、いかにもtelephonesな感じのアッパーな曲だったけど、あとの2曲は新しい感じあり。特に一番最後にやったやつは、スケールの大きな感じの、新境地といっていい曲でした。
新曲だけじゃなく、全体に、我々がよく知っている「発狂レベルのアッパーさで客を押し倒すバンド=telephones」以外の側面を、色々観れたし聴けた、そしてそれがとてもよかった、そんなライブだった気がする。

・MCは全体にぐだぐだ。古今東西ぐだぐだなMCは見慣れております、と自負する私ですら、ちょっとどうかと思うほどぐだぐだ。まあ、主に石毛が悪いんだけど、その石毛にむちゃぶりされてドラムのセイジが披露した「脱糞の物真似」という、ひどいにもほどがある芸が、さらにぐだぐださに拍車をかけた。

・石毛のMC、いくつかメモりました。
「ありがとう、楽しい。みんなで歌おう」
「俺らは、ゆとり教育のパイオニアだし……俺らは、ぐだぐだだぜ」
「やっぱぐだぐだなんだなあ。ごめんねー。謝る気ないけど、ごめんねー」
「みんな大好きです、ありがとう。きっと明日からまた人間が嫌いになるんでしょうけど、今日は大好きです」
「すげえ、なんか、愛に溢れてますね」
(“Homunculus”をやる前に)「死にたい時に書いた曲」
「生きててよかったです。ありがとうございます」
「『This is it』観た人。(何人か手が挙がる)あれ、すごい感動するね。まだ観てないからさ、DVDで観るよ」

最後のはノブですが。というような、それぞれの言葉にも表れているように、熱く激しいながらも、シニカルかつ飄々としつつやりたいんだけど、プレイしていると楽しさや喜びのほうが圧倒的に勝ってしまって、それをなんかやばいと思って、ワザとシニカルなことや暗いことを言ってみたりするんだけど(まあほんとにそういうシニカルで暗い人でもあるんだろうけど)、焼け石に水で、やっぱり楽しさと喜びの方が圧勝。そんなライブだった。
で、その楽しさと喜びが、フロアでバーストして何倍にもなっている感じだった。幸せな時間だった。

あとよかったのは……いつだっけあれ、3年くらい前かな、初めてこのバンドのライブを観た時に、「すげえ最高だけど、何度も観ると飽きるかもな」とちょっと思ったんだけど、たいっへん失礼しました! 全然そんなことありません! と謝りたくなるライブだったこと。
ファンを置いてけぼりにしないけど一ヶ所には留まらない、絶妙なスピードで変化を続けているバンドだということを、この「とりあえず今んとこの集大成」みたいな内容のライブで証明していた、the telephonesは。

あと、蛇足。
23曲目“FREE THROW”をやる前に、石毛は「すげえ大好きなDJに贈ります」と言った。で、曲が終わったあと、「みんなクラブに行っていいDJと出会ってください」とか「ロック・イン・ジャパンやカウントダウン・ジャパンにDJブースあるでしょ、そこだけじゃなくて、普段からもっとクラブで楽しみましょう」みたいなことを言っていた。
the telephonesを含む数バンドと、『FREE THROW』というパーティーをやっているDJチームが組んで、東京で、不定期で『KINGS』というイベントをやっている。つまりこの曲は、彼らの仲間である、その『FREE THROW』のために作られた曲なのです。
というのは、ファンの多くが知っているが、そもそものその『FREE THROW』というパーティーのタイトルは、DJの一人、誠人くんが、syrup16gの1stミニ・アルバムのタイトルからいただいたものです。というのは、多くが知らないかもな、と思って、書いてみました。
(文=兵庫慎司/撮影=河本悠貴)


Part 1
1 Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)
2 Monkey Discooooooo
3 Dance With You
4 Hopping Shower
5 Jabberwocky
6 Baby,Baby,Baby
7 D.A.N.C.E to the telepnones!!!
8 Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)

Part 2
9 Urban Disco
10 DaDaDa
11 fu~shit!!!
12 Wooo Hoooo
13 A.B.C.DISCO(新曲)
14 新曲(タイトル未定)
15 HABANERO
16 Beautiful Bitch
17 sick rocks
18 RIOT!!!
19 Love&DISCO

Encore-1
20 High-Ho
21 panic disorder
22 electric girl
23 FREE THROW
24 Homunculus
25 clashed mirror ball

Encore-2
26 Used Skin
27 Re:Life(新曲)
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