黒猫チェルシーホテル 別館1階(回)@ 代官山UNIT

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黒猫チェルシーホテル 別館1階(回)@ 代官山UNIT - Qomolangma TomatoQomolangma Tomato
黒猫チェルシーホテル 別館1階(回)@ 代官山UNIT - 日本マドンナ日本マドンナ
黒猫チェルシーのシリーズ・イベント。「別館」とついているのは、そもそもは渋谷チェルシーホテルで黒猫チェルシーがイベントをやる、だから「黒猫チェルシーホテル」というタイトルで始まったんだけど、今回はチェルシーホテルじゃないからだと思います。
今回のゲストは、Qomolangma Tomato、そして日本マドンナ! 大抜擢。RO69JACK09/10で優勝してCOUNTDOWN JAPANに出演した高3ふたり高1ひとりの女子高生3ピース・バンド。いきなりここに抜擢した黒猫チェルシーは偉いと思います。
以下、1バンドずつレヴューします。


日本マドンナ
SEが変わっていた。赤痢(80年代中期~95年頃まで関西インディ・シーンで活動していたガールズ・パンク・バンド)の曲、“夢見るオマンコ”。いや、この人たちのフェイバリット・バンドなんだけど、いきなりかけるか? これ。その四文字が堂々と歌われる歌詞に、案の定、一気にひくフロア。で、メンバー登場、あんな(vo&b)、そのSEに合わせてひとしきり歌い(その四文字も)、フロア、さらにひく。
でもあんな、表情を変えず、フロアにあいさつし、演奏スタート。彼女たちのレパートリーで最も静かな曲である、“Let it be”のカヴァー(あんなが日本語詞をつけたもの)を1曲目にもってくるという意外な展開。続いて“よごしたい”“村上春樹つまらない”ときて、新曲をやって。“脳内殺人者懲役死刑”を経て、キラーチューン“幸せカップルファッキンシット”をぶちかまし、そして必殺の“田舎で暮らしたい”で終わる、約25分のステージ。以上、まだ世にほとんど知られていないバンドなので、なるべくいっぱい曲名を出してみたのですが、いかがでしょうか。
全体に、とても堂々と「いつもどおり」なライブであり、何度も観ている身からしても相当いいステージだった。が、プロのバンドの企画イベントに呼ばれるなんて、しかも代官山UNITみたいなハコでやるのなんて初めてだったわけで、実は緊張していたらしく、終わったあと本人たちは「出しきれなかった」とか「手が動かなかった」とか「うう~」とか言っていました。
ただ、ウケてた。お客さんの大半がこのバンドのことを知らないわけで、演奏中はシーンとして観てるんだけど、曲が終わるとどーっと拍手と歓声がわく。それが、明らかに、1曲ごとに大きくなっていった。終わったあと、メンバーたちはいつものように自分たちで物販をやっていたが、CD-RとライブDVD(どっちもあんなが手焼きしています)、持ってきたやつ全部売れたそうです。ただし。私「すごいじゃん、完売なんて」3人「はい!」私「何枚持ってきたの?」3人「……(顔を見合わせる)」。誰も把握してませんでした。
なお、あんなとまりな(g)は、無事に高校を卒業。なので、学校の制服を着てやるのは、今日で最後にするそうです。さとこ(ds)は来月から高2だけど、どうするんだろう。

Qomolangma Tomato
実はひっさびさにちゃんと観ました。昔観た時は、ヘヴィ・ロック×ミクスチャー×オルタナティヴ×ギターロックなどなど、というふうな印象だったんだけど、久々に観たら、なんだかもうわからないことになっていました。その全部なんだけど、僕が過去に聴いたろい観たりしたことのある「その全部が合わさった感じのバンド」のどれとも違う。
つまり、とてもオリジナルなことになっていた。カオス、もう。音圧、ものすごい。前が日本マドンナだったのもあるが。
特に強烈なのが、Vocal石井成人の存在感。歌と「メロディを追ってるわけじゃないんだけどラップでもないし語りでもないし叫んでるだけなわけでもない」のミックスみたいな、不可思議なあのスタイル。さらに、間奏とかで、歌ってなくてステージで立っているだけの時も、それだけで既に「絵になっている」あのキャラクター。こんなにカリスマ性ある人だったっけ。なんていうんでしょう、なんか、やたらハンドマイクが似合う感じ。
で、歌うたび、叫ぶたび、狂気がほとばしるんだけど、そのスイッチの入り方がなんか不思議。ステージに上がる前にスイッチが入ってステージを下りたら切れるのではない、歌う瞬間にスイッチが入って歌い終わると切れるのでもない、いつスイッチが入っていつ切れてるんだかわからないんだけどとにかくスイッチが入っている、そんな感じなのです。って、わかりにくいか。とにかく、「ステージでの存在のしかた」が独特。もっと観たくなるしもっと知りたくなる、そんなライブでした。


黒猫チェルシー
約40分+アンコールの間じゅうずっと、ヘンな言い方ですが、これ、もし音なしで「観てるだけ」だったとしても、最後まで全然楽しいなあ、というライブだった。ステージ上で今起きていることからとにかく目が離せない、そういうバンドに、ライブ1回ごとにどんどんなっている、このバンド。
ルーズでラフでありつつずっしりとした澤竜次のギター、「音で暴れまわる」岡本啓佑のドラム、唸るわ叫ぶわうろつき回るわで基本的に終始好き放題やっているんだけど、やればやるほど魅力的に見えていく一方のボーカル渡辺大知。この人は「やたらスタンドマイクが似合う」タイプですね。とにかく、フロアに女の子のファンが多いのもうなずける。
あと、今回ようやく気づいたんだけど、このバンド、ベース宮田岳が要なんですね。他のメンバーはネクタイつけたり学ランはおったりしていて「ステージに出る時の衣裳」という意識があるのに、この人だけ部屋着まんまの長袖Tシャツ&てろんてろんのスウェットパンツ。他のメンバーが終始動き回り暴れ回っているのに、ひとりだけほぼ微動だにせず、ただじっとベース弾いてるだけ。なんだけど、すっごい音を出している。太くて、ごつくて、重い、地に根を張り巡らせるようなプレイ。だから他のメンバーが好き放題できるのか。そういえば、OKAMOTO’Sも、ベースのハマ・オカモトの「異様に上手い」プレイがバンドの要になっている。今の10代バンドはベースがキモなのか。とか思ってしまうほどでした。
なお、新曲も2曲披露。いずれも、あきれるほど何の芸もない、「あ、このパターンか」みたいな古式ゆかしいロックのフォーマットにのっとっているのに、このバンドがやるとやたら新鮮でピカピカになる、という、理想的なものだった。どんどん動員増えてるけど、この先まだまだ増えると思う。

MCで言ってたけど、今日のこのブッキング、仲いいバンドとかを呼んだんじゃなくて、面識ないけど気になっているバンドにオファーして、こういうメンツになったそうです。正しいと思う。次回も楽しみにしてます。(兵庫慎司)
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