アルバムの冒頭を飾る“Heavy POLYSICK”をSEに3人が登場し、超ハイテンションのハヤシが「トイス!!!」と叫ぶと、オーディエンスも気合いたっぷりに「トイス!!!」と返す。そのまま“How are you?”へ雪崩れ込むと、フロアは待ってました!とばかりにモッシュとダイブが入り乱れる熱狂空間へと化していった。もちろんステージ上の3人だって負けていない。超速ビートをサイボーグのように叩き出すヤノ、豪快に髪を振り乱しながらバッキバキのビートを刻むフミ、そしてギター~キーボード~エフェクターの間を駆けずり回りながらクレイジーな音を鳴らすハヤシ。まるで何かにとり憑かれたかのようにハガネのグルーヴを放っていく3人の、なんと頼もしいこと。新曲はもちろんのこと、3人編成になったことでさらに原始的なエネルギーを高めた過去の楽曲の爆発力も、凄まじいものだった。
ライブ終盤は“シーラカンス イズ アンドロイド”“URGE ON!!”などの人気曲を矢継ぎ早にブチかまして本編終了。アンコールではリリース前にもかかわらずポリの新たなアンセムとして浸透している“Let’s ダバダバ”、必殺のキラーチューン“カジャカジャグー”などを連射。さらに続いたダブルアンコールでは新曲“Smile to Me”“BUGGIE TECHINICA”でフロアを大きく揺らして全28曲2時間強のステージを電光石火で駆け抜けた。
「今回のアルバムのテーマは、自由。とにかくおもしろそうなこと好き勝手やろうと思って作ったんだよね。そしたらこんなにも初期衝動あふれるアルバムが出来ちゃった。これでまた、自由な発想で新しいこと出来ちゃうなって気がするんだよね」
ライブ中、このようなことを何度も話していたハヤシ。それが本心のものであることがよくわかる、素晴らしいライブだった。カヨというバンドにとって大きすぎる存在の卒業によって「できなくなったこと」に目を向けるのではなく、今この3人で「できること」を全力で考え抜いてカタチにする。そうすることで、かつての自分と比べるのもヤボと思えるくらいに新たなバンドに生まれ変わったPOLYSICSは、つくづく偉大なバンドだと思う。そしてその健全で前向きな姿勢がある限り、彼らの未来は何があっても磐石だとも思う。14度目のハッピー・バースデーを経て、ここからまた新たなポリの季節がはじまる。(齋藤美穂)
1. Heavy POLYSICK
2. How are you?
3. PLUS CHICKER
4. Boil
5. Bleeping Hedgehog
6. XCT
7. Mach肝心
8. Much Love Oh! No!
9. 踊れHeaven
10. Digital Coffee
11. Rock Wave Don’t Stop
12. Go to a Strange City
13. スリーオースリーオーマーン
14. Boy’s Head
15. Don’t Cry
16. 機械食べちゃいました
17. Jumping Up and Clash
18. Beat Flash
19. Young OH! OH!
20. Pike
21. シーラカンス イズ アンドロイド
22. URGE ON!!
23. Shout Aloud!
アンコール1
24. Let’s ダバダバ
25. カジャカジャグー
26. Electric Surfin’ Go Go
アンコール2
27. Smile to Me
28. BUGGIE TECHINICA