the telephones @ SHIBUYA O-EAST

「アー・ユー・ディスコ!?」
石毛(Vo/G)の大絶叫でフロアに巻き起こった、耳をつんざく超ド級の大歓声! ここ2・3年、ずっと大躍進しっぱなしのダンスフロアモンスターthe telephonesによる、『We Love JAPAN!!! Tour - season 2 -』。全国22箇所を回った、昨年の『We Love JAPAN!!! Tour』で行けなかった場所を巡るというコンセプトで行われている対バンツアーである。本日はゲストにkilling Boy、曽我部恵一BANDを迎えてのツアー中盤戦、SHIBUYA O-EAST公演。なお、まだまだツアーは続きますが、本レポートにはセットリストやMCの内容が掲載されていますので、これからツアーに参加される方はネタバレにご注意ください。

定刻になって現れたのは、昨年末の本格始動以来、目下精力的に活動中の、木下理樹(Vo/G)と日向秀和(B)の新プロジェクトkilling Boy。木下の描く鬱屈したシューゲイザー的な世界観をたたえた歌と、ひなっちの激しく蛇行するベースが真っ向からぶつかり合う、ひどく内省的で、同時にひどく肉体的な、新しいダンス・ミュージック。かつて2人が共に在籍していた初期アートとも、現在のそれぞれのバンドとも明らかに異なるスリルに満ちた立体的な音像に、奇妙な高揚感が体の芯から止めどなくわき起こってきたアクトだった。

続いては曽我部恵一BAND。ステージ中央にギュッと寄り集まってかき鳴らされる、場所を選ばず、人を選ばず、聴く者全てを1人残らず笑顔に変える、魔法のようなロックンロール。その輝きは、いつまでも褪せない。…というよりもここにきて、ますます眩しくなってきている印象すら受ける。中盤に披露された、「今日はこの曲をやりに来ました。今日呼んでくれたthe telephonesに捧げる曲です」というMCからの“テレフォン・ラブ”でのフロア中を巻き込んだ大合唱が、そのことを饒舌に物語っているかのようだった。

そして開演からおよそ1時間半が過ぎ、非っ常に贅沢なゲストアクトを終えて多幸感が充満する会場に、お馴染みのカラフル・アフロのカツラを着けた石毛と涼平(B/Cho)、地毛がアフロの誠治(Dr)、そしてTシャツが肘の辺りまではだけたノブ(Syn./Cho)が登場! 「今こんな感じ(先日の震災のこと)だから、この後何が起こるかわからない。だから後悔のないように踊ろうぜ! アー・ユー・ディスコ!? カモン渋谷ー!!」という石毛の大絶叫から、キックオフ・ナンバーの“I Hate DISCOOOOOOO!!!”へ。ヘヴィなイントロを終える直前の石毛の「踊れー!!」というコールを合図に、最後方までぎっしりと人で埋め尽くされたフロアのテンションが大爆発! O-EAST内の体感温度が瞬く間に跳ね上がっていくのがよくわかる。

その後も新曲“Punk Is Not Heavy Metal”のゴリゴリとしたソリッドな轟音や、カオティックに展開していく“Shit!Shit!!Shit!!!”の脳裏を突き抜ける高音ボーカルで、開始から狂乱状態で爆音を貪るオーディエンスを散々に焚き付けてから本日最初のMCへ。「埼玉の北浦和から来ました、渋谷という街が昔憧れでした、the telephonesです!」という石毛の挨拶から、ノブが「渋谷が好きな3つの理由」というテーマで、いくら何でもエキセントリックにも程があるMCをぶちかまし、会場から笑いがおこる。曰く、「まずはひとつ目、渋谷は日本の最先端! ふたつ目! 交通手段が多い! そしてみっつ目! 今日SHIBUYA O-EASTに来てくれたみんな、I LOVE YOU!!」だそうだ(!)。

エレクトロ・サウンドが前面に飛び出した楽曲が揃った中盤のブロックを抜けて、「今日はみんなを踊らせにきた! ガチでマジでスーパーなダンスタイムです!」という石毛のMCから始まった、「渋谷センター街バージョン」の“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!”から、怒濤の勢いでライブが加速。ノブがカウベルを持ってステージを駆け回った初期の楽曲“panic disorder”、石毛の「飛べ渋谷ー!!」というコールに大ジャンプが起こった“electric girl”を経て、本日2曲目となる新曲“White elephant”をプレイ。誠治の叩く野性的なビートの中で、パキッと立ったリフのメロディ。そしてクライマックスで乱入してくるノブのシャウトがオーディエンスを片っ端からアゲ倒す、いつも以上にヘヴィ・ロックモードに振り切れた楽曲だった。

序盤からひたすら上昇軌道を描き続けてきたフロアのテンションが“Monkey Discooooooo”で最高潮を迎えると、「東北や北関東に届くようなディスコを叫ぼうぜー!!」と、ライブ恒例の「we are DISCO!!!」コールへ。そして、会場にいる一人あたり1.5人分くらいの声量の、特大級のディスコ・コールからのクライマックスは“Urban Disco”! 開始直後のノブのダイブに煽られ、ますます収集不可能のダンス地獄となったフロアに向けて、メンバー全員が最後の最後まで猛烈な勢いで爆音を叩き付け、狂騒渦巻く壮絶なライブ本編が終了。

場内の割れんばかりの拍手に応えて行われたアンコールでは、「日本が大好きと思いながら、愛を歌ってもいいですかね! みんな、音楽は自由なんだよ。きっと東北にも届くよ! 踊ろう!」という石毛のMCから“LOVE&DISCO”をプレイ。曲中、天井に吊られたミラーボールに光が集まるドラマティックな演出で、会場が最高の雰囲気に包まれる。そしてラストは“Drums, Basses, Guitars, Keys, And Your Love And Voice.”の大合唱で大団円。その後は今日の出演者全員をフロアに呼んで、「we are DISCO!!!」というかけ声と共に記念撮影。出演者が続々とステージを後にしていく中、ノブが一人ステージに残り、現在まで続く彼らの躍進のきっかけとなったのが、3年前のO-EASTでのライブだったということで、(ぎこちない)ドラムソロで“きっかけはO-EAST”という30秒くらいの曲を披露。フロアに生暖かい空気を送り込んで、満足げにステージを去っていった。

アンコール中のMCでは、本ツアー後に行われる『We Love JAPAN!!! Tour - season 3 -』、ZEPP TOKYOでのファイナル公演のゲストが{alink id=235 name="BIGMAMAに決定したことと、そしてなんと、彼らが毎年年末に行っているワンマンイベントを、今年は『SUPER DISCO Hitsファイナル -そして伝説へ-』と題し、さいたまスーパーアリーナで行うことを発表! 『We Love JAPAN!!! Tour - season 2 -』はまだまだ続くし、その後も大バコでの『season -3 -』を控えているものの、少し気が早いかもしれないが、「we are DISCO!!!」コールが彼らの地元埼玉に高らかに響き渡るのが、今から楽しみで仕方がない! バンド初となるアリーナライブで、今後の音楽シーン全体を明るく照らすミラーボールの輝きを見せてくれ、the telephone! 見せて下さい!(前島耕)

[セットリスト]
1. I Hate DISCOOOOOOO!!!
2. My Girl
3. Baby,Baby,Baby,
4. Punk Is Not Heavy Metal(新曲)
5. Shit! Shit!! Shit!!!
6. A.B.C.DISCO
7. 2010
8. My Final Fantasy
9. kiss me, love me, kiss me
10. SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
11. panic disorder
12. electric girl
13. White elephant(新曲)
14. HABANERO
15. Monkey Discooooooo
―we are DISCO!!!―
16. Urban Disco
アンコール
17. Love&DISCO
18. Drums, Basses, Guitars, Keys, And Your Love And Voice
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