もはや鉄壁の布陣と言えるAkila(G)/K5(G)/SAMBU(Dr)のラインナップとともにオン・ステージした難波章浩。いきなりハイスタ“Turning Back”を炸裂させた瞬間から、我先にと踊り跳び拳を突き上げる満場のオーディエンスから怒号のような歓声が! さらに“JUMP!JUMP!!JUMP!!!”“STARTING OVER”“MY WAY”といった必殺パンク・ナンバーに加え、“TILL I DIE”“LEVEL 7”“WILD AT HEART”のみならずダフト・パンク“ONE MORE TIME”カバーも含めた『WILD AT HEART』の収録曲を、ずっと前から僕らとともにあったアンセムのような誇らしい高揚感とともに放射! 何より、“輝く日々”“PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT”といったソロ曲も、“NEW LIFE”“STAY GOLD”などハイスタ曲も、それこそ「キャリア」とか「方向性」とかいったディテールをすべて吹っ飛ばした次元で、紛れもない「『今、ここ』での闘争のパンク・ロック」そのものとしてでっかく響いていたのが嬉しかった。そして……それは取りも直さず、難波自身の「今」に向き合うアティテュードが生んだものである。それが誰の耳と目にも伝わるアクトだったということだ。
何度も両腕を突き上げ、フロアに迫り、「マジヤバい!」を連発しながら、「どんどんエネルギー発散していきたいと思ってるから! 9・18、そして来年は東北でAIR JAM!」とひときわポジティブで攻撃的なビートとともに“WILD AT HEART”を歌い上げ、「みんなで行こうぜ、未来へ! 踊ろうぜ、未来へ!」と“未来へ”をぶっ放し……と、どの曲のどの瞬間を切っても切実なメッセージしかないような本編17曲はあっという間に終了。アンコールでも、パタパタと鳥のように腕をひらめかせながら登場したかと思えばスピーカーによじ昇ってみせる難波、「みんなに翼をあげたい!」と“GET YOUR WINGS”、「届けよう、仙台に、福島に! 超でかい声で歌って!」と“TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS”の激烈シンガロングへとクアトロを導き……アンコール終了。
しかし、アンコールの声は鳴り止む気配微塵もなし。再び現れた4人、「俺もがんばるから、みんなで日本を盛り上げよう!」と“LOVIN' YOU”でさらに会場の温度を上げ、「最後、みんなで踊ろうぜ!」とピッカピカのナンバー=“Hawaiian Roller Coaster Ride”でフロアを揺らしたところに再び“Turning Back”投下! Akila、K5、SAMBUがそれぞれクラウド・サーフをキメる中、難波がギターを構えてハイスタ“Brand New Sunset”を弾き語り、「この曲をまたみんなでやれることを楽しみにしてます! がんばれー!」のコールに、うおおおおと大歓声! やがてSEの“Mosh Under The Rainbow”の中、難波もクラウド・サーフに身を任せ終了……と思いきや、またもステージに再登場して“WAIT FOR THE SUN”! パンクの夜は終わらない――そのことを身をもって体現するような、最高の一夜だった。(高橋智樹)
セットリスト
01. TURNING BACK
02. JUMP! JUMP!! JUMP!!!
03. TILL I DIE
04. STARTING OVER
05. MY WAY
06. CALIFORNIA DREAMIN'
07. LEVEL 7
08. ONE STEP INTO FREEDOM
09. DON'T GIVE UP ON YOUR LIFE
10. 輝く日々
11. NEW LIFE
12. STAY GOLD
13. PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT
14. WILD AT HEART
15. WAITING FOR YOU
16. ONE MORE TIME
17. 未来へ〜It's your future〜
アンコール
18. GET YOUR WINGS
19. TAKE ME HOME,COUNTRY ROADS
アンコール2
20. LOVIN' YOU
21. Hawaiian Roller Coaster Ride
22. TURNING BACK
23. Brand New Sunset
アンコール3
24. WAIT FOR THE SUN