back number @ SHIBUYA O-EAST

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back numberのメジャーファーストアルバム『スーパースター』のリリースツアー、「スーパーツアー」の東京公演。はじめから終わりまで、会場となった満場のO-EASTを覆っていたのは、お互いがお互いを全力で想いながら、支え合いながら立っているかのような、バンドとオーディエンスの力強い連帯感だった。あたたかい気持ちで胸がいっぱいになったライヴだった。

※本レポートにはセットリストやMCの内容が記載されています。ツアー最終日=22日(木)の福岡公演に参加予定の方は、ネタバレにご注意ください。

定刻になり、場内が暗転。黒地に白文字でバンドのロゴがあしらわれたシンプルなバックドロップが掲げられたステージに、続々とメンバーが登場。巻き起こる大歓声の中、ギターを抱える清水依与吏(Vo/G)の右手が勢い良く振り下ろされ、オープニング・ナンバーの“こぼれ落ちて”が立ち上がると、フロアの手がいきなり高く突き上がる。続いては、栗原寿(Dr)の4つ打ちのリズムで“半透明人間”をダンサブルに展開。その後も「ようこそスーパーツアーへ! まだお休みじゃございません!」という清水の挨拶を挟み、“海岸通り”“リッツパーティー”とアップ・ナンバーをたたみかけていき、清水の口から発せられる切なすぎる曲の歌詞とは裏腹に、序盤のフロアは徐々に熱気を帯びていくのであった。

「ツアーがいい感じにできています。『スーパースター』というアルバムが出て、これだけの人に届いて、本当にありがたいなって思っています」。そんな清水の率直なMCの後に披露されたのは、アンセミックなバラードナンバー“stay with me”。全ての報われない恋を優しく抱きしめる清水の歌と、クリーンなギターサウンドを中心に据えた繊細かつ壮大なアンサンブルが、場内に感傷的なムードを呼び起こす。そして“西藤公園”“チェックのワンピース”と、しっとりとしたスロウ・ナンバーに彩られた中盤のブロックへと踏み入っていく。オーディエンスも次第にback numberの世界観にどっぷり浸かってきたようで、これまで曲が終わった際にフロアに起こっていた歓声が、この頃を境に噛み締めるような拍手へと変わっていった。

「今日はもう最初から一人一人の顔にやられて、俺がなんか肩の力張って『やってやるぞ』とか『勝負してやる』とかそんなことを思ってたのが馬鹿らしくなっちゃうぐらいみんながすごい受け入れてくれて。(中略)今日はここにいる一人一人のおかげでこれからまた音楽が作れると思うと、嬉しいなって思う反面……いろいろ余計なことまで考えてしまう馬鹿な男だなって思います。涙が出るほど嬉しい、本当に来たかった場所なんですけど。もっと強気の言葉で、自分の迷いなんてどこにもないですって感じでいたかったけど…」。9曲目の“花束”を終えた後のMCで清水は、メジャーデビュー以降、加速度的に膨れ上がっていくバンドの規模に対する喜びと感謝、そして不安と迷いを語った。続く“電車の窓から”の後に「さっきのMCは良くなかったかな!」とはぐらかされてしまったが、まとまらないままの感情が、感極まって思わず口をついて出てしまったのだろう。対外的な成功を掴みつつあっても、清水は今もなお、楽曲の中で歌われているような大きな孤独や喪失感の中でもがいている最中なのかもしれない。そして気を取り直して、力強いギター・ストロークで“幸せ”“思い出せなくなるその日まで”と繋いでいき、“あやしいひかり”でフロアに再び熱気を取り戻してから、“スーパースターになったら”でひとまず本編はフィニッシュ。

割れんばかりのハンドクラップで迎えられたアンコールでは、“はなびら”と“そのドレスちょっと待った”の2曲を披露。途中で清水の「届けたい!」という感情だけが先走ってしまい、何度か歌詞が飛んでしまうアクシデントがあったが(「生まれてはじめてだよこんなの!」と、清水本人も驚いていました)、フロアに起こった巨大なシンガロングに助けられ、なんとか最後までライヴを完遂。「ありがとうございました! また会いましょう! もう気持ち男らしくなって帰ってきます!」とリベンジを宣言し、ステージを後にした。

なお、back numberは今月22日の福岡DRUM Be-1で本ツアーを締めくくった後、来年3月には全国9ヵ所を回るワンマンツアーを行うことが決まっている(ファイナルの会場はSHIBUYA-AX!)。度々後ろを振り返ったりしながらも、それでも着々とスーパースターへの階段を上っていく彼らの今後に期待したい。(前島耕)

[セットリスト]
1. こぼれ落ちて
2. 半透明人間
3. 海岸通り
4. リッツパーティー
5. stay with me
6. 西藤公園
7. チェックのワンピース
8. はじまりはじまり
9. 花束
10. 電車の窓から
11. 幸せ
12. 思い出せなくなるその日まで
13. あやしいひかり
14. スーパースターになったら
アンコール
1. はなびら
2. そのドレスちょっと待った
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