氣志團 @ Zepp Tokyo ゲスト:DJ OZMA

今年メジャー・デビュー10周年を迎えた氣志團の対バンシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール」。今年5月から足掛け7ヶ月にわたって29組のゲストとタイマンを張ってきた、そのラストバトルが今夜である。栄えある最後の対戦相手は、なんとDJ OZMA! これまでもライブ1本ごとに対バン相手のネタを仕込んだ寸劇をやったり、相手の曲をカヴァーしたりと、「1本のライブにここまでやるか!」というぐらい手の込んだホストっぷりで氣志團にしかできない対バン企画を実現させてきた彼らだけど、相手がDJ OZMAとなるとワケが違う。もはや、どちらがホストでどちらがゲストなのか!? 毎回アンコールで行ってきた、対バン相手との共演はどうなるのか!? というわけで、1階のスタンディングフロアから2階の椅子席までギッチギチに埋まったZepp Tokyoは、開演前からものすごい熱気である。
なお、2戦目の6月28日・渋谷O-EAST・w/毛皮のマリーズ(http://ro69.jp/live/detail/53869)、9線目の8月19日・Zepp Tokyo・w/ユニコーン(http://ro69.jp/live/detail/56615)もレポートしています。あわせてどうぞ。

19時10分、総合司会・茂木淳一の開会宣言でライブスタート。先攻はDJ OZMA。DJ OZMAとしては芸能界引退を発表した2008年以来、3年ぶりのライブとなるわけで、初っ端からアゲにアゲまくる展開に。ステージ前の黒幕が開いて黒装束を脱いだDJ OZMA、PANCHO、夜王”KING”純一が姿を現すなり、場内のボルテージは一気に頂点へと上り詰める。2曲目“超”では大量のダンサーも登場し、さらに華やかさを極めていくステージ。3曲目“アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士”までノンストップで駆け抜けて、未曾有のパーティー空間を築いていく。

2階椅子席までもダンスフロアに変える曲の威力はもちろん、随所で挟まれるネタも出し惜しみなし。2代目DJ OZMAがいきなりの引退宣言をしたり、FREE CHING BROTHERSとFREE CHING ORCHESTRAによる「下着のない音楽会(全裸っぽい格好のPANCHO、KINGらがアソコで鍵盤を弾く態で映画『菊次郎の夏』のテーマを演奏しておりました・笑)」があったりと、DJ OZMAがステージを降りている間もなお、フロアを爆笑の渦に巻き込んでいく。ちなみに、この日はWOWOWでライブ生中継中。放送コードギリギリと思える下ネタ満載の演出は、観ていてハラハラするほどでした。

“MATSURI”で幕を開けた後半は、“純情~スンジョン~”で再び絶頂へ。「ウォーオオ! ウォーオオ! ウォーオオオオオオー!」の雄叫びとともに足を上げまくるダンスで自分を追い込みまくったDJ OZMAは、「この後の氣志團、特にフロントマンはもう何もできねーぜ! 足腰が立たねー」とポロリ。ラストの“珍魂歌”ではウチワで下を隠した全裸の男性ダンサー、AKB48→KARA→少女時代をパロった女性ダンサーが次々と現れて、約70分のアクトを華々しく締めくくった。

転換中には、2階袖にDJブースを構えた「DJミッツィー申し訳」のパフォーマンスを経て、「楽屋突撃レポート!」なる中継映像を公開。あまりにもネタが多すぎて途中グダグダな部分もあったけど、労力や効率を無視して悪ノリ感のみで突っ走る馬鹿馬鹿しい演出が、もう死ぬほどおもしろい。とことん笑わせてもらったあとに時計を見ると、すでに21時を過ぎていてビックリ! 予想はしてたけど、まさかここまでネタがてんこ盛りとは。ここから後半戦に折り返すなんて、翔やん、そしてオーディエンスのスタミナは持つのか!?

……と、そんな不安をよそに後攻・氣志團のライブがスタート! SE“BE MY BABY”に乗ってステージに現れるなり、長ラン姿の6人は“房総スカイライン”→“ゴット・スピード・ユー!”→“キラキラ!”をノンストップで畳み掛けていく。真夜中のハイウェイを爆走しているかのような、太く強靭なグルーヴをうねらせていくバンドメンバー。キレキレのダンスを披露する翔やん&光。そして、「まだまだいけるだろ!」という翔やんのアジテートに必死で食らいつくオーディエンス。まるで開演直後のような熱気に満ちた、ストイックかつ気迫あふれるパフォーマンスで、DJ OZMAが築いた煌びやかなムードは一気にダークに塗り替えられてしまった。

「俺たちの思いはたったひとつ、ここにいる皆をピリオドの向こう側へ連れて行くぜ! 略して、“イコビリー”」とオーディエンスとコール&レスポンスを展開した後は、“Baby Baby Baby”へ。続いて「ちょっとだけ早いけど、メリー・クリスマス」と氣志團のクリスマス・ソング“SECRET LOVE STORY”へ突入し、ダンサーも入り乱れての開放的なエンタメ空間が築かれていく。そして“愛 羅 武 勇”をしっとりと歌い上げた後は、「俺たち、もっとビッグになって帰ってくるからよー!」という宣誓から“高校与太郎組曲~喧嘩ボンバー~”へ。実は今回の対バンシリーズでいちばん破壊力のあるネタが仕込まれていたのがこの曲であり、スタッフに肩車をされて3メートルぐらいになった長ラン姿の翔やん&光が「オリオリオリオー!」とステージ両袖から現れるさまがオーディエンスの度肝を抜いていたんだけど、今夜もその演出はバッチリと決まっていた。マツが曲間で繰り出すバッキバキのベースソロ、「早速だけどビッグになって帰ってきたぜー!」と叫ぶ翔やん、最高にカッコよかったです。

ランマがヴォーカルを執る“オールナイトロング”で小休止した後は、“俺たちには土曜日しかない”“One Night Carnival”とキラーチューンを連打。互いのエネルギーをぶつけ合うように一心不乱にダンスするステージとフロアの一体感がハンパない。そして本編ラストは“MY WAY”。来たるメジャー・デビュー11年目を明るく照らし出すような爽快なロックンロールを走らせて、約70分のステージを終えた。

毎回「対バン相手の曲を2バンドで披露する」という趣向で行われてきたアンコールでは、氣志團が演奏する“マッチ棒”に乗って、まずはDJ OZMAが登場。白スーツにグラサン姿のOZMA、必死にフロアにアピールしているけど何処か違和感がないか!?……と思いきや、なんとステージ後方から翔やんが登場! 実はDJ OZMA役を担っていたのは、先ほど引退宣言をした2代目DJ OZMAだったというカラクリ。そんなわけで、翔やん&DJ OZMAの奇跡の2ショットが実現したわけだけど、映像などを駆使せず、こういう苦し紛れの演出でこの場を乗り切りオーディエンスの突っ込みを誘うあたり、氣志團の笑いに対する貪欲さには頭が下がる。微熱DANJIの二階堂腱ヂがステージに乱入して「いつまでそんな茶番を続けているんだよ! 僕は知っているんです、DJ OZMAはここにいる綾小路翔です!」と暴露するオチまで、鉄板の流れでした。そしてラストは2バンドで再び“アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士”を披露して大団円。時刻は22時50分。4時間に迫る長丁場であるにもかかわらず、一瞬たりとも目を離すことができない特濃のアクトだった。(齋藤美穂)

セットリスト
【DJ OZMA】
SE. I ♡ PARTY PEOPLE
1. HAPPY SONG
2. 超
3. アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士
4. MY WAY
5. SPIDERMAN
6. FREE CHING BROTHERS
7. FREE CHING ORCHESTRA
8. 白い童話
9. One Night
10. MATSURI
11. 純情~スンジョン~
12. Together
13. 珍魂歌

【氣志團】
1. 房総スカイライン
2. ゴッド・スピード・ユー!
3. キラキラ!
4. Baby Baby Baby
5. SECRET LOVE STORY
6. 愛 羅 武 勇
7. 高校与太郎組曲~喧嘩ボンバー~
8. オールナイトロング
9. 俺たちには土曜日しかない
10. One Night Carnival
11. MY WAY
アンコール
12. マッチ棒
13. アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士
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