オープニングから面食らった。最新アルバムでも1曲目を飾る“Rock Steady”をリズミカルに鳴らしたかと思いきや、1stアルバム収録曲の“レディース&ジェントルマン”をすかさず投下。さらに“ふぁっきゅー”“WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!”と畳み掛け、ダークなメロと挑発的なリリックが飛び交う獰猛なロックンロールでフロアを大きく揺さぶっていく。まるで最新アルバムの流れに逆らうような、スリリングなオープニング。しかし、そんな人を食った展開がなんとも彼ららしい。最新アルバムからの直球ラブソング“だからボクのそばにいて”、祝祭的な音のシャワーが降り注いだ“あーあ”を挟みつつ、このアグレッシヴな流れは9曲目“アナーキーサヴァイヴァー”まで継続。気づけばソリッドなロックンロールで手加減なしに攻め立てるメンバーと、揉みくちゃになって踊り狂うオーディエンスとの間には、背徳的な共感関係がガッチリと結ばれていた。
“TOP OF THE FUCK’N WORLD”で幕を開けた終盤は、再びどす黒いグルーヴが渦巻くミイラズ・ワールドへ。バキバキのリフとビートが爆発し、ステージ照明がギラついた光を放つ中、フロアはモッシュとダイブが入り乱れるカオティックなダンス空間へと化していく。“最後に笑うのは誰?”をエモーショナルに歌い上げた後は、“ラストナンバー”を焦燥感たっぷりに掻き鳴らしてクライマックスへ。「今日は近くにでっかい観覧車があるから」と投下された“観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは”、本編ラストを飾った“言いたいことはなくなった”、そのどちらもオーディエンスの感傷とシンガロングを誘うアンセムとして壮大に鳴っていて、エモーショナルな光景を描いていた。
アンコールでは、“僕はスーパーマン”“check it out! check it out! check it out! check it out!”“Canのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい”を激しくブチかまして大団円。メンバーが去った後もしばし鳴り止まないアンコールに迎えられて再びオン・ステージしたダブル・アンコールでは、“ミラーボールが回りだしたら”を疾走感たっぷりに掻き鳴らし、巨大なミラーボールの輝きでZepp Tokyoを満たしてライブを締め括った。
バンド史上最大とも言える転換作を引っ提げた全国ツアーのファイナル。であるからして、どれだけ新たなミイラズに出会えるかと思いきや、蓋を開けてみればいつも以上に「ミイラズらしいミイラズ」の姿が見て取れた、2時間弱のアクトだった。もちろん、どこまでもポップに弾けていく最新アルバムの曲や新曲には、かつての彼らの楽曲にはなかった明確なポジティヴィティや開放的なムードに満ちているのは事実。しかし、「今、伝えるべきこと」を膨大な量の言葉と音で全力で伝えようとするミイラズのスタイルは、今も昔も変わってはいない。新曲も過去曲も出し惜しみなしに披露された今夜のアクトでそれがよくわかったし、聴き手の胸をダイレクトに揺さぶるストレートなロックンロールを新たに手にしたことで、そのメッセージ性はより強靭なパワーを持ち始めたことをも窺わせる、最高のライブだった。アンコールでは、「秋ぐらいには何か(作品を)出して、また来年にツアーやりたいと思います」と宣言した畠山。ミイラズの次なる一手が、早くも待ち遠しい。(齋藤美穂)
セットリスト
1.Rock Steady
2.レディース&ジェントルマン
3.ふぁっきゅー
4.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
5.だからボクのそばにいて
6.あーあ
7.正式にはフランケンというのは博士の名前である
8.なんだっていい
9.アナーキーサヴァイヴァー
10.ハッピーアイスクリーム
11.朝、目が覚めたら
12.oh! baby!
13.この世でDANCE!
14.I don’t know
15.i want u
16.気持ち悪りぃ(新曲)
17.TOP OF THE FUCK’N WORLD
18.Let’s GO!
19.Make Some Noizeeeeeeeeeeee!!!!
20.ハイウェイ☆スター
21.最後に笑うのは誰?
22.ラストナンバー
23.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
24.言いたいことはなくなった
アンコール1
25.僕はスーパーマン
26.check it out! check it out! check it out! check it out!
27.Canのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
アンコール2
28.ミラーボールが回りだしたら