メンバーが一斉に華々しいコーラス・ワークを浴びせかける“RIGHT NOW”を合図として、まるで渦を巻くように猛烈にモッシュ&クラウド・サーフが繰り広げられる歓喜のフロア。ここから『GREATEST HITS!?』の全曲、『BACK 4 GOOD』からも数曲、そして唐突に繰り出されるファスト&ショートなナンバーの数々という、まさにベスト・オブ・G4Nなステージになった。この日の関東は、ただでさえ梅雨の気配をひしひしと感じさせる高い湿度に見舞われていた(翌9日に梅雨入りと発表)が、それに加えO-EASTはパンク・キッズの汗と熱気でムンムンである。
“Turning”で閃光のごときライトハンド奏法を披露していたU-tan(Vo./G.)が、「オイッスー!! オイッスー!!」といかりや節挨拶で景気良くファーストMCに繋ぐ。「今日は、数あるライヴの中からO-EASTを選んでくれてありがとう! 3月に始まったツアーも遂にファイナルってことで、最後まで飛ばしてくんでよろしくお願いします!」とすぐさま次の楽曲に向かうのだった。大勢のオーディエンスを引き摺るように力強く爆走する“Opportunity All Around”、ステージ中央で大人しくプレイするはずもなく飛び回っているTANNY(Vo./G.)との、華麗なツイン・ヴォーカルが交錯する“WE CAN GO EVERYWHERE”。いくらベスト盤ライヴとはいえ、このダレ場のなさ、メロディック・パンクとしてのフックの引き出しの多さは改めて凄い。
がっちりと練り込まれたバンド演奏、そして緊迫した集中力の中から弾き出される呼吸。ライヴ・バンドとしてのG4Nのこうした地力の高さは、普通に考えたらメンバー間の互いに互いを限界まで追い込むような切磋琢磨の積み重ねによってしか生まれ得ないものだ。10年を軽く越えるキャリアの中ではおそらくそのとおりのことが行われてきたはずなのだが、彼らのステージではそれも含めて、高いレヴェルで「遊んでいる」ヴァイブレーションを強く感じる。生身の人間が正面衝突してしのぎを削る活動も、もともと幼馴染みの遊び友達から始まったバンドの延長なのだと。そんな楽しさが、ステージ上においても視覚的にももろに表れていて、惹き込まれてしまうのである。
MCの最中に「先週の日曜日、なにしよったん?」「日曜日? Sunday?」といった前フリからいきなり“Sundays”といったファスト・ナンバーに傾れ込むのも楽しい。“1.2.3...”が《イー、アル、サン、スー》と歌われてしまうあたりはさすがに中国帰りだ。U-tanとTANNYがアコギを抱え、2人きりで“Count To Four”を披露する一幕も盛り込まれていた。“Life Will Be Fun”はメロディが際立つ弾き語りでスタートし、途中からリズム・セクションが加わるというダイナミックな展開へ。弾き語りは中盤の休憩タイムという親切設計でもあったのか、“RULE OF A SELFISH GUYS”や“PASSAGE OF TIME”ではジャンプにモッシュにシンガロングと、完全に体力を回復させて応酬するオーディエンスである。「やばい、うれション出そうや」とTANNY。
またもやファスト・チューンが盛り込まれたMC。SUNE(Dr.)がカウントにフェイントを織り込むような茶目っ気も覗かせる。やはり、真剣勝負の遊びなのである。U-tanはメンバーとの出会いを振り返りながら、「こうパッと横見たら、まだまだ夢の途中やけど、幸せやなあと思ってね。今日初めてきた人もちらほらいるみたいやけど、夢のかけらを持ってってね」としみじみ語っていた。MAKKINが異様な湿気の海をスーイスーイと気持ち良さそうに泳ぐ素振りも見せて、チャーミングなメロディが弾ける“LET'S DRIVING THE SEA SIDE”へ。“Stick With Yourself”では、フロアで無数の肩車がブレイクダウンしてゆくさまが壮観であった。さすがに最後はU-tanもTANNYも少し喉がキツそうだったけれど、新曲だろうか、賑々しいコーラスのリフレインが映える“Broken Radio”で本編フィナーレを迎える。やり切った感がしっかり伝わってくるパフォーマンスであった。
SET LIST
01: RIGHT NOW
02: J.C.
03: Maximize
04: Perfect Future
05: Turning
06: Opportunity All Around
07: Let's Make The Future
08: WE CAN GO EVERYWHERE
09: KEEP YOUR FACE UP
10: I'm Free!
11: It's My Paradise
12: SOUL ALIVE
13: Let's Go
14: PUNK ROCK IS MY LIFE
15: LIFE IS SUCH ONE
16: Sundays
17: 1.2.3...
18: WON'T
19: Home
20: Count To Four (ACO)
21: Life Will Be Fun (ACO)
22: CALLING MY NAME (ACO)
23: RULE OF A SELFISH GUYS
24: PASSAGE OF TIME
25: 27
26: Never Too Late
27: Flying high
28: LET'S MEET TOGETHER AGAIN
29: LET'S DRIVING THE SEA SIDE
30: M×S×N
31: Stick With Yourself
32: In The Mosh Pit
33: Cause You're Alive
34: Broken Radio
encore
01: So long
02: HELLO 61
03: Get a "FORTY"
encore-2
01: Life Will Be Fun
02: Drive or Scrap?