Nothing's Carved In Stone @ Zepp DiverCity Tokyo

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Nothing's Carved In Stone @ Zepp DiverCity Tokyo
「皆のくだらない日常の悩みを俺たちの爆音でグチャグチャにしに来たぜ!」という村松拓の絶叫に、割れんばかりの大歓声が沸き起こる。ひとたび曲がはじまれば、威風堂々と突き進む爆音の圧倒的な煌きに、ありったけの歓喜を爆発させて応戦するオーディエンス……8月15日リリースのメジャー第一弾アルバム『Silver Sun』を引っ提げたNothing's Carved In Stoneの全国ツアー、セミファイナルとなるZepp DiverCity Tokyo公演。高純度/高密度なサウンドが2時間弱にわたって巨大な熱狂を生み出した、凄まじいアクトだった。これまでも4人のエネルギーがスリリングにせめぎ合う壮絶なパフォーマンスで、ライヴハウスに足繁く足を運ぶリスナーを中心に確かな支持を獲得してきた彼ら。そこからさらに進化して、クールで、熱くて、攻撃的でありながら包容力もあるという、多面的なカッコよさを堂々と突きつける4人の姿が、そこにはあったのだ。

「お台場!」という村松の一声から1曲目“Spirit Inspiration”へ雪崩れ込むなり、隕石のようにゴツゴツとした音の塊が激しく投下されてライヴスタート。続く“白昼”では、日本語で歌う村松のヴォーカルがエモーショナルに響きわたる。そのまま“November 15th”へ流れると、静謐な電子音から一気に神々しい高鳴りへと進化するドラマティックなサウンドに乗せて、フロア激震! モッシュとダイブが次々と沸き起こり、早くもクライマックスに達したかのような熱気が場内を包んでいく。「踊ろうぜー!」と突入した“Spiralbreak”では、日向秀和(以下:ひなっち)が5本指でしばき倒す、モノノケのように生々しくうねりまくるファンキーなベースラインが炸裂! そこに生形真一(以下:ウブ)の硬質なギ
ター・フレーズと大喜多崇規のクリアなビートが重なって、聴き手の心に片っ端から火を点けながら天に向かってニョキニョキと伸びていく鉄筋のように強靭な音の塔をブチ立ててしまった。

Nothing's Carved In Stone @ Zepp DiverCity Tokyo
百戦錬磨のプレイヤー集団としてのポテンシャルを感じさせる、高潔で知性あふれるNCISの音世界。高い理想のもとに4人がシビアに磨き上げたサウンドはしかし、決して頭でっかちな印象を与えない。最新アルバムの楽曲を中心に構成された中盤では、そんなNCISの魅力が鮮やかに花開いていた。ソリッドなエレクトロ・ビートとリフの交錯がブラックホールのように無限に広がった“PUPA”、大きくうねる波のようなグルーヴが届けられた“Inside Out”――。オルタナ、UKロック、エレクトロニカなど4人のバックボーンを巧みに掛け合わせた複アンサンブルを奏でながら、力みや衒いを感じさせない4人のナチュラルな佇まいが、誰しもが取っ付きやすいライヴの生のダイナミズムに繋がっているのだろう。

特に圧巻だったのは、「お台場の親愛なる友人たちに贈ります」という村松の前振りから届けられた“Red Light”。赤いライトが灯る下でじわじわと熱を帯びていくサウンドには、深い眠りの中から優しく呼び覚ましてくれるような、生温かい覚醒感に満ちていた。そこからミドル・テンポの音塊が勇猛に突き進んだ“Pride”、ループするウブのギター・フレーズが心地よい酩酊感を生み出した“The Big Chill”と畳み掛けられたセクションは、個人的なハイライト。“The Big Chill”のイントロとアウトロで4人向き合いながら楽器を鳴らすシーンに、各々の個性を爆発させることで濃密なコミュニケーションを形成するに至った4人の真摯な姿勢が感じられて、胸が熱くなる。ちなみに、この日のライヴでは短髪になって精悍さを増し、曲の合間にキラーMCを展開しながら、オーディエンスのテンションをぐいぐいと引き上げていく村松のスター然とした佇まいも印象的だった。ただでさえメンバー全員に華があるバンドであるが、ここに来て4人それぞれが放つオーラやフェロモンがより強烈になっているようである。

Nothing's Carved In Stone @ Zepp DiverCity Tokyo
“9 Beat”“Diachronic”“Sands of Time”を焦燥感たっぷりにプレイした後は、「お前らの幸せ全部俺らにくれよ!」という絶叫からクライマックスへ向けて猛ダッシュ! 9月30日に誕生日を迎えたばかりのウブへの「おめでとう!」コールが飛び交う一幕も挟みながら、バンドとオーディエンスがフレンドリーな交錯を見せる幸福な一体感が築かれていく。にもかかわらず、4人がアグレッシヴにブチかます音は相変わらず圧倒的! 目も眩むような美しいメロディと空気をビリビリと震わすグルーヴが渾然一体となって届けられ、満場のフロアを完全制圧していく。そのまま“Isolation”に雪崩れ込むと、場内のヴォルテージは沸点に! 静と動の間を彷徨う展開で聴き手の興奮を極限まで引き上げるNCISならではのサウンドによって、フロアはダイブの嵐と化していった。そして“The Silver Sun Rise Up High”の優美な旋律が天上へと上り詰めたところで、本編終了。

滋味深い村松の歌声と静謐なオルタナ・サウンドが絡み合う“Sequel”で静かに幕を開けたアンコールでは、“Chaotic Imagination”“Around the Clock”と再びダイナミックに弾けて大団円。「Nothing's Carved In Stoneはまだまだ続いていきます!」という村松の宣誓の通り、クールな才気と熱き衝動を絶妙のバランス感覚で持ち合わせながら大きな河の流れのように大きくうねるNCISのサウンドは、まだまだ壮大な物語を紡いでくれそうだ。(齋藤美穂)

セットリスト
1.Spirit Inspiration
2.白昼
3.November 15th
4.Spiralbreak
5.PUPA
6.Chain reaction
7.Inside Out
8.Red Light
~K.O.G.A SE~
9.Pride
10.The Big Chill
11.9 Beat
12.Diachronic
13.Sands of Time
14.Scarred Soul
15.Advence Forward
16.Moving In Slow-Motion
17.Isolation
18.The Silver Sun Rise Up High
アンコール
19.Sequel
20.Chaotic Imagination
21.Around the Clock
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