LOUD PARK 08(2日目) @ さいたまスーパーアリーナ

LOUD PARK 08(2日目) @ さいたまスーパーアリーナ - ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
LOUD PARK 08(2日目) @ さいたまスーパーアリーナ - モトリー・クルーモトリー・クルー
というわけで昨日にひき続きレポートです。11:00スタートで、終わったのは20時過ぎ。本日の出演は、ブラック・ストーン・チェリー/オール・エンズ/ブラック・タイド/ダフ・マッケイガンズ・ローデッド/マシン・ヘッド/ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン/バックチェリー/モトリー・クルー、の、全8組。2つのステージが横並びに設置され、交互にセッティングして15分程度の短い転換時間ですぐ次のバンド、という形で進行していく。

とにかくすさまじい熱量・すさまじいタイトさ・そしてすさまじい激しさだったブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、曲がどうとか好き嫌いとかいう以前に、「生演奏時のバンド・グルーヴがめったやたらと優れている」という事実でもって圧勝、フロアをもう思うがままにロックしたバックチェリーなど、観どころ聴きどころは多々あったが、やっぱり、なんといってもモトリー。

もう、復活した大物ベテランバンドの理想みたいなステージだった。要は誰もが知っている代表曲・有名曲の連発、というか、それしかやらない、ひたすら懐メロ大会。みんなが求めているものだけが、求められている形で提供されていく。だから楽しいったらない。偉い。ヴィンス・ニール以外の3人=ミック・マーズ、ニッキー・シックス、トミー・リーの3人が、全盛時と体型が全然変わっていないのも偉い。唯一偉くなかったのは、トミー・リーのバスドラが常識はずれなまでにでかすぎて(もはやバスドラじゃなくてステージセットの一部だ、あれは)、それがじゃまになって、肉眼でプレイが観にくかったこと。

ハイトーン部分になるとヴィンス・ニールの声が厳しくなる瞬間が何度かあったし、そもそも演奏が上手いタイプのバンドじゃないので、音のぶ厚さは前にやったバックチェリーの方が勝っていたりもしたけど、もうね、それも含めて全然あり。すいません、元々個人的に思い入れのあるバンドなので、ちょっと冷静さを失っています。どう思い入れあるかはブログにも書いたのでご参照ください。特に、1stアルバムの1曲目、「カウベル叩いてシンバル握る曲」“LIVE WIRE”をやってくれたのが、もう猛烈にしびれました。

にしても、LOUD PARK。これ、毎年誰かが必ず書いてるけど、とにかくすごい男率。すごい大人率。そして、すごいバンドTシャツ着用率。かなり浮世と切り離されているというか、特殊な空間っちゃあ特殊な空間なんだけど、その分とても幸福な空間でもあった。「音楽好き!」「うるさいの好き!」という愛が、会場に充満している感じ。そりゃそうでしょ、メタルフェスなんだから、と思われそうだけど、例えばですね。

朝霧JAMとか行くと、ステージそっちのけでずうっとテントでバーベキューやって酒呑んでる、「何しに来たんだおまえらは」みたいな人、いるでしょ? 俺だ。あと、クラブとか遊びに行くと、せっかくいいDJが回してるのに延々バー・スペースで呑んでしゃべってる、「踊れよ! もったいないだろ!」って奴、いるでしょ? それも俺だ。まあそれはそれで楽しみ方のひとつなのだという開き直りもあるが、つまり、そういう、音楽以外のものが混じってくる感じが、いい意味でないのだ。

とにかく音楽、とにかくライブ。ロビーでだべってる人、極めて少なし。メシを食い終わったらサッと会場内に戻る。みんな、フロアで立っているか、スタンドで座っているかのどっちか。好きなタイプのバンドばかり出ているから、というだけでもないと思う。例えば、超ゴリゴリなブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインと、ロッケンロールな音のバックチェリーって、本来は客層結構違うはずだ。なのにみんな、どっちも一生懸命観る感じ。とにかくうるさい音に貪欲な感じ。なんか、ちょっと考えさせられました。(兵庫慎司)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on