PHOTO BY Tetsuya Yamakawa“イッチャン”ことLOW IQ 01の年明け一発目のワンマン・ライブであり、しかも通例のMASTER LOWやTHE BEAT BREAKER編成とは異なるスペシャル・バンド……ギターにシノッピ(渡邊 忍/ASPARAGUS)、ベースにひなっち(日向秀和/STRAIGHTENER)、ドラムは福田“TDC”忠章(FRONTIER BACKYARD、SCAFULL KING)という、一昨年夏に一度だけ披露された「LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERS」としてのステージとあって、BLITZは開演前から熱気ムンムン! DJを務めたTGMXの粋なセレクトもあいまってはち切れんばかりの高揚感のなか、「ど〜ですか、この面子! 今日は記憶に残るライブやるんで、心しといて! あ・ば・れ・ろー!!」との啖呵と“SWEAR”から幕を開けた『“a room with a view” special one night show』である。続けざまに昨年10月リリースの最新作『a room with a view』からタイトルトラックを投下!と、4人は初っ端からフルスロットル。何しろこのメンツなんで、バンド・サウンドの強度/音圧/整合性、そのいずれもが超一級(TGMXの言葉を借りれば、「物凄くタイトで重い!」)。しなやかにして自由闊達なTDCのドラムを後ろ盾として、ひなっちは鋼のような重低音を操り、シノッピは鋭利なリードキターとハイトーンのコーラスを響かせ、そしてイッチャンはレスポールを掻き鳴らして軽やかにダンス&高らかに熱唱!と、まさにマイティなビートを量産して“DIS IT”→“NEW THINGS”と矢継ぎ早の攻勢でフロアを沸き立たせていく。さらに続く“RULES”では、“鬼”ことBRAHMAN・TOSHI-LOWも飛び入りして(「何かイヤな予感したんだよな〜!(笑)」とイッチャン)熱狂は加速度的にヒートアップ。イッチャン自身、「今日こんな感じですよ、スゴイでしょ!?」と自信満々&喜色満面だ。
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DJ TGMXがトランペットで参戦した“NEVER SHUT”、フロアにいくつもの笑顔と円陣を生み出した“GOT LUCKY”に“SO EASY”、イッチャンがサックスも吹き鳴らした“AAA(Again and Again)”、ライブ初披露されイッチャンの日本語歌唱が新鮮な“KI-KI-SU-GO-SU”など、幾つものハイライトシーンを描きながら至上のパーティーを立ちあげていく4人。それぞれに技量とキャリア豊富とあって、白熱のパフォーマンスでありながらも余裕と貫禄みたいなものが自ずと滲み出ていて、その佇まいは頼もしいほど。何より当の本人たちが、この4人でバンドができることに、また、そのバンドがとんでもないパワーと可能性を発動させていることに喜びと興奮を隠せないでいる様子がとりわけ印象的(「今日、完璧! 楽しい!!」と、早くも中盤で勝利宣言が飛び出したほど!)。大所帯・MASTER LOWのショーアップされたステージとはまた趣きの異なる、オーソドックスなロックバンド形態ならではの醍醐味とダイナミズムを存分に味わわせてくれたMIGHTY BEAT MAKERSだった(イッチャン「もう42(才)ですよ。頑張ってますよ!(笑) 同世代は(頭髪が)ズル剥け多いよ」、シノッピ「イチくんはね、下もズル剥けですから(笑)」てな具合にMCでも場内沸騰!)。
アンコールの“NOT ALONE”はMIGHTY BEAT MAKERS仕様の高速BPMバージョンで、またダブルアンコールではイッチャンとシノッピが2人で“a room with a view”をアコースティックで披露!と、この日ならではの見所も多数。次の活動予定がまだ白紙なだけに、まさにスペシャルなワンナイトショーでした。ちなみにこのMIGHTY BEAT MAKERSに関して、「一年に一回くらいできればいいなと思ってます」とイッチャン。さらには「ツアーとかも回ろうか?って話も出た」そう。4人の今後にも期待しつつ、気長にネクスト・アクションを待つべし!(奥村明裕)