OKAMOTO’S @ Shibuya O-EAST - All pics by TEPPEIAll pics by TEPPEI

OKAMOTO’S @ Shibuya O-EAST

1月23日にリリースされた4thアルバム『OKAMOTO’S』を引っ提げこれまで17公演をまわってきた「 TOUR 2013“Sing A Song Together”」のファイナルとなる今夜。ライヴ終盤にオカモトショウが、昨年は産みの苦しみに苛まれたが、こうして愛に溢れたツアーをまわることができて本当にハッピーだ、と素直な心境を語っていたが、その言葉通り、傑作『OKAMOTO’S』の世界をさらに精度を高めた馬鹿テクにより余すことなく表現しきることで、バンドもフロアも丸ごと包み込むような多幸感に満ちたライヴを見せてくれた。
OKAMOTO’S @ Shibuya O-EAST
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ライヴのオープニングを飾ったのは“共犯者”~“Give & Take”と、『OKAMOTO’S』からのナンバー2連発。それまでに比べより黒く、深化したロックンロールに初っ端からフロアが沸く。50年代以前のポップ音楽が有した豊穣なリズムを消化したビートは、彼らが『OKAMOTO’S』で手にした成果の1つだ。ルーズなリフ主体のギター、最適な音の軽さがサウンドに自由と快楽をもたらすドラム、1歩引いた位置から全てをコントロールするベース、そして淫靡な野生と知性が奇跡的に同居したヴォーカル。正に彼らが最初に夢見たロックンロール・バンドの頂(ショウとコウキが最初にバンドを結成してからしばらく“ジャンピング・ジャック・フラッシュ”だけ演奏し続けていたというエピソード、大好きだ)、ローリング・ストーンズと見紛うような理想的な各々の在り方に眩暈がするような興奮を覚える。
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ライヴ中盤でハイライトを作ったのが、“夢DUB”~“太陽はどこ”でファストなロック・ナンバー以外も完璧に演奏する筋力をこのツアーで鍛え上げたことを示した後に始まった“Are You Happy?”。この曲、音源でも十二分に格好良かったが、正直、生は格が違った。ハマのスラップがフロアを煽り、ショウがマイクスタンドを掴み上げ高く高く掲げた曲の出だしから、不穏でいて蠱惑的なロック音楽本来の魅力にオーディエンスの熱が爆発する。低空で弾けるリズムがあり、派手なリフがあり、不敵なリリックでアジテートするヴォーカルがある。それだけ揃えば、もう欠けているものは何もないという全能感。しかも、曲後半にはショウがメロディカを手に取りレゲエ/ダブセッションを経て、高速インプロ風なロック・ジャムに戻り、最後はショウによる「アー・ユー・ハッピー?」のコール&レスポンスが入るという重層的なアレンジが施されていた。こうした数段構えの仕掛けがまるでだらけず成立するのも、ひとえに彼らが弛まず磨き続けている演奏力の高さゆえである。しかも、そんな名演を終えて、吹き出しながら出てくる言葉が「たまにハマく~ん!っていうエロい声が聞こえてくるんだよね」(ショウ)だったりするところも馬鹿キュートで最高だ。全方面において、ロックンロール・バンドとして隙無し。
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今日嬉しかったのが、7月31日にリリースされることが決まったニュー・シングル『JOY JOY JOY/告白』が両方聴けたこと。アッパーな歌メロがひたすら聴き手をアップリフトする“告白”も良いが、“JOY JOY JOY”はさらにヤバかった。ハードでありながら軽快に跳ね続けるファンク・リズムを反復しながら貯めこんだエネルギーが、楽器隊3人のコーラスが華やかに彩るサビで一気に爆ぜる、あからさまなアンセム。初聴のオーディエンスを他の人気曲と同等以上に盛り上げていたのも印象的だった。こんな新境地でありながら最高到達点もさらっと更新するような曲が生まれてきたのも、やはり『OKAMOTO’S』を産み落とした、産み落とせたからこそだろう。
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ショウ「今年の5月で出逢ってから10年。色々あったね」ハマ「あったか?」ショウ「ないか?」ハマ「ない」ショウ「…これからもヨロシク!」という阿吽の(?)MCに続いた、“青い天国”の人懐こいグルーヴでまずフロアを踊らせた後、まさに本家ルースターズが80年頃ライヴで演っていたとおりのBPMを再現する=最強の“恋をしようよ”(明日28日には彼らも出演するアラバキ・ロック・フェスで、丁度今日ルースターズがこの曲を演奏したというのも感慨深い偶然だ)で「やりたいだけ」コールを巻き起こし、そのままブルーズ・ロック“まじないの唄”に繋げた終盤の流れで際立っていたのは、コウキのプレイ。リフ以外の、本来目立ちにくいバッキングで、あのリズム隊に負けずぐいぐい曲を牽引していっていたのがとても頼もしかった。2人の化物が横と後ろにいることを言い訳にも弱音の理由にもせず、リズム・プレイヤーとして彼が存在感を増してきている事実は、間違いなくバンドの今後の可能性をますます輝かせると思う。
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そして、ライヴのフィナーレを飾ったのは、レイジによるドラム・イントロだけで大歓声とハンドクラップが巻き起こった“ラブソング”の歓喜をさらに幸福な一体感で上塗りした“Sing A Song Together”。この曲のクライマックスでフロアは今日一番の興奮状態に。これは、以前から巧かった1曲の中での音圧の強弱操作を、ライヴ全体の枠の中で行えるようになったからこそ起こせた現象だ。もちろん、それは『OKAMOTO’S』がどういうアルバムであるかを最も象徴的に、雄弁に物語るこの曲の絶対的な良さありきのことであるわけだが。彼ら史上最も明確なメッセージ性(新しい武器)を、ストーンズ・マナーのロックンロール(原初の型)と融合させたという点において、この曲は彼らを新しいステージに押し上げた決定的な1曲と言える(しかもストーンズのロックンロールをその時代時代のフォルムにアップデートしてきた「先輩」であるRCサクセションとプライマル・スクリームへのオマージュを忘れない不敵さまで備わっているのも素晴らしい)。そう『OKAMOTO’S』とは、これまで彼らの最大のストロング・ポイントとなっていた、若さゆえの無防備なポジティビティと玄人顔負けの演奏技術という相反する2つの要素が、必然を持って1つに合わさったことを告げる作品だった。声を上げるべき陽性の思想を表現するためにロックンロールをどう利用するか。自分たちの愛してやまないロックンロールをロックンロールのまま100%機能させるにはどのような歌を乗せることが必要か。それを本気で考え、悩み、答えを導いたことがまざまざと伝わる作品だったのだ。そしてだからこそ、そんな「新生」した彼らを、こうしてオーディエンスがラブに満ちた狂熱で迎え撃った今夜の光景は、途方もなく美しかったのである。(長瀬昇)セットリスト
共犯者
Give & Take
欲望を叫べ!!!!
Beek
マジメになったら涙が出るぜ
おやすみ君のこと
あからさまに恋してる
Oh! Pretty Baby
夢DUB
太陽はどこ
Are You Happy
告白(新曲)
青い天国
恋をしようよ
まじないの唄
ラブソング
Sing A Song Togetherアンコール
JOY JOY JOY
Shine Your Light
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