FRONTIER BACKYARD @ LIQUIDROOM ebisu
2013.10.28 19:50
「NEO CLASSICAL'13 "fifth" release Tour」と銘打たれた、ニューアルバム『fifth』のリリースツアー。その9本目となるリキッドルームワンマンは、FRONTIER BACKYARD流エンターテインメントの限りを尽くしたような圧巻の150分! まだ絶賛ツアー続行中なのでセットリストなどの詳細に触れることは最低限に留めておきますが、その歓喜と興奮の一端をお伝えしたい。
都内久々のワンマンは、盟友・恒岡章のDJタイムの後、ちょっとしたサプライズと共に幕を開けた。というのも、ひとり登場したTDC(Dr)が「はい、どーも!」と、いきなりMCをはじめたからだ。「今日は新旧織り交ぜて、たっぷりと時間を使って演りたいと思います。たっぷり楽しんでください! それでは紹介します――」と普段は寡黙なドラマーの言葉を受けて、TGMX、KENZI、おなじみのサポートメンバー=松田“チャーベ”岳二、古川“TA-1”太一がオンステージ。最新作同様に1曲目に“Picture Of The Sun”からドロップされると、さっそく「バイバイバーイ!」とシンガロングが広がり、場内に温かな一体感が生み出されていく。続けて、その種火を一気に燃え上がらせるように、2曲目からはトップギアでスパート!
TGMXは客席に飛び込む勢いでアジテートし、TA-1はショルキーを抱えて忙しなくステージを動きまわり、オーディエンスも飛び上がったり手を掲げたり、大きなアクションでヒートアップ。「とにかく台風が来なくて良かった! ムダに天気が良すぎて外に行きたくなるね。見てると(アルバム『fifth』を)聴いてもらってるみたいで、嬉しいです。どんどん行きますよ今日は!」と序盤から手応えを掴んだTGMXは、「SAY FBY!」のコール&レスポンスも盛大に、ソウルフルかつエモーショナルな歌声を響かせる。バンドも、腕利き揃いのメンバーだけれど、あえてパーフェクトを目指さないような、勢いとエモーションを最優先させた荒々しいプレイに俄然テンションアップ。時にはクラウドサーフも巻き起こって、パーティーの熱は幾度も沸点に達した。そんな気迫漲るプレイと共に印象的だったのは、TGMX一流の「おもてなし術」というか、氏のコンダクターとしての巧みな状況掌握力だ。パフォーマーとしての自分をまっとうしつつ、同時に客席のコンディションを冷静にウオッチし、いまいち弾け切れないセクションには合いの手を入れたりと、とにかく視野が広くて、自身とバンドのパフォーマンを即座にアジャストさせていく抜かりない配慮と反射神経には、ちょっと感心してしまうほど。アゲるとこはとことんアゲて、ヌクところは思い切ってヌクという緩急巧みな展開は、実に見事。想定外のシーンも難なく乗り切り、「段取りを間違えても気にしないようになりました(笑)」と本人は笑っていたけれど、ミュージシャンとしての成熟と度量がライブの至る部分で感じられた。
MCでもTGMXは巧みに話を振って、メンバーそれぞれにスポットを当てていく。「すげぇ心を込めて作った、エモいアルバムです」とTDCが新作についての想いを語れば、KENZIは「できることならエンドレスにライブやって、みんなで踊って、そうやって死んでいきたい」とムチャクチャだけれど、まったくもって同意してしまう夢を披露。さらに愛鳥家でもあるKENZIは、このツアーではおなじみとなった“トリトーーク!”を展開。いわく、「孔雀って、実は一羽2万円くらいで買えるから、それに乗ってツアーに行けたら最高だ」、さらに「ゆくゆくは鳥に関するお店をやりたいと思ってて。そこではバンアパ原がコーヒーを作ってて……面白そうじゃない?」などなど、「バンドやってると、こんなたくさんの人に鳥の話を聞いてもらえるから、バンドやっててよかった!」と、いささか倒錯した至福を味わっていたKENZIであった(笑)。
とりわけ半端ない盛り上がりだったのは、終盤の“hope”。「今日は男祭りする!」と唐突にTGMXが宣言して、野郎10数名をステージにあげて踊らせまくり、続けて女子10数名が壇上に登って思い思いにダンス! フロア一面にタオルを舞わせながら沸き立つようなクライマックスを立ち上げていった。「ファイナルではないですけど、リキッドルームワンマン、大成功だと思います! すげぇ楽しかったです。でもこれ終わりではないので、ついてきて下さいね!」(TGMX)と感謝を告げて本編を終えたメンバーは、アンコールではマイクロカメラを取り付けたヘルメット姿で再登場。「みんなが盛り上がってる様子を撮りたいです。思い出にしようと思います!」(TGMX)と、お客さんをシュートしながら再びアッパーなステージを繰り出し(フロアを練り歩くTGMX!)、さらにWアンコールにも応えてワンマンは大団円。2時間半にも及んだ熱演と、最後の「毎日いろんなことがあって、病気になっちゃったり、調子悪い時もあると思うんですよ。けど、俺らはずっとやってるので、見に来られるときはまた見にきてよ」(TGMX)との呼びかけに、言葉にすると野暮ったくなってしまうけど、「明日からまたがんばろう!」という気持ちがムクムクと湧いてきた次第。今週末は仙台、盛岡、そして札幌とFBY前線は列島を北上。これからツアー参戦予定の皆様は、思いっきり楽しんでください。(奥村明裕)
