■G-FREAK FACTORY
G-FREAK FACTORY、ゴールデンボンバーの2組を迎えての異種格闘技戦となったこの日。最初に登場したのは群馬出身の4ピース・G-FREAK FACTORY。スローテンポのセッションを経て1曲目に突入すると、原田季征(G)の殺傷力あるギターフレーズが炸裂。さらに前のめりなレゲエ・ビートに乗せて、メラメラと燃え上がる炎のようなグルーヴが場内を駆け巡っていく。一転して“日はまだ高く”などのアッパー・チューンでは、「Say Ho!」のコール&レスポンスを展開したり、スリリングなソロ・リレーを展開したりと熟練のパフォーマンスでハッピーなヴァイブスを届けていく4人。さすがホルモンと同期、15年以上のキャリアを持つバンドだけあって、その演奏スキルもオーディエンスのアゲ方も堂に入っている。何より圧巻だったのは、「音楽は非力ではあるが無力ではない!」という茂木洋晃(Vo)の絶叫から雪崩れ込んだ“島生民”。現代社会の闇を膨大なリリックで暴きながらエモーショナルに高揚していく音塊は、G-FREAK FACTORYが掲げる不屈のメッセージとして聴く者の心にしっかりと刻み込まれたと思う。最後は“EVEN”で場内に爽快な風を吹かせてフィニッシュ。4人の闘志が沸々と燃え上がっているような、熱のこもったアクトだった。
■ゴールデンボンバー
“Dance My Generation”でフロアを激しく揺さぶった後、「一言いいですか。男が多い!」と告げたのはゴールデンボンバーの鬼龍院翔(Vo-karu)。「僕ら普段はナヨナヨしたバンドで、モッシュやダイブを経験したことがございません。すみません!」(鬼龍院)、「ホルモンのライヴで舐めたことやったらぶっ殺すぞと思ってるんでしょ? なので、もし僕らのライヴがヌルいと思ったら卵とか投げつけてくれても結構なので!」(歌広場淳・Be-su)と、ひたすら腰の低いMCを繰り出しながら完全アウェイな空気を笑いでかき回していく。2曲目“抱きしめてシュヴァルツ”では喜矢武豊(Gita-)がギターソロならぬ一人シャンプーを披露したり、樽美酒研二(Doramu)が一人シンクロナイズドスイミングを披露したりと最早やりたい放題。だけど、タブーをあっけらかんと突き破りながら未曾有のエンターテインメントを築いていく彼らの姿勢には、どこかホルモンに通じるものを感じる。何より、激しく頭を振り回しながらキレのあるダンスを披露していく4人の姿には、たとえ楽器を演奏していなくとも胸を熱くさせられるものがあった。ラスト“女々しくて”では、フロアの猛者たちが次々とダイブするというこの日しか観られない光景も! 終演後に響きわたった野太い歓声が、ライヴの圧勝感を何よりも物語っていた。
■マキシマム ザ ホルモン
終演後の人ごみで、「ちょっと怖かったけどダイブしちゃった。したらすげぇ楽しかった!」という声が近くから聞こえてきた。声の主を確認すれば、およそダイブとは無縁そうな華奢な男子(失礼!)。でも、これこそがホルモンのライヴなんだと思う。普段の自分を突き破って全身で衝動を剥き出しにすること。それにより日々の鬱憤を解き放ち、今を生きる喜びを全身で味わうこと。その目的に向かってどこまでも貪欲だからこそ、ホルモンのライヴは過剰で、破壊的で、至上のエンターテインメントであり続けるし、それを求めてやまない人々たちの居場所であり続けるんだと思う。その必然性を身をもって実感させてくれた最高の一夜。この後はガガガSPとの東北ツアーも控えているし、まだまだその動向から目が離せない。(齋藤美穂)
セットリスト(マキシマム ザ ホルモンのみ)
1. 予襲復讐
2. ビューティー殺シアム
3. 鬱くしきOP~月の爆撃機~
4. 鬱くしき人々のうた
5. maximum the hormone
6. 「F」
7. 便所サンダルダンス
8. え・い・り・あ・ん
9. ビキニ・スポーツ・ポンチン
10. アンビリーバボー!~スヲミンツ ホケレイロ ミフエホ~
11. 絶望ビリー
12. ロックお礼参り~3コードでおまえフルボッコ~
13. メス豚のケツにビンタ(キックも)
14. 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー
15. ぶっ生き返す!!
16. 恋のスペルマ
アンコール
17. 中2ザビーム
18. 恋のメガラバ
19. 握れっっ!!