祝10周年!Billboard Liveの歴史を忘れられない8公演と共に振り返る!

祝10周年!Billboard Liveの歴史を忘れられない8公演と共に振り返る!

東京・大阪で営業している「Billboard Live」は、この8月に開業10周年を迎える。一般的なライブハウスとは異なる店舗形態に加え、独自のブッキングで音楽ファンに親しまれてきたその歴史を、いくつかの洋楽招聘アーティストを例に挙げながら振り返りたい。

文=小池宏和


祝10周年!Billboard Liveの歴史を忘れられない8公演と共に振り返る! - pic by YUMA TOTSUKApic by YUMA TOTSUKA
●スタイリスティックス

フィリー・ソウルの名ヴォーカル・グループとして、数々のトップ10ヒットを放った1970年代以降も、長らく活躍を続けているスタイリスティックス。日本のBillboard Live出演は10年でのべ200回を越えており、これは国内アーティストでも簡単には及ばない数字だ。かつて米国で放送されていたTV番組『ソウル・トレイン』の時代から、華麗なハーモニー・ワークとダンスでファンを魅了し続けてきたグループである。言わばポップ・エンターテインメントの生き証人でもある彼ら、今後も来日してくれることを切に願う。

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●ボビー・コールドウェル

今夏で66歳となるボビー・コールドウェルは、ニューヨーク出身のブルー・アイド・ソウル/アダルト・コンテンポラリー・アーティスト。1976年のデビュー以来、精力的に活動を続けている。ボズ・スキャッグスやスティーリー・ダンらと並んで、その上質なサウンド構築は長きに渡り日本の音楽ファンの根強い支持を得てきた。日本人の感性や嗜好に基づいた、「洋食文化」に近い意味での「洋楽文化」に価値を見出すブッキングもまた、Billboard Liveならではの特色と言えるだろう。彼はこの7月にも、Billboard Live出演を果たしたばかり。

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●ベイビーフェイス

後述のブーツィー・コリンズに名付けられたニックネームを持つベイビーフェイスは、ソロ・キャリアはもとより、ホイットニー・ヒューストンやボーイズ・Ⅱ・メン、トニ・ブラクストン、近年はアリアナ・グランデに至るまで、R&B/ブラック・コンテンポラリーを軸に数々のトップ・ヒットを手掛けてきたプロデューサーでもある。2009年のBillboard Live出演時には、個人的に大好きなジョニー・ギルへの提供曲“マイ・マイ・マイ”のほか、マイケル・ジャクソンへの追悼として“ゴーン・トゥー・スーン”をカヴァーしていたことも、忘れられない大切な一場面だ。

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●セルジオ・メンデス

日本人にとってはブラジル音楽の代名詞ともいうべきアーティストである。1960年代に米国へと渡りブラジル音楽ブームを巻き起こしたセルジオ・メンデスが、米国発の音楽窓口と言えるBillboard Liveに頻繁に出演しているのは、時代と地域を越えた音楽のロマンを感じさせてやまない。ジョルジ・ベン作品の名カヴァー“マシュ・ケ・ナダ”は言わずもがな、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムらがバックアップした『タイムレス』を起点に花開いた21世紀型セルメンも、極めてポップで楽しい彼の音楽の本質を伝えてきた。2017年11月には、次なるBillboard Liveへの出演が決定している。

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●トータス

シカゴ音響派/ポスト・ロックのリーダー的存在であり続けてきたトータスも、Billboard Liveに刺激的なライヴの記録/記憶を刻みつけてきたバンドだ。至近距離で浴びるスリリングなこと極まりないアンサンブルと、とりわけ機械のように正確無比でありながら鋭くエモーショナルなジョン・マッケンタイアのビートが忘れられない。ポップ・エンターテインメントの華やかな成功を収めたアーティストだけではなく、Billboard Liveではトータスのように前衛的で優れたライブ・アクトを招聘している点も魅力。ブッキングの多様性を物語っている。

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●ザ・ファーサイド

ビルボード・ラップ・チャートのNo.1を記録したデビュー・シングル“パッシング・ミー・バイ”や、ジェイ・ディー(後のジェイ・ディラ)が手がけた“ランニン’”といったヒットにより、ジャズのネタを中心にした職人気質のトラックメイキングと賑々しくユニークなマイクリレーで人気を博したザ・ファーサイド。その日本での支持の熱さは、ボビー・コールドウェルらと似通った性質が感じられる。バンド・セットでのBillboard Live出演のほか、サマーソニックとのタイアップ企画への出演なども行われてきた。10月には東京で新規公演を予定。

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●ホセ・ジェイムズ

8月のBillboard Liveとサマーソニック 2017への出演が決定しているホセ・ジェイムズは、新世代ジャズ・シンガーの中でも随一と言える人気を誇るアーティストだ。ところが、ビリー・ホリデイのスタンダードなカヴァー集となった前作から一転、新作『ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス』ではジャズの枠組みをはみ出し、極めてコンテンポラリーかつ挑発的な作風で我々を驚かせた。これまでに何度もBillboard Live出演を行い、自身の表現スタイルごと現代ジャズをアップデートするホセ・ジェイムズが、今回のバンド・セットでは何を見せてくれるのか。

祝10周年!Billboard Liveの歴史を忘れられない8公演と共に振り返る! - pic by JUN MAEKAWARApic by JUN MAEKAWARA
●ブーツィー・コリンズ

生けるファンキー・マシーンにしてファンク大学長=ブーツィー・コリンズ。衣装チェンジを頻繁に繰り返し、自ら率先して楽しみ尽くすようなステージは、座席制のライブ・ハウスであるBillboard Liveでも序盤からオーディエンスを総立ちにさせ、ブーツィー本人も客席テーブルの上に乗り上がり、突き上げられたファンク・サインとタッチを交わしてゆく。圧倒的にファンでバイタリティ溢れる、型破りなまでのショウは、Billboard Liveの近距離ライブだからこその興奮も加味されていた。通路を練り歩くブーツィーとハグを交わしたことも、最高の思い出だ。

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