カート・コバーンが他殺説を掲げている人物がシアトル警察署に対して訴訟を起こしたという。
訴訟を起こしたのはリチャード・リーで、シアトル警察が1994年にカートが死亡した現場の未現像の証拠写真を新たに現像して先頃公開したのを受けて、これらの写真はとうの昔に公開されるべきものだったとして訴えを起こしているとシアトルのニュース・サイトのシアトル・PIが伝えている。今回の訴訟は特に警察の写真公開の在り方などを問う、より広範な問題を扱うものだとリーは訴えているという。
リーはかつてテレビでも『カート・コバーンは殺された』という番組を司会したことでも知られているが、最近行われたカートの死亡に関する再捜査においても特に新しい証拠はなにも発見されていない。しかし、警察による記録の公開の怠慢は、文書1件につき1日5ドル(約520円)から100ドル(約1万400円)までの罰金の対象になるというワシントン州条例に基づいてリーは今回の訴訟を起こしたという。
なお、今回の再捜査で新たに現像されたフィルムは4巻あり、どれもカートの自殺現場を撮影したものになっている。公開された写真2枚のうちの1点はスプーン、針、ライターが入った葉巻箱が床に置かれていて、そのそばにある煙草の吸殻とサングラスと写っているもので、もう1点は蓋がしまった状態の葉巻箱、紙幣、ニット帽、カートの身分証を覗かせている財布が写っている。警察の広報官は写真の公開にあたって、「特にどうってことのない内容だ」と解説している。
カートは1994年4月8日にシアトルのレイク・ワシントン・ブルヴァードの自宅で散弾銃による銃撃で死亡しているところを発見された。27歳だった。発見したのは自宅の電気の配線の修繕に訪れた作業員だった。その後の警察の捜査でカートはその3日前の4月5日に自殺を図ったと断定されたが、それ以降も他殺説がいくつも囁かれてきている。
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