著作権侵害を食い止めようと、音楽業界では世界共通の新譜リリース日設定に向けて動きだしているとビルボード誌が報じている。この新方針では、すべての新譜リリース日がどの国でも金曜日に設定されるとのこと。
この動きのきっかけとなったのは、オーストラリアでのリリース日が金曜に変更されたことだった。南半球を起点に海賊版が出回ることで、イギリスでは月曜、アメリカは火曜に設定されている正式リリースの時点で既に多くのリスナーが違法ダウンロードでアルバムを入手してしまっていることになり、各国の正式リリースが機能しなくなっているのだという。
早ければ2015年7月にもこの方針が実施されるとの情報もあるが、一方で、業界全体の賛同が得られた訳ではないとの見方もある。リリース日が全世界共通になればメジャー・アーティストは適切なリリース・タイミングを逃してしまう恐れがあり、インディ・レーベルにとってもリリース日は週の早いうちが好ましいとのことだ。世界各国のリリース・スケジュールを立て直すだけでなく、音楽チャートとその表示方法も変える必要が出てくるという。
「世界共通リリース日は、業界にとっては必要だろう。だが残念ながら、小売店が商売のやり方をすぐ変えられるとは思えない」と、あるレーベル幹部はビルボードに語っている。