ジミ・ヘンドリックスが渡英する以前のザ・スクワイアズ時代の音源、ついにリリースへ

ジミ・ヘンドリックスが渡英する以前のザ・スクワイアズ時代の音源、ついにリリースへ

ジミ・ヘンドリックスがデビュー前にバンド・メンバーとして在籍していた時期のカーティス・ナイト・アンド・ザ・スクワイアズのレコーディングがついにリリースされる。

アルバムは『You Can’t Use My Name: Curtis Knight & The Squires (featuring Jimi Hendrix) The RSVP/PPX Sessions』といって3月24日にリリースを予定しているが、実はこれまでこの音源は訴訟や権利関係のいざこざでリリースが見送られてきたものだったという。ジミはイギリスに渡ってエクスペリエンスを結成し大成功を収める以前、ニューヨークで活動していた頃に、PPXレコードを通してザ・スクワイアズのメンバーとして契約を交わしていたという。その後、ジミがイギリスで大ブレイクを果たすと、PPXはジミが関わったザ・スクワイアズのレコーディングをリリースしたが、ジミは「聴く価値のない音源」としてリリースを嫌がっていたため、その後、イギリスの法廷からリリースの差止め令が発効されることになった。

その後、この時代の音源の所有権をめぐって権利の整理と係争が続いてきたが、ようやく昨年ジミの遺産や著作権を管理しているエクスペリエンス・ヘンドリックスが音源を獲得し、レガシー・レコーディングスからのリリースにこぎつけることになった。音源は1965年から67年にかけて録音された88曲が揃っていて、今回そのうちの14曲がリリースされることになる。また、ジミのレコーディングのエンジニアを務めてきたエディ・クレイマーがテープの修正とトラックの選別を手がけていて、今回の作業を次のように声明で説明している。

「すべてのパフォーマンスについて遡ってみて一番ベストなパフォーマンスを選別し、その音源を分解して、リミックスをかけて、これらのレコーディングについての最高の音源だと思えるものを作ってみたんだよ。終わりのない、音の考古学的な発掘作業みたいなもので、繊細な刷毛で土を取り払ってそこに隠されている原石を探し出してくるようなものなんだ。利用できる機材や装置などを総動員するわけで、ぼくは『科学捜査音源』と呼んでるんだけどね。根を詰める作業をそれこそ何時間も何時間も重ねていくものなんだけど、最高のパフォーマンスを探し出して、その価値をわからせるという作業はとても楽しめるものなんだよね」

『You Can’t Use My Name: Curtis Knight & The Squires (featuring Jimi Hendrix) The RSVP/PPX Sessions』のトラックリストは以下の通り。
1. "How Would You Feel"
2. "Gotta Have A New Dress"
3. "Don’t Accuse Me"
4. "Fool For You Baby"
5. "No Such Animal"
6. "Welcome Home"
7. "Knock Yourself Out [Flying On Instruments] "
8. "Simon Says"
9. "Station Break"
10. "Strange Things"
11. "Hornet’s Nest"
12. "You Don’t Want Me"
13. "You Can’t Use My Name"
14. "Gloomy Monday"
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