ニール・ヤング、大統領選共和党候補の"Rockin' in the Free World"使用について声明

ニール・ヤング、大統領選共和党候補の"Rockin' in the Free World"使用について声明

来年2016年に行われるアメリカの大統領選に向けて共和党の候補に名乗りを上げた実業家のドナルド・トランプだが、トランプが発表会見でニール・ヤングの"ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド"を使っていたことと関連して、ニールは長い声明文を発表している。

もともと"ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド"は低所得者層がまともに生きていけなくなってきているという80年代末のアメリカの社会状況を歌った曲で、初代ブッシュ大統領と共和党政権への批判として書かれた作品だったが、とかくコーラスの「(俺にやれることといったら)自由主義社会でせいぜいロックにかまけるだけだ」という反語的な意味合いが「新自由主義でがんがんやってくぜ!」という意味合いに誤解されることが多い。おそらくトランプもそうした文脈で曲を使ったと思われるが、ニールは自身のフェイスブックに上げたエッセーで名指しは避けたが「大統領選のとある候補者」が「俺の曲を許可なく使った」と報告していて、次のように自身の立場を説明している。

「音楽とは普遍的な言語だから、いろんな違った信念を持ったたくさんの人たちが、俺とは同じ信念を分かち合わなくても、俺の音楽を楽しんでくれるということを俺は嬉しく思ってるんだ。でも、大統領選候補に曲を使わせてもらえないかと訊かれたなら、俺はそれを断っていたはずだよ」

さらに"ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド"がトランプの選挙キャンペーン・ソングになったという報道でトランプとニールのツーショット写真がやたらと報じられたことにもニールは閉口していると表明していて、この写真もニールが立ち上げた高音質携帯プレーヤーのポノの起業の際、出資者探しに奔走していた頃に撮ったものだと説明していて、政治とはまったく関係ない写真だと断じている。

さらに自身の政治へのスタンスについてニールは次のように語っている。

「俺はカナダ人でアメリカでは投票はしないけれども、それよりも重要なのは最近のアメリカやほかの国での政治が置かれている体制については好きじゃないなと思うんだ。ますます民主主義は企業の利益のために乗っ取られているからなんだ。大統領選に出馬するための資金、特別な利権団体のロビー活動にかかる資金、ますます広がる経済格差や潤沢な資金を背景に通過しているさまざまな法案は人々よりも企業の利益を優先させたものなんだ」

さらに7月29日にリリースされるニールの新作『ザ・モンサント・イヤーズ』では遺伝子組換食品や原料の表示義務に対して訴訟を起こしている遺伝子組換食品の大手モンサント社への批判などが歌われているが、このアルバムに対して、題材となった企業がニールへの批判を行っていることについてニールは次のように反論している。

「企業が一般庶民や環境やほかの動物などに危害を及ぼしていると俺が発言する時、俺を標的にして潤沢な資金に支えられた情報攪乱キャンペーンが行われるもんだと当然予想してるよ。こうした問題をさまざまな形で取り上げている俺の新作『ザ・モンサント・イヤーズ』に対するここのところの動きはまさにそういうもんなんだよ」

「俺は企業や企業の子飼いのメディアから発信される利己的な偽情報など信用しないよ。そうした企業から数百万ドル(数億円)単位の献金を貰っている政治家も信用しない。俺は人々を信用する。だから、俺は大統領選候補の連中ではなく、人々のために曲を作ってるんだよ」

なお、トランプ側はニールの意向を汲んで今後"ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド"をキャンペーンで使用することはないと明らかにしたものの、楽曲の使用については許可を得たはずだとも主張し続けている。これに対して、ニールのマネジメントは「ドナルド・トランプが"ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド"を自身の大統領選候補出馬表明会で使用するという許可をとったという事実はありません。カナダ国籍であるニール・ヤングは、アメリカの大統領選についてはバーニー・サンダース(ヴァーモント州を地盤とする無所属の現上院議員。2016年の大統領選については民主党候補として出馬することを表明している)を支持しています」と発表している。
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