リンキン・パークはバンドの事業に有能なビジネスマンを雇い入れ、事業展開を行っていることが明らかになっている。
バンドの事業はハーヴァード大学が発行する経営学誌ハーヴァード・ビジネス・レヴューでも取り上げられていて、バンドの事業を切り回しているキエル・ベリーの抱負や見解などが紹介されているとか。ベリーはバンドのレーベルであるマシーン・ショップの経営を託されていて、現在の展望を次のように語っている。
「この新しい環境で最も成功しているアーティストたちも自身のブランド力をより強くしていくため、新しいビジネス・モデルや新しい業態に目を向けています。そうしたアーティストたちは自分たちのブランドをテクノロジー、ゲーム、ファッション、ライフスタイルなどのコンテンツにまで広げようと試みていて、本質的にそこにエンターテイメントの下地が育つ可能性を見出しているのです」
「2013年の時点でリンキン・パークとマシーン・ショップはデジタル音楽によって(最初はダウンロードによって、その次にはストリーミングによって)ビジネスのあり方が劇的なまでに変質させられてしまったと表明していました。しかし、わたしはリンキン・パークの世界的な影響力、そして音楽という狭いジャンルの枠を越えた、その外でのビジネス・チャンスの可能性を考えると、ここは大洋だとしか思えませんでした」
そして、ベリーはついにリンキン・パークのヴェンチャー投資部門まで設立したことを次のように説明している。
「わたしたちはマシーン・ショップの経営を刷新し、これまでになかったビジネス・パートナーシップやクリエイティヴな発想による事業の革新に専念しました。これを1年続けていくうちにファッション、デザイン、テクノロジーの分野で将来性のある調査研究をいくつも揃えることに成功しました。そうして地道な下地作りを済ませた後に、こうした革新的な活動を支援していくため、これまでの伝統的な音楽マネジメントを進化させていかなければならないことにわたしたちは気づきました」
「わたしたちはまずわたしたちのヴェンチャー投資企業であるマシーン・ショップ・ヴェンチャーズを設立し、テクノロジーとデザインを通して人々とイノヴェーションを繋げるというリンキン・パークの思想に共鳴する、消費者を重視した企業で初期か成長期にあたる企業への投資に専念させました。こうした投資先の企業とは、カルチャーの時代精神の中でブランド力を維持するということについてわたしたちの知っているノウハウを共有したいのです。そしてわたしたちは、内部企業文化のあり方やヴィジョン、新しいビジネスの創造などについて学びたいわけです」
「わたしたちはまだ音楽業界に属していますが、音楽を制作して売ることは、わたしたちのさまざまなビジネスの複合体の中ではサポート的な存在となってきています。今年の夏には中国の5つの都市でヘッドライナー・ツアーを行いますが、テクノロジー企業、消費者ブランド、ヴェンチャー投資会社の人たちとも会って、パートナーシップの機会がないか話し合ってくることにもなっています。もちろん、これまでずっとやってきたように、ライヴをやってファンのみなさんと会うことも続けます。しかし、素晴らしい音楽を作り続けていくのと同時に、絶え間ない進化を続けるカルチャーとビジネスの世界でよりよい行動に出るのに有利なポジションに今のリンキン・パークはいるのです」
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