アジカン、王道を生きてきた20年の証明ーー ツアー序盤・横アリ公演レポ

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ニューアルバムを携え、現在、全国ツアー『Tour 2015「Wonder Future」』を敢行中のASIAN KUNG-FU GENERATION。2015年7月18日には、4公演目となる横浜アリーナ公演が行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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「今日は、横浜各地でイベントがあるみたいで。ここにいる人は、いい時間になったら横浜の花火に移動するんじゃないかと思いますけれども(笑)。最後まで、よろしくお願いします!」と後藤正文(Vo・G)は冗談めかしていたけれど、2時間半釘づけ、恐ろしく体感時間の短いステージであった。新作『Wonder Future』を携え7月5日に始まったツアーは、全国30公演がスケジュールされこの日がまだ4公演目。11月にはヨーロッパ及び南米ラウンドも控えているということで、長い旅が続いてゆく。今後の公演に参加予定の方は、少々の演奏曲表記を含む以下本文の閲覧にご注意を。

白く巨大な立体がビル群のように立ち並ぶステージセットは、既にインターネット上に公開されているツアーのティザー映像でも分かるように、3Dマッピング演出に用いられるプロジェクターだ。その架空の街に佇むようにして、サポートにthe chef cooks meのシモリョーこと下村亮介を加えた5人編成のバンドが鮮烈にして豪快なロックサウンドをほとばしらせ、ゴッチはのっけからシャウト混じりに歌声を響かせる。伊地知潔(Dr)によるビートは強烈なアタック感を受け止めさせながら、音色が雄弁に語るようにして楽曲のエモーションを増幅させていた。

何と言っても、今回のツアーの核になるのは『Wonder Future』の楽曲群である。ダイナミックなロール感と音響をまとって警鐘を鳴らし、《ひとかけらの夢/ひとにぎりの希望を/隠さないで》とすべての人が持つ力に訴える“Caterpillar/芋虫”。主にキーボードやパーカッションを担当するシモリョーもギターを手に取り、トリプルギターのレイヤーの中で街の物語を紡ぐ“Eternal Sunshine/永遠の陽光”。ヴォーカルマイクにエフェクトが加えられ、高まる危機感を痛烈に浴びせかける“Planet of The Apes/猿の惑星”。そして、プロジェクターに浮かび上がる何枚もの額縁に収められた抽象画が、アートの無限に広がるべき解釈を伝える“Prisoner in a Frame/額の中の囚人”。3Dマッピングの映像演出(監督:鶴岡雅浩)は、ただ派手で華やかというよりも、アジカンの音楽と緊密に結びつくアートになっていて美しい。

更に、新作曲の合間に挿入される、以前からのレパートリーがまた素晴らしかった。新作曲のメッセージや情景を引き継ぐようにプレイされ、新たな命が吹き込まれてゆく。身震いさせられるほどドラマティックな流れが、随所に組み込まれているのである。でもそれは、カッチリとパッケージされた不自由なパフォーマンスではなくて、心の赴くままに自然に描き出されてゆく「流れ」であった。オーディエンスと同様、思わず、といった感じで飛び跳ねる喜多建介(G・Vo)。5人が演奏を楽しみ尽くすような“リライト”後半のダブ/パンクなロングセッションでは、山田貴洋(B)のぽっかりと浮かび上がるベースラインに喝采が贈られる。一人の歌が確かに世界を変える、そんな“スタンダード”の物語性は、人々が作り上げてゆくべき、新しい世界と我々の街に向けて投げ掛けられていた。

オーディエンスが携帯電話のライトを灯してアンコールの催促をする(今回のツアーでは、アンコール時のみ携帯での撮影が許可されている)と、喜多が自らリードヴォーカルを務める一幕について「僕の予定では、今後(ゴッチと)半々になる予定なんだ。持ち曲がね」と語り、ゴッチは「あのう、来年、結成20周年で。人生の半分、あの3人とバンドやってて、絶望的な気持ちになりますけどね(笑)」と告げながら、「ソウルメイト」シモリョー含め、ユーモラスに出会いのエピソードを振り返りつつメンバーを紹介してゆく。こんなふうに、アジカンは20周年に向けて長い旅を続けてゆくのだろう。次の舞台は7月22日・旭川市民文化会館だ。今後の各地公演、全力で期待していて欲しい。(小池宏和)

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