6月27日にクリス・スクワイアが他界したイエスだが、クリス亡き後も活動を続けることを明らかにしている。
クリスは現在のイエスのラインナップでは唯一のオリジナル・メンバーとなっていて、イエスのライヴもクリス不在で行われたことはこれまで一度もなかった。しかし、8月に予定されているイエスの世界ツアーについてクリスは白血病の治療に専念するため参加しないと5月に発表し、その後自宅での療養に入っていた。
現ラインナップのドラムのアラン・ホワイトはビルボード誌の取材に次のようにイエスとしての活動を続けると説明している。
「クリスなしでは本当に大変なことになるんだけど、クリスからは連絡も入って、たとえどんなことが起きようともすべてを前に進め続けてくれと言われたんだよ。だから、ぼくたちは間違いなく活動を前に進めるよ。ぼくはクリスのためにやるんだから」
バンドは8月からトトとのジョイント・ツアーを予定しているほか、イエスを中心とした船上クルーズ・フェスティヴァルであるクルーズ・トゥ・ジ・エッジも11月に控えているため、ライヴからの離脱を5月に発表した際、クリスは自身の後任として1997年から00年にかけてイエスでキーボードやギター、ベースなど手広くバンドの各パートを務めた経験のあるビリー・シャーウッドを指名していた。
アランは当分はビリーにベースを務めてもらうつもりだと語っているが、その一方で次のようにまだ体制として暗中模索状態だとも説明している。
「ステージに出てもいつもいたはずのあの存在がいないとかなりしんどくなると思うんだよね。いろんな人たちが温めているアイディアをいろいろ試してみることになるとは思うよ。ライヴの中でクリスへの追悼やオマージュは間違いなくやっていくことになるけど、まだどういう形になるのかはよくわからないんだ」
しかし、クリス不在でバンドを続けることにファンからの支持は厚いこともアランは明らかにしている。
「その点ではすごくポジティヴに動いてくれてるんだ。ファンのみんなはバンドを支えてくれているし、今この時点ではバンドに前に進んでもらいたがってるんだよね。だから、誰もイエスについては諦めた感じがしないし、それがすごく励みになるし、それを支えに先に進んで行けると思うんだ。なんかをやめちゃうっていうことはもうできないんだよね。イエスという名前はこれからも守って行かなきゃならないし、クリスが築き上げたこの高いミュージシャンシップのレヴェルにもきちんと応えていかなきゃならないんだよ」