キース・リチャーズ、『サージェント・ペパーズ』はビートルズ作品としてはゴミだと語る

キース・リチャーズ、『サージェント・ペパーズ』はビートルズ作品としてはゴミだと語る - キース・リチャーズ『クロスアイド・ハート』9月18日(金)発売キース・リチャーズ『クロスアイド・ハート』9月18日(金)発売

9月18日にソロ新作『クロスアイド・ハート』をリリースするキース・リチャーズだが、ザ・ビートルズの作品としては『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』はゴミだと語っている。

エスクァイア誌の取材を受けたキースはビートルズの最高傑作ともよく評される『サージェント・ペパーズ』について次のように語っている。

「ビートルズはビートルズらしい時のサウンドが最高なんだよ。でも、あの音楽にはあんまりルーツを感じさせるものがないよね。まあ、なんか舞い上がっちゃったんじゃないのかな。無理ないだろ、そりゃあ? 60年代にビートルズなんかやってたらね、舞い上がらない方が無理だから。で、自分がそもそもなにをやりたかったのか見えなくなっちゃうんだよね。それで『サージェント・ペパーズ』をやり始めちゃうんだよ。なかには天才的なアルバムだという人もいるけど、ゴミがいろいろまぜこぜになったもんだと思うよ、『サタニック・マジェスティーズ』みたいにね。くだらないもんのてんこ盛りなら、自分たちにも作れるぜってな調子でわざわざ張り合っちゃったっていうか」

また、ビートルズはお行儀がよくてストーンズは不良だったという60年代のイメージに反して実際にはビートルズの方がよっぽど悪かったというかねてからの持論もキースはかざしていて、60年代中盤までのストーンズのライヴで悲鳴を上げていたような女子のファンなどは、いざとなるとそんなにバンドと寝たりするようなことまではしてくれなかったと振り返っている。

「俺たちのことばっかり取り沙汰されるけどさ、ああいう女子たちがへとへとにさせてた相手っていうのはそれこそビートルズの方だったからね。ビートルズは1966年にツアーをやめたわけだけど、それは要するにその時点でもうやり尽くしてたってことなんだよ。それでインドに行ってなんたらかんたらっていう心の準備もできたわけだ」

また、キースは1993年に脱退し、50周年記念ライヴの最初のイギリス公演にのみ参加したビル・ワイマンについても触れている。ミック・ジャガーとキースが少年時代以来初めて1961年に再会し、そこで音楽談義になってバンドでもやろうという話になったといわれるロンドン郊外のダートフォード駅には、「ミック・ジャガーとキース・リチャーズは1961年10月17日に当駅2番線ホームで出会い、その後、史上最も成功したロック・バンドのひとつとなったザ・ローリング・ストーンズを結成することになった」という歴史スポットであることを紹介する銘鈑が設置されていたが、ビルは出演したラジオ番組でこの銘鈑について「腹が立つ」と批判。ストーンズはブライアン・ジョーンズによって結成されたのであってこういう事実の書き換えは許せないとぶち上げ、結果的にダートフォード駅はこの銘鈑の内容を誰にも満足してもらえる内容に改めるとして撤去してしまったという。キースはこの話をミックから聞いたと次のように語っている。

「この間、ミックから聞いたんだよ、『おい、信じられるかよ、ビル・ワイマンがダートフォード駅の銘鈑にケチをつけてるらしいんだよね』って。それで俺は『えっ、銘鈑? 俺たちの銅像が建てられてたんじゃなかったっけ?』って訊き直したんだけど」

キースはさらに、ビルはさも自分とミックがバンドを結成したかのように語られていると思って頭に来ているのだろうと推測しているが、実際の経緯は違うのだと次のように説明している。

「要するに、そもそもバンドが結成した時ビルはまだいなかったっていうことなんだよ。バンドを結成したのは(ピアノとツアー・マネージャーとして活躍した)イアン・スチュアートで、俺たちはみんなイアンに惹かれて集まったんだよ。ビルは昔からちょっと変わったおかしなやつだったけど、なんでこんなことを世間に見せつけなきゃならないんだろうね……ミックは確かビルに手紙を送ったらしくて、ビルはビルでペンジっていう町出身だから、『ペンジ駅できみがローリング・ストーンズのオリジナル・メンバーだったと書かれた銘鈑が設置されたとして、ぼくたちがそれにケチをつけると思う?』ってその中で訊いてみたそうだよ。けどさ、ビルのことは俺たちは大好きなんだよ。ベースもほんとにたいしたもんだったし。別に俺たちの方からやめてくれって追い出したわけじゃないんだから」

なお、海外では『クロスアイド・ハート』のリリース日にアルバムのメイキング・ドキュメンタリー『Keith Richards: Under the Influence』が映画ストリーミング・サイトのネットフリックスで公開される。
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